翔ちゃんが怪我をした。
仕事が終わって私の家に来る間、自転車と衝突したという。あの子に限ってそんなバカな!と思ったが、病院に行ってみたらそれはそれは結構なお傷で…
見てて少し痛々しいです




「お、名前!悪いな…」

『翔ちゃん大丈夫?』

「うーん、一応大丈夫だけどさ、明日の仕事に影響なきゃいいなぁ…」

『…ついていく』

「は?」

『お願い翔ちゃん!!こうなったのも私のせい!!だから!明日!貴方に付き添う!!』




これはチャンスだと思った。だってさ、1日中翔ちゃんと一緒にいられるんだぜ!?これは拒否られてももう引き下がれないなぁ、うふふ




「…じゃあ言葉に甘えてみっかな」

『え?』

「な、なんだよ、名前が言ったんだろ!」

『い、言った言った!ありがとう翔ちゃん!』




断られると思っていたから、あっさりOKをもらって驚いた。それはそれはすごく驚いた、、、














「おはよー!」

「翔!おはよう!」

「翔ちゃん!おはようございます!」




な、何ここ、スタジオ…?
休憩室とか何か?え、つか本物の一十木音也と四ノ宮那月だ…え?もう1度言うけど何ここ!!
私はわけがわからなくて翔ちゃんの後ろでガチガチに固まっていた。




「あれ?どうしたの、その子…」

「あれ?膝どうしたの?」

「あぁ、こいつは俺の幼馴染かつ恋人で、膝は昨日自転車とぶつかって擦りむいたんだ」

「「え、そうなの!?」」




四ノ宮さんは私の事に驚いているが、一十木さんは翔ちゃんの膝について驚いていた




『あ、苗字名前ですっ!』

「四ノ宮那月ですぅ」

「あ、俺は一十木音也!」

「今日は怪我した付き添いで来てもらった」




自己紹介が終わると翔ちゃんは一十木さんと、私は四ノ宮さんとお話を始めた。
四ノ宮さんはなんかフワフワしてて話しやすかった




『普段の翔ちゃんですか?』

「はい、とても気になるんです」

『そうですね…普段の翔ちゃんは、脱いだ服はそのまま床に放置気味ですし、お風呂は1人で入る時も腰にタオル巻いてますし〜、暗いところに1人でいるとその静かさで寂しくなるのが嫌みたいで、よく私の家に来てはベットに潜り込んできた事がたくさ…』

「おい!!お前なに那月に変な話してんだよ!!!!」




一十木さんと話していたはずなのに、翔ちゃんは顔を真っ赤にしながらこちらを睨んできた。おー怖い怖い。
が、無視して四ノ宮さんに話す




『でも、翔ちゃん可愛いんですよ?怖くてベット入ってくる時なんか小さな子供みたいで…あ、今でも小さいか』

「やかましいわ!!」

「そうなんですね〜、でも確かに翔ちゃんは可愛いです!」

『か、可愛さ、わかりますか…?』

「はい!とっても!翔ちゃんは人一倍頑張り屋さんなんですけど、ちょっと苦労してるところを見ると可愛い顔してますよ!」

『あぁ!わかります!越えられない壁があった時に、越える時じゃなくて越えるまでのところがすごく可愛いんですよね!!』

「お前らどんな話してんだよ!!」




翔ちゃん、漫才コンビ組めるよこれ
あの真っ赤な顔はどうやら恥ずかしいみたいだ。
しまった、喋り過ぎたかな?




「名前!お前もう帰れ!!」

『うーん、けど忘れたわけじゃないよね?』

「とにかく帰れ!2度と連れて行くか!!」

「あの、喧嘩は…」

「ちょっと、翔どうしたんだよぉ…」




気まずい雰囲気にさせるのはまずいと思って楽屋をでた。
さて帰ろう、つか出口どこかな?とりあえず左かな??




「はぁ…」

「ごめんなさい翔ちゃん、僕のせいです、どうか名前ちゃんを責めないで…?」

「…わかってるよ。…待て、名前どこに行こうとしてた??」

「さぁ、翔が帰れって言ったから帰ったんじゃないかな?」

「や、やべぇ!!!!!!」












『…出口ないや、あれ?ここどこなんだろう』




はい、迷子確定です!
さてどうしたものか……、動かない方がいいのか人に聞いた方がいいのか…




『翔ちゃん、私の方向音痴を忘れたわけじゃないよね?…うーん』

「あれ〜?君どうしたの??」

『…!?み、帝ナギ、さん!?』

「…もしかして迷子とか?」

『あ、は、はい、恥ずかしながら…』

「どこ行きたいの?」

『で、出口…』

「いいよ、案内してあげる〜」




HE★VENSの帝ナギさんだ!可愛い顔してるなぁ…
優しい人に会えてよかった!出口にやっとたどり着けるんだね!!




「出だしから間違えてるし…そっちじゃないよ、こっちだから」

『……』

















「はい、出口」

『ありがとうございます!』

「…はぁ、おい、名前…!!」

『あ、翔ちゃん!』




出口に着いて帝さんにお礼を言うと、GOODタイミングで翔ちゃんが現れた!
探しに来てくれてたんだね…泣けてくるよ…




「ふーん、来栖翔と知り合いだったんだ〜」

「なんで、こいつと一緒にいるんだよ」

『出口まで案内してもらったの!』




あれ?なんか火花散ってる??
帝さんは少しムスッとした顔をしたままくるりと体を回すと歩き出した。その背中にお礼を言うと、手をヒラヒラとして去って行った




『じゃあ帰るね翔ちゃん』

「仕事終わるまで待ってろ」

『でも…』

「いいから」

『うん!じゃあ待ってる!』




…あれ、さっき走ってなかった…?




『ねぇ、今走ってきたよね?』

「見ればわかるだろ!つか、うるさい喋んなバカ!!」

『足、怪我してたのに大丈夫なの?』

「…!?」




面白いほど翔ちゃんの方が上下に揺れた。




『なになに〜?実は怪我してなかったとか?』

「っ、その、あれだよ…!」

『なに?』

「名前と一緒にいたかったからに決まってんだろ!!!」




驚いた、照れ屋の翔ちゃんがハッキリと私にそう言ったのだ。
やはり可愛い、なんだこの人




『翔ちゃんありがとう』

「お、おう…」




当分、翔ちゃんバカをやめられそうにありません。だって可愛いんだもの!!







保護者ですから




2014.09.03
コックリ様…お待たせいたしました!2回目のリクエストありがとうございます!!(≧∇≦)
夢主さんがちゃんと親バカになっているか、そこが1番心配なのです…(笑
翔ちゃんも親バカにしようかと思ったのですが、ここはあえて照れさせようと、思いました(・ω・;)
また爆笑してもらえたら嬉しいです!

それでは、またリクエストの方お願いいたします!笑


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