どうしてこうなったんだっけ…? 「なんだお前、女みてぇな顔だな。まずはお前から潰してやるよ」 『っ!』 こうなったのも兄貴のせいだ!! *** 『兄貴ー、今日バスケの試合じゃないのー?』 「うん、そうなんだけど、げほっ!風邪ひいて、無理みたい…」 『え!?うそっ!!』 「悪いんだけどさ、今携帯使えなくて、伝えに行ってもらえる…?」 『うん、わかった!』 「ごめんね…」 走って会場に向かうため、胸が揺れないようサラシを巻き、動きやすいようジャージを着てバッグを持って家を飛び出した。 汗だくで会場に着くと、出入口で誠凛バスケ部キャプテンの日向さんが怖い顔で立っていた。 私が来たのがわかると、更に怖い顔で怒鳴ってきた (私は悪くないのに…) すごい勢いで腕を掴まれ、控え室の前まで連れてこられた私。 「ほら、さっさとユニホームに着替えてこいダァホ!!!」 『え…?えぇ!?でも…』 「でもじゃねぇよ!!着替えたら出てこいよな!」 荒々しく扉を閉めた日向さん。 あれ?これ私が出るの?え?私を兄貴と間違えてない!? 一応ユニホーム持ってるけど… 『あの、日向さ…』 「10秒数える前に出てこーい。いーち…」 こ、怖いよぉぉぉぉお!! 仕方ない、着替え終わったら日向さんに言おう。 ユニホームの下にタンクトップ着た方がいいよね 『…あの、日向さん実は…』 「急げ苗字!!もうすぐ試合っつってんだろ!!」 『は、はい…!』 *** で、今にいたるのでした。 なんでバレないの?私と兄貴が瓜二つの双子だからって… 目の前にいる花宮って人なんか怖い… 「まずはお前から潰してやるよ」 『っ!』 「「「「「苗字っ!!」」」」」 花宮さんの肘が私の腹に向かって振りおろしてきた。 ぎゅっと目を閉じる 「ぐぅっ…!!」 え?なんか、前から声が… ゆっくりと目を開けた 『…っ!?』 「な、てめぇは…!!」 『か、がみくん…?』 「…っ、てめえ、花宮っていったか」 「あ?だからなんだよ」 「女にまで手ぇ、出してんじゃねぇよ」 「は?」 『火神くん…』 腰を抜かした私は、その場に座り込んだ。私の顔を伺おうと火神くんは目の前で座り込んだ 「大丈夫か?」 『か、火神くんの方が…!』 「立てるか?」 『…立てない』 「ん」 『え?…きゃっ!』 なんと、火神くんは軽々しく私をお姫様だっこをしていた。 もちろん向かう先は誠凛のベンチ 「カントク、メンバーチェンジお願いします」 「な、何があったの…?」 「コイツ、苗字は苗字でも妹の名前の方っすよ」 「え?…え、えぇぇえ!?男じゃなくて女の子だったの!?」 火神くんとカントクさんが話をしている。 私を抱き上げている筋肉で引き締まっている腕がかっこいい、あと顔が少し近くてこんな時に不謹慎だけど、ドキドキしてる… 「はぁ、じゃあ黒子くん、代わりに出てくれる?」 「はい」 なんか、私迷惑だったかな…? 「座らせるぞ」 『…ありがとう火神くん、それとごめんなさい』 「ん?別に怒ってねぇけど」 『怒っていいんだよ?勝手に出てきちゃったんだし、迷惑かけたし…』 「でも、誰も責めたりしねぇって。名前は俺らの為に頑張ってくれたじゃねぇか、な?」 ニコッと笑いながら頭を撫でてくれる火神くん。 すごく大きくて暖かい。きゅんと胸が鳴る 「じゃあ、戻るな」 『が、頑張って!気をつけてね!』 「おう!」 ベンチから離れるとコートへと戻っていく火神くん。 試合は再開し、ラフプレーがありながらも誠凛が勝ったのだ! *** 「いや、気づかなくて悪かった!あと怒鳴って本当に悪かった!!」 『大丈夫ですよ!』 「名前ちゃん怖かったでしょ?」 『でも、火神くんが守ってくれたので!』 「そーいや火神、よく苗字さんだって気づいたな…」 「え?」 『確かに、なんで?』 「そ、れは…」 「顔、赤いですよ火神くん」 「なっ!?」 ずっとみてた (言えるか、入学式の時から見てたなんて… (か、火神くん!助けてくれてありがとね!! (おう、無事で良かったぜ (火神くん私の王子様みたい! (!? 20140213 [prev] | [next] |