「敦、一緒に帰ろう」 「うーん、いいよ〜」 『……』 「敦、ご飯を食べよう」 「うーん」 『……』 「敦、一緒に帰ってもいいかい?」 「いいよ〜」 『……』 「敦、お菓子買わなくて大丈夫か?」 「あ、買う〜」 『あ、あの…氷室先輩?』 「…なんだい?苗字さん」 疑問に思ったことを敦が入ろうとしているコンビニの前で言葉を発した。 だってさ「敦、敦、敦」って…どうみても好きなんじゃね?これ 『敦の事、好きなんですか…?』 「「えっ?」」 『別に同性愛でも、私はいいと思います。敦がいいのなら』 「ブハッ!」 「ちょ、ちょっと?苗字さん?」 「名前ちん面白いね〜、俺同性愛とか無理だから」 『フられちゃいましたね…』 「いや、そもそも敦の事は好きだけどそういう好きではないよ、仲間としての好きではあるけどね」 『あ、そうなんですか?』 なるほど、でもなんで敦と一緒にいたがるんだろう?そこがまだスッキリしない 「…俺お菓子買ってくるね〜」 『あ、うん』 「行っておいで」 このタイミングで行くのか。 氷室先輩と2人きりは初めてだ。あ、これを機に聞いてみよう! 『氷室先輩は、なんで敦と一緒にいたがるんですか?』 「へ?」 『ずーっと敦敦って言ってる気がするので…』 「あぁ…あれは、どちらかと言うと、敦じゃなくて君と…苗字さんと一緒にいたかったんだ」 『え?』 氷室先輩が頬を赤く染めて、そう言った。 え、あの帰国子女で頭の良いモテる先輩が、私と一緒にいたかった?なんで?? これは、期待してしまう 『そ、それって…』 「うん、苗字さんが好きなんだ」 『嘘だ!!』 「残念ながら嘘じゃないよ」 『ざ、残念とは思ってないです…。え、私でいいんですか?私がいいんですか!?』 「俺は…名前さんがいい」 その真剣な目を見つめてしまえば、嘘は言ってないってわかる。 な、なぜこんな普通な女がいいのだろう。つか名前呼ばれた! 「敦の隣によく見かける女の子を興味本位で観察してみようとずっと見ていたら、可愛い笑顔に見惚れてしまったんだ。そこからだ、俺の恋が始まったのは…」 『…っ、』 「付き合ってくれますか?俺と」 『は、はい!ぜひ!喜んで!』 「ありがとう」 一方、コンビニでは… 「2人に珍しく気ぃ使っちゃった〜」 20140920 [prev] | [next] |