『赤司くん!』 「…苗字か」 『おはよう!今日私達日直だね!』 「おはよう、そうだね。よろしく頼むよ」 『うん!よろしくね!』 征ちゃんは、クラス…いや、学校の人気者ね。そんな人気者に声をかけるのが苗字名前さん。 笑顔が素敵でとても可愛らしい子、女としては完璧ね! 『あ、赤司くん、これ、作ったんだけど…食べる??』 「クッキーかい?…ありがたく貰うよ」 『ありがとう!』 「僕の方こそありがとう」 征ちゃんは、他の子にあんな優しく微笑んだりしないし、クッキーはまず受け取らない主義。 でも彼女からは特別なわけで、受け取らないわけにはいかないみたいね。 そりゃ、男からしたら好きな人に物を貰う事は嬉しい事だと思うのよ。私だってそうよ? …と、まぁ私情はここまでにしておいて、征ちゃんは名前さんが好きって事を言いたいわけ。 『あ、その本一昨日発売されてたミステリー作家の本だよね!?ちょっと気になっててさ、読んでみたいんだよね』 「ぜひ読むといい。これはとても面白かった」 『え、もう読んだの??』 「…なかなか本を閉じれなくて」 『そっかー、それくらい面白いって事だよね!楽しみ!』 「なら貸そう。苗字の感想を待っているよ」 『本当に!?ありがとう!!』 征ちゃんが人に本を貸すなんて…!ありえないわ!名前さんが本当に好きなのね。 そんな優しい顔しちゃって…。見たことないわ!本当に!! 間近で見れる名前さんが羨ましいわ! 『あ、そうだ赤司くん』 「どうした?」 『あのね、明日って暇だったりする?』 「…あぁ」 『ならさ、遊ばないっ!?赤司くんが遊ぶってのもおかしいと思うけど…遊びたいなって思って…』 「そうだな、一緒に遊ぼう」 『うんっ!!』 あらあら、明日は部活ないけど、習い事じゃなかったのかしら? どんだけ遊びたいのよ… 「明日はどこで待ち合わせをしようか」 『うーんと、赤司くんに合わせるよ!』 「僕は苗字に合わせるよ」 『え、でもそしたら駅とかになっちゃうよ?』 「構わない。僕も歩きで行くよ」 『え!?大丈夫なの!?』 「あぁ、2人きりになりたいからね」 うわぉ、なんてキザな! というか、征ちゃんは彼女の事を苗字で呼ぶのね。たぶんアレね、恥ずかしいのかしら? 初々しいわね 『私も、赤司くんと2人きりで遊びたい!』 「なら、駅で待ち合わせよう」 『うん!』 なんとも幸せそうな笑顔…。 本当に羨ましいわ。とことん幸せになりなさい!ほのぼのカップルめ!! …まだ付き合ってないけれど。 20150130 [prev] | [next] |