尊敬なんて…



「黒子っちー!」

「来ないでくブフッ」

「今日も頑張るっスよ!」

「…抱きつかないで下さい」




なんだこれは…。
黒子くんと一緒に歩いてたら前から涼太が走ってきた。その勢いで黒子くんに抱きつくと、黒子くんの顔面が涼太の胸板に当たった。
まさか涼太って、黒子くんが好きっていう「違うからっ!!」…なんだ。違うんだ




『心と会話する男』

「…黒子っち、なんで名前と一緒にいるんスか?」

「…たまたまそこで会ったんです」

『そうなの!』

「名前はとうとう俺離れってわけか…」




私と涼太は家が近いただの幼なじみ。
俺離れって言ってますが、涼太の後ろをずっとついていたわけじゃないです。私実はバスケあまり好きじゃないし、涼太はモデルの仕事してるから彼に会う時間もあまりない。だから今も久しぶりに話してる。一応涼太以外の男子とも仲良くやってる!




『涼太』

「ん?」

『黒子くん行っちゃったけど』

「あ、黒子っちぃぃい!待ってよ〜!!」




はぁ…涼太って本当に黒子くんが好きなんだな。あ、友達としてのね




『…黒子っち、か』




涼太が〜っち≠チて付けるのは尊敬してるから。
私を尊敬しろなんて事は全然思ってないけど、ただの幼なじみって称号からきっとこの先変わらないんだろうな…とは思ってる。

涼太に密かに恋をしてる私でした。




『…帰ろうっと』

「あ、きーちゃんのお嫁さん!!」

『………』

「ちょっと!無視はよくないよっ!!」

『へ?私?』

「そうそう」




突然後ろから肩を叩かれたので振り返ると…、たしかバスケ部のマネージャーで、青峰くんの幼なじみの桃井さんだよね?
近くで見ると超綺麗だわ…、何この子、人形か何かでできてるの?




『あの、お嫁さんって?』

「きーちゃんの幼なじみなんでしょ?」




そんな事で「お嫁さん」になるなら、桃井さんも青峰くんの「お嫁さん」になりますよね?
何てことは言わないけど…




「あのね、突然なんだけどゲームやる人?」

『まぁ、ときどき?』

「なら大丈夫!あ、恋愛したいと思ってる?」

『え?…うん、したいな』

「だったらこのゲームあげる!恋愛ゲームなんだけど、おもいっきり恋を楽しんでねっ!」

『へ!?』




桃井さんは、私にゲームを強引に押しつけると、走り去って行った。一体なんなんだ…?桃井さんって不思議な子。
どれどれ…あ、このキャラ涼太に似てる!ちょっと想像しながらやろうかな…




『げっ、このゲーム機は持ってない…』




仕方ない涼太に借りるか。













***



『りょーたー』

「……」




あらあら、涼太くんのカッコいい顔がちょっと崩れてますよー。なんて、突然扉が開いたら誰だって驚くよね。
しかしラフな格好だな、ベットの上で雑誌読んで…乙女か!




『涼太、ゲーム機貸して』

「…あ、ちょっと勝手に荒らさないで」

『んー、どこ?』

「どうやって家に入ったの…?」

『そんなのいつもと一緒で涼太のお母さんが扉を開けてくれて、涼太は2階にいるって教えてくれたよ』

「母さん…」




涼太はどこか諦めた様子で、私の借りたかったゲーム機を渡してくれた。




『ありがとう!…では、さっそく』

「え、ここですんの!?…何のゲーム?」

『ん?恋愛ゲームだけど』

「え?」

『あ、聞いて聞いて!!ちょうど涼太に似たキャラがいてさ…』




今日1人で帰ろうとしたら桃井さんに「恋愛ゲームあげる」って突然押しつけられたゲームを今からやります!…アレ?もしかして私はゴミ箱扱い?




「…やだ」

『へ?』

「やだやだ!」

『あ、ちょっと何すんの!!』




涼太は恋愛ゲームのカセットをセットしたままゲーム機ごと私から奪った。




「ダメ!!」

『はあ!?何で!?』

「何でも!絶対にダメッ!!」

『…いいじゃん。私だって女の子なの、ドキドキしたいんだから』




すると涼太に腕を引っ張られ、私の腰に彼の腕が巻き付いた。
涼太はベットに座っているため、彼の顔が自然と私のお腹にうまる。旋毛が見えるその姿が可愛いのは内緒です…




「………」

『何、どうしたの涼太』

「…嫌だ。俺以外の男にドキドキする名前なんか見たくない」

『たかがゲームだよー?』

「名前は、俺だけにドキドキすればいいっ!!」

『え…?』




今日の涼太ちょっとおかしいよ…?
普段こんな可愛い事言わないもんね。




『そ、それって、どういう事なの?』

「だから、す、好きだって事…」

『…良かった』

「なんで?」




顔を少しあげて、上目遣いで私を見てくる涼太。か、かわいい…!




『わ、私達、ずっと幼なじみなのかなって思ってたから…』

「え…?」

『だ、だから、私も涼太が好きだって事だよ!』

「ふぇ!?嘘っ!」

『…私の顔みて嘘だと思うわけ?』

「…真っ赤な顔してる。思わない」

『涼太可愛いね』

「な、可愛くないっス!」








尊敬なんて…
(うまくいってるといいですけど…
(さつきー、俺にゲームねぇの?
(あるわけないでしょ?あれは名前ちゃん用なの
(みんな何をやっていたのだよ。赤司まで…
(2人をくっつけよー!″戦です
(ほどほどにするのだよ…



20130720

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