ちょこっと



『あれー?買い溜めしておいたチョコが少しなくなってる気がする…』




冷蔵庫を開けてみると、袋に入れておいた大量のチョコが減っている。これはきっとアイツの仕業だ。
勝手に私の家に入って、勝手に食べたに違いない。こんな事するのアイツしか…




「名前ちん、遊ぼー」




無駄にデカくて子供みたいな敦しかいない…!
存在感を消して後ろに立つな!びっくりするから!




『ねぇ敦…、私のチョコ食べたでしょ』

「うん」




認めるの早っ!!
もっと言い訳とかしてみなよ!あ、もしかして悪気があってやったとか?あってやってたら絶対に許さないけどねっ!!




『…なんで?』

「冷蔵庫開けたら、チョコが『食べて〜』って言ってたんだよ」




おい、そんなメルヘンチックみたいなの通用すると思ってんの?
つか、まず何で冷蔵庫開ける意味がある?




『………』

「?」




やだ敦めっちゃ可愛いー!!
敦のメルヘンチックは意外と通用しちゃうんです!敦は可愛いから信じるしかないしねっ!
でもね、今日はちょこっとだけ厳しくしていこうかなと思っています…




『…でもね、人の物は勝手に食べちゃダメなんだよ?』

「うん…。名前ちん、ごめんね?」




ぐはっ…!!
やられたわ…!まさか首をかしげて謝るなんて…!!私このままキュン死で死ねるかもしれない!
しかも何気に私の服の袖を緩く掴んでるし…、いちいち行動が可愛い!
本当、体が私より小さければいいのにな…




『も、もうしない…?』

「うん、絶対にしない」

『じゃあ…、許す』

「ありがとー、名前ちん大好きー」




許してあげれば、私を見てヘニャと笑い、私に「大好き」って言ってくれる敦が可愛い。無駄に背は大きいけど、マジ可愛いじゃないか…!!
昔から敦の笑顔には勝てなかったな…、可愛すぎちゃってなんでも許せる私がいたからです。




「ねー、遊ぼー?」

『いいよー、何して遊ぼうか』

「名前ちん」

『…は?』

「名前ちんで遊ぶから。俺の部屋行こー」




え…?
敦、私の腕を普通に引っ張ってますけど…、天使Timeの次は小悪魔Timeですか?なんで私で遊ぶのに敦の部屋に行くの?それってもしや…!
えぇ、でもやっぱりすごく恥ずかしいわけで…。
いやいや、敦が嫌いなわけじゃないんだよ?むしろ大好きなんだ。
でも、大好きだからこそ恥ずかしい感情が出るわけで…、つか私生まれて初めてだし…わからない事だらけって言うか…
大好きな敦くんの前で私の汚い体を見せるのはちょっと…、その前にシャワー浴びてきていいですか?




「名前ちん可愛いー」

『わわっ!』




悶々と頭の中で考えていたら、いつの間にか敦の部屋にいた。
正確に言うと、敦のベットに、押し倒されていた。
あれ?いつ敦の家に入ったっけ…?外出た記憶が全く覚えてないんですけど……




『あ、あのあの…』

「可愛いね」

『あ、あつし…!』

「いただきまーす」

『!?』





ちょこっと
(ん、名前ちんのキス、チョコの味がするー
(チ、チョコは、敦が私の食べたからでしょう?
(そうだったねー。
(…敦、好き、大好き!
(俺も好きだよ名前ちん



20130721

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