日常が非日常に



『はぁ…つまんな』




毎日毎日学校行って勉強して家に帰って寝るだけの普通の生活
飽きたっつーの。なんか、非日常的な何か起こらないかなー

私は苗字名前
来良学園の生徒です。今は帰宅途中
もうすぐ補導される時間になりますけど





「危ねぇ!!!」

『?』




突然響く声。どこからだろうと辺りを見回すと…
目の前に自販機。




『うぁ゙!!』




なんで自販機が!?
と正解を見つけ出す前に、自販機が全身に当たった。このままじゃ潰される、自販機重い…




「おい!今どかすから死ぬんじゃねぇぞ!!」

『…うっ、』

「あははは!シズちゃんが女子高生を殺した!」

「うるせぇ臨也!!」




ふわっと体が軽くなる。
きっと私の上に乗っかっていた自販機が誰かによってどかされたのだろう。
よかった、潰されないですむ




「大丈夫か!?」

『ん…?』




ゆっくりと目を開けると綺麗な金髪にグラサンを掛けたイケメンが私の上半身を支えて起こしてくれていた




『…カッコいい』

「…は?」

「あはははははは!第一声がそれなの!?面白いね!」




なんであの人は、あんなに腹を抱えて笑っているのだろうか…




「お前…怪我は…?」

『え?…痛っ、膝すりむいただけです』

「へぇ…君、なかなか面白いよ」

『は、はぁ…』

「ホントに大丈夫か?…一応自販機が上に乗ったんだぞ?」

『自販機は貴方が投げたのですか!?その姿と優しさだけでカッコいいのに力が強いって…!超カッコいいじゃないですか!!』

「カッコ…」

「あははははははは!!」




毎日毎日普通の生活。
だけど、この人との出会いにより普通の日常が非日常へと変化していった…




『シズさーん!』

「おう、名前かなんか買い物すんのか?」

『はい!ゆまっちとえりちゃんで、アニメイトに行くんです!!』

「アニメイト?なんじゃそら…」




私はあの日を境に色んな人と出会った。
シズさんにドタチンにゆまっちにえりちゃん、臨也さんにセルティさん!
同じ学校の人もいたの!
竜ヶ峰帝人くんに園原杏里ちゃんに紀田正臣くん




『うふふ、楽しい!』




これからも色んな人達に出会えるのかな?




「名前、なんか奢るからよ、どっか行かねぇ?」

『行く!!』

「…即答だな、時間は大丈夫か?」

『大丈夫です!ゆまっちとえりちゃんとは後で合流しますから!』

「ありがと、んで、どこ行くよ」

『んー…マック』

「そんなんでいいのか?」

『マック!マックシェイク飲みたいです!』

「りょーかい」




私とシズさんはマックへと向かった。
それぞれ注文してトレイを持ってシズさんの向かいに座る




「名前、その2つでいいのか?」

『はい!ここのナゲットは美味いですから!』

「…そうか」




ちょっと微笑むシズさん。不意打ちのその顔に胸が高鳴る。
悟られないようポテトを頬張る




『……』

「あのさ、…俺達が初めて会った日」

『私は鮮明に覚えてまふっ!』

「…食べながら喋るな。」

『はーい』

「あの日、俺は名前に自販機を当てちまった。けどお前は膝をすりむいただけの怪我だった。この前も俺が道路標識を臨也に投げたつもりがお前に当たった事もあった。流石に死んだんじゃねぇかと思ったが、無傷だった…。お前、このままだったら俺のせいで傷が増えるだけな気がするんだが…」




きゅ、急に真面目な顔してどうしたんですか…?シズさんは、何が言いたいんですか…?




『…え、だからなんですか?』

「なるべく、俺には近寄らねぇ方がいい」

『い、嫌です…!』

「頼む!俺は名前を傷つけたくはねぇんだ…!」

『で、でも!私はシズさんの事が…!』




好きって言おうとしたら、シズさんが隣に座ってきて優しく抱きしめてきた。
ここをマックだと忘れて…




「そんな顔すんな…」

『だって、シズ、さんが…!』

「わかってくれ…」

『2度と、会えないって事ですよ!?…わかりたく、ないです…!!』

「2度とじゃない、俺の力が加減できるまで…我慢できるまで…制御できるまで…」




抱きしめられていた時、シズさんもちょっとだけ泣いていた気がする。

それから私達はマックの前で別れ、私はそのままゆまっちとえりちゃんがいるアニメイトへと向かった




『ゆまっちー!えりちゃーん!お待たせー!…あれ?ドタチン!?』

「やっと来たっスね」

「待ってたよ名前ー!」

「名前、目が赤いぜ?」

『だってしばらく会えないから…』

「は?」

『ううん、なんでもない!』







20130226

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