「おい、あんまり離れるなよー」 『ねぇ静雄静雄!!可愛い?』 「ぇ゙!?か、可愛い、と思う…」 『えへへっ』 今日は、池袋の近くで祭りがあるってセルティに聞いたから付き合ったばかりの静雄と一緒に来ています。静雄に可愛く見られたくて着物を着てきました! 『あ、静雄!あそこに綿菓子あるよ!買って食べよー!』 「そうだな、俺も食べたかったんだ」 『静雄は甘い物が好きだからね〜!おじちゃん!綿菓子2個ちょうだい?』 「はいよ!お嬢ちゃん彼氏と来たのかい?羨ましいねぇ」 『んも!声がデカイよ、おじちゃん!』 「…名前も十分声でかいぞ?」 綿菓子の後は焼きそば食べたり、りんご飴食べたり、イカ焼き食べたり、チョコバナナ食べたりと色々食べ歩きを楽しんでいたのだけど、たった今、静雄の様子がおかしくなった 「…名前」 『何?』 顔を見ると、額には血管が浮き出ていて、とても怒っているようだった 「ノミ蟲、見つけちまったんだが…」 『…いーよ、花火が上がる前には帰ってきてね』 「あぁ…」 すると静雄は折原臨也がいるであろう場所へと向かって走った。 「いざやぁぁぁぁあ!!」 …さて何を食べよう。またイカ焼きでも食べようかな〜 その後はあんず飴を食べて〜 「ねぇ、おまじない知ってる?」 「なんだよ、おまじないって」 「えぇ、知らないの?カップルが花火の下でキスすると永遠にその人達は結ばれるって話!」 「へっ、どうせ噂だろ?」 「やろうよ!もうすぐ花火上がるし!」 「や、やらねぇよ恥ずかしいな!」 つい、カップルの話を聞いてしまった。 花火の下でキスをすると、そのカップルは永遠に結ばれる…か 『やってみる価値はありそうだな…って言っても静雄は折原くんと喧嘩中なんだっけ』 なるべく早く終わらないかなー… 今日くらいはずっと一緒に過ごしたいもん…静雄も少しはそう思ってくれてるといいなー カップルの話を聞いた後も、1人で射的したり、輪投げしたり、ヨーヨーすくったり、スーパーボール取ったりして時間が過ぎていった。もう少しで花火が上がる、しかしまだ静雄は帰ってこない 『もう、静雄どこ行ったのよ…』 折原くん見つけてから2時間くらい経っちゃったよ?早く帰ってきてよ、もう私の事はどうでもよくなっちゃったの? 花火始まっちゃうのに…、上がる時には帰ってきてねって行ったのに!! 『…帰ったのかな?』 このままいても仕方ないから私も帰ろうと、ベンチから立ち上がると後ろからドンッ!と爆発音が聞こえた。振り返ると… 花火に背を向けながら立っていたのは、ずっと帰りを待っていた人で… 「待たせたな」 『し、ずお…』 「…まぁ話は後だ」 『え?』 近寄ってきた静雄は、私の後頭部に手をやると少し上を向かされ彼の顔が近づいてきたので、目を閉じたら唇に柔らかいものがあたった。ビックリした私はキスされてる事に気づくのに少し時間がかかった 『んっ…、な、何!?』 「いや、さっきここ来る時にたまたま聞いた噂でよ『花火の下でキスすると永遠に結ばれる』って…」 『私もさっき聞いた…』 「そっか、俺達ずっと一緒だな」 『よく言うよ。さっき2時間弱もほったらかしてたくせに…』 「わ、悪かったよ…」 『…許す』 「ありがと、名前愛してる」 『わ、私も!愛してる!』 end. [prev] | [next] |