浮気者実琴



みこりんって誰のこと!?
みこりんってあだ名は貴方が作ったの!?
最近その『みこりん』に可愛らしい女の子が傍にいる。いるんです。
リボンが両サイドに付いてて、なんとも可愛らしい。羨ましい。




『実琴の浮気者』

「は、はぁ!?なんでそうなるんだよ!」

『わかってた!実琴に相手がいっぱいいる事くらい!ね、みこりん!』

「誤解を招く言い方すんな!」




みこりんこと御子柴実琴は、私の彼氏です。
実琴は恥ずかしがり屋だけど、モテる。常に不安です。
好きなんて言ってくれた事あまりないから…
好きって言えよ




「浮気してねぇだろ」

『みんなそうやって言うんだよね』

「本当だっつーの!」




まぁ、別に私が我慢すればいい話なんだけどさ。
その方が楽に収まるでしょ?




『ま、いーけど別に』

「……」

『……』

「……」

『…何?』

「なんか、可愛くねぇよな。名前って」




人の顔をじっと見て可愛くないとかどういう事?
実琴は私の事を顔で選んでたって事!?
なにそれ…




『最っ低!!!』

「そ、そんなに怒るなよ!」

『うるさい!実琴のバカバカおバカー!!』




机に顔を伏せた。
ひどい!私よりリボンの子を選ぶのね!!




「なぁ、おい…」

『……』

「…泣くなって」

『……』

「浮気もなんもしてねぇよ…」

『…信じられないもんね』

「……」




このまま別れる可能性大。
だって絶対実琴の顔呆れてる顔してると思うもん…
見てないけど…。ってか見れない、怖い




「バーカ」

『っ!?』

「名前でいっぱいいっぱいなのに他の人なんか愛せるかよ」

『み、実、琴…?』




頭には実琴の温かい手。
優しく撫でるように、でもくしゃくしゃと髪を掻き乱す。
言った後どうせ照れてるんだろうなと思い、顔を上げるとどこか悲しげな表情の実琴と目が合った。




『……』

「浮気者とか言うなよ、頼むから」

『…ご、めん』

「そう思わせた俺も悪いよな、ごめんな」

『……ごめ、ん…』




手を止めない実琴に、なんだか泣きそうになってきた。
悪いのは全部、嫉妬してしまった私だったんだと…




「ほら、泣くなって…」

『ごめっ、みこ、と…!ご、めん…!』

「大丈夫だから」




頭を撫でていた手は、頬に流れる涙を指で拭いてくれた。
もっと実琴を信じないと、彼女として最低だよ…私




「…好きだぜ、名前」

『っ!わ、私も、好きだよ…!』




照れないなんて珍しい…。
すると突然扉が開いた




「…二人きりの教室に入るのはアレだと思うけど、ちょっとごめんね、忘れ物したから入るよ」

『か、鹿島くん!?』

「い、いつからいた…!?」

「うーん、浮気者ってあたりから」

「『全部じゃん!!!』」






20150319

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