身長差カップル



あれ、敦…?


学校帰り、お菓子を買おうとコンビニに寄っていた。
すると、ガラス越しに5人の男の人と敦(?)が通り過ぎていった。
いや、あの大きい背は敦に違いないっ!!
帰ってるなら連絡くらいしてくれればいいのに。私は目的のお菓子を買わずにコンビニを出て、敦を追い掛けた。




『あーつーしー!!』

「んー?」




そして、大きな背中にギュッと抱きついた。
って言っても私は身長低いから、たぶん顔は敦の腰辺り…




「!?…あれ?名前ちんじゃ〜ん」

『おかえりっ!!』

「ただいまー。つっても、1週間したら帰るけどね」

『えぇー…』

「…アメちん食べる?」

『うん!』




やっぱり敦だった!
でも、1週間後にまた秋田に行っちゃうなんて寂しいな…




「「「「「誰(だ/ですか/っスか/なのだよ/なんだ)?」」」」」

『……』

「幼なじみで、俺の彼女だよ〜」




みんな私より身長高い…!
あ、私よりは当たり前か…




「名前ちん挨拶ー」

『あ、か、彼女の苗字名前です!!』

「いいこ〜」

『えへへ』




敦が頭を撫でてくれた。
大きくて、温かい敦の手がとても大好き。
すっごく安心するよね…




「紫原くんに彼女ですか」

「そーだよー」

「小さいくせに、さつきと同じくらいの胸っ…!!」

「ちょっと峰ちん、どこ見てんのー」

「紫原っち、身長差とか気になんないんすか…?」

「気にしてねぇし」

「少しも気にしないのか…?」

「じゃあミドチン聞くけどさ、好きだから付き合うのはダメなのー?」

「……ぐっ、」

「敦、これは可愛らしい女性だな」

「でしょー」




敦、そんな事言うとか私照れるんですけど…。
やばい、いま絶対顔真っ赤だよ…!!
失礼ですが、みなさんに背をむけて、敦のお腹に顔を埋めた




「どーしたの?」

『は、恥ずかしいの…』

「かわいー」




また頭を撫できた。
さらに顔が赤くなるのがわかる




「爆発しろリア充…です」

「でけー胸だな…」

「紫原っちカッコいいっス…!!」

「正論を言われたのだよ」

「まぁ、敦も大人になったって事だ」

「あ、せっかくだし今日俺ん家に泊まる?」

『うん!泊まる!』

「「「「「!?」」」」」




やった!
今日から1週間、敦の家に泊まれる!!


























「お菓子たくさん買ってきたから一緒に食べよー」

『わーい!』




私達は敦の友達と別れて、さっそく彼の部屋にお邪魔しています。




『敦ー』

「ん〜?」

『…本当に身長差気にならない?』

「ならないし。名前ちんはデカいの嫌?」

『他人だったら嫌だけど、私は敦が大好きだから、全然大丈夫なの』

「俺もそれと同じ」




敦は買ってきたお菓子のチップスを開けると、大きいお皿に移して、部屋の真ん中にある小さいテーブルへ置いた。
チップスを指で摘むと、そのまま口に運ぶ




「…モグモグ、やっぱコンソメだよねー」

『モグモグ、コンソメも好きだけど、うす塩も好き』

「ふーん。じゃあ明日それ食べよ」

『うん!』

「…俺さー、本当は名前ちんに会いたくなかったんだよねー」

『な、んで?』

「1週間後寂しくなると思ったから」

「敦…。ごめんね」

「別にもういいし。名前ちん、むしろいてって感じだし」




敦が秋田に帰るまでの1週間は、できるだけ彼の傍にいた。
学校と部活があって大変だったけど、敦の部屋に行くといつもストレスが一気に軽くなった感じがする。だって敦が優しく抱き締めたりしてくれてたから!

また東京に帰ってくる時、敦の部屋で一緒にお菓子食べようね





身長差カップル
(峰ちん、名前ちんの胸が大きいからって手ぇ出したら捻り潰すよ?
(…わかったよ
(約束だよー
(へいへい…


20131102

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