安心した



「何故ここにいるのだよ」

『んー?だってここに真ちゃんがいるから』

「くっ…プッ、いひっ…いひひ…!!」

「高尾っ!!」

「わりーわりー!」




校門を出れば、可愛い女の子が俺ではなく真ちゃんに向かってきた。
真ちゃんの知り合いなのか聞きたかったんだけど、真ちゃんを見ると珍しく顔が真っ赤だった。
なるほど…好きな人か、みたいな?




「だーって真ちゃん、珍しく顔が真っ赤なんだもん!」

「なっ!!」

『本当に赤いねー、可愛い真ちゃん』

「バ、バカにするな!」




真ちゃん情報だと、どうやらこの人は苗字名前さんといって、中学の頃に告白されたから付き合ってるらしい。




「…って、えぇぇぇえ!?真ちゃんの彼女なの!?つか付き合ってんの!?つか真ちゃん彼女いたの!?」

「あぁ」

『えへへ!』





マ、マジで…?
ぜってー彼女出来ねぇかと思ってたけど…、おは朝信者の変な奴でも、やっぱり真ちゃんは男だな。




「今日は学校まで来てどうしたのだよ」

『あ、聞いてよ真ちゃん!最近ね、青峰のセクハラが酷くて酷くて、耐えられないの!』

「!?」




あ、真ちゃんが固まった。青峰って、桐皇学園の…って事は名前ちゃんは桐皇学園の人なの!?…よく見たら桐皇学園の制服だ!
つか真ちゃん、俯いているけどオーラが黒い、真っ黒だよ!




「…どこだ」

『「え?」』




声どす黒っ!




「奴は名前のどこを触った?それと青峰は今どこにいるのだよ」




オーラが黒くなったと思ったら、俯いていた顔をゆっくりと上げた真ちゃんの顔が怖かった。
いつも以上に怖ぇぇえ!!




「し、真ちゃん…?」

『腕とか太股とか…。青峰は、たぶん部活中だと思う…』

「行くぞっ!」

『…え?う、うん!』




真ちゃんは、名前ちゃんの腕を掴むと、俺をこの場に置いてスタスタと桐皇学園へと歩いていった。
なんだ…、真ちゃんもちゃんとした男の子じゃん。よかった、よかった








安心した
青峰くんとやら、無事でありますように…


20130720

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