体温で暖をとる



『…ヤバイ』

「あぁ、確かにヤバイのだよ」

『真ちゃん、私達出れない…!』

「そうだな」




私が体育館倉庫で寝なければこんな事には…!!だって、真ちゃんとバスケしたら楽しくて疲れるまでプレイしちゃってさ、ボールを倉庫に片付けてたらつい…。
目が覚めて扉に手をかけたら開かなかった。




『…あれ?真ちゃんもいるって事は、一緒に寝ちゃったとか?』

「名前を1人で置いていくわけにはいかなかったからな、まったくいい迷惑なのだよ」

『はは!ありがとう真ちゃん!』

「…お前、高尾に似すぎている」

『お兄さんだから仕方ない!ついでに双子だから!』




つかつかつか…、朝までここで過ごすの?めっちゃ寒くない?
冬→暖房付いてない→寒い→凍死




『いーやーだぁー!!死にたくない!!!』

「名前うるさい」

『私寒いの苦手なんだよ!?』

「…体を動かせばいいだろう」

『うん、そうする!』




体を動かす…。バスケ…はやる気しないし、バドミントン…は2人じゃないと出来ないし、ならフラフープにしよう!




『久々だなー』

「名前」

『ん?なに?』

「寒い」

『…そんな、私に言われても困る。あ、フカフカのマットあるから床に敷けば?』

「…そうだな」




真ちゃんは立ち上がり、積み重なっているマットを一枚だけ取って床に敷いた。その上に真ちゃんは寝転がる。




『ふぅ…。フラフープ難しいからやめた』

「ふん、不器用な奴なのだよ」

『…うるさい』




私はフラフープを元あった場所に置いて、マットに座らず床に座った。




「寒くないのか?」

『うーん、寒い』

「ならマットに座ればいいだろう」

『兄貴が“真ちゃんは我が儘だから俺達は我慢するしかないんだ”って言ってた』

「…それは高尾にだけだ。名前は関係ない」

『…うん、真ちゃーん!』

「なぜ飛ぶ!?受けとめられないのだよ!!」




そう言いながらも私を受けとめてくれる優しい真ちゃん。一気に私達の距離は縮まる




『真ちゃんのツンデレー。本当は傍にいてほしかったんでしょー?』

「重い。降りろ」

『うわぁ!今の発言はレディに対して酷いですよ!?』




真ちゃんの上から退けて、隣に寝転がる




『真ちゃーん、眠い』

「寝ればいいのだよ」

『うーん…』

「おやすみ」

『おやすみぃ…』




真ちゃんは私の頭を優しく撫でてくれている。そんなキャラじゃないのに…。
私はそんな彼の脇腹に手を置いて夢の中へと入って行った。




「…俺は寒くて眠れないのだよ」




緑間は名前と密着するまで抱き寄せて、少しでも暖をとる。




「温かいのだよ…、俺も眠くなってきた…」




























チュンチュン――



『…う、ん?朝?』




目を開けると、目の前に真ちゃんの顔がドアップにあった。
正直びっくりした。だって真ちゃん美人すぎるから




『…もっかい寝よ』

「名前ここにいるのかぁぁぁぁぁあ!?」




突然倉庫の扉がドンドンと強く荒く叩かれる。
それに驚いた私は完全に眠気が吹き飛び、真ちゃんは勢いよく起き上がった




「な、なんなのだよ」

『兄貴っぽい…』

「…高尾か」




どうやら鍵を開けてくれたらしく、扉が勝手に開いた。そこには息の荒い兄貴が…




「真、ちゃん…?」

「高尾うるさいのだよ…」

『うわっ!真ちゃん!?』

「名前寒い」




マットから降りようとした時に、真ちゃんが私の腰に腕を回し、背中と彼のお腹が密着するまで引っ張られた




「寝る…」

『真ちゃん温かいね』

「名前が温かい」

「俺の前でイチャイチャすんなっ!!!」

「『してない!』」





体温で暖をとる
(真ちゃんぬくぬくー
(…ぬくぬくだな
(真ちゃん!いや、緑間!妹とイチャつくな!!



20140119

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