すれ違い発見



「あっ!名前ちゃ〜ん!!」

『?、…さ、さつきちゃん!!?』

「久しぶりー!元気にしてた!?」

『元気にしてたよー!さつきちゃんも元気そうで良かったー』




家に帰る途中、幼なじみのさつきちゃんと久しぶりに会った。
私は神奈川県にある海常高校に通ってて、ちょっと遠いけど、毎日電車に乗って頑張ってる。
朝早く出なきゃいけないから、なかなか会えなくて、さつきちゃんと離ればなれになっちゃったんだよね。




「さつき?」

「大ちゃん!名前ちゃんだよ!!」

「お、マジか」

『おひさー!』

「おう」




久しぶりの青峰くん。
ちなみに青峰くんとも幼なじみです。2人は昔から仲良しだよね…、ずるい。
私はいつも蚊帳の外




「…あ、そういえば、きーちゃんとは仲良くしてるの?」

『…(仲良く学校生活を送ってるかって事だよね)』

「…(名前と黄瀬できてんのか…?)」

『うん!仲良くしてる』

「そっか!よかったー」

「(やっぱできてんのか)」




この日は、その場で夜の9時くらいまで喋ってて、しばらくしてから家に帰った。
青峰くん昔に戻ったみたいだ。さつきちゃんは変わってなくて良かった









***



『もう、部活終わるの遅いよ…!!』




まぁ、バスケのマネージャーだから仕方ないけどさ。
笠松先輩がアレコレ頼んでくるんだもん!!
涼太くんは先に帰っちゃうし…!




『(1人って心細いなー)』

「この道怖ーい」

「大丈夫だよ、俺がいるから」

「…うん」




隣で歩いているカップルを睨みつつ後ろを歩く。
こっちは恋人なんてつくる暇ないのに…!羨ましいな…!!




『あ、』




カップルは突然右に曲がったなと思ったらホテルへと入って行った




『…マジか』




確実に1人になって、やたら響く私の足音。けど、後ろからも聞こえる不気味な足音




『!?』




ゆ、幽霊とかだったらどうしよう…!
は、走って帰ろ…!!

走ると、聞こえる足音も速くなる




『(な、なんでなんで…!?嫌だ嫌だ!ごめんなさい!私、笠松先輩の悪口言ってません!!ちょっと愚痴っただけです…!!あ、悪口だ…)』

「こんの…!!」

『うひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!』

「うるせぇ!!」




がっちりとした手に肩を掴まれ、思わず絶叫してしまった。
しかし、うるせぇと頭を軽くチョップされた




『すいません!愚痴が悪口だとは思わなくてですね…!!』

「はぁ?バカかお前。俺だよ、青峰」

『…青峰、くん!?』

「前に名前がいたて駆け寄ろうとしたら走るから驚いたぜ。追いついて肩掴んだら絶叫だもんな」

『……』




は、恥ずかしい…!
青峰くんだったなんて…




「暗い道に1人か?」

『…うん』

「黄瀬はどうした?」

『先に帰った』

「彼氏のくせに使えねぇな…」

『…彼氏ではないですよ』

「は?」




青峰くんは何か勘違いをしています。
私は涼太くんとは付き合ってませんよー…




「……」

『青峰くん?』

「そうか。…だったら久しぶりに俺ん家来るか?」

『"だったら"の使い方おかしい…。久しぶりに青峰くんの家行きたい!!』

「行くぜ」

『はーい』




久しぶりの青峰家だっ!!
楽しみぃ〜!










***



『お邪魔しまーす!』

「適当にベッドにでも座っとけ」

『…では、お言葉に甘えて』




私はベッドに座る。
意外と青峰くんがフカフカのベッドを使っていた事に驚いた。青峰くんは私の隣で寝転がった。足は床についたまま




「黄瀬とは付き合ってねぇんだな?」

『え?うん。ただの友達』

「…そっか」

『?』




若干いつもより冷静で、落ち着いていた青峰くん。
何か久しぶりだけど違う…




「…じゃあさ…、」

『あ!エロ本発見っ!!やっぱり青峰くんだね…』

「……」

『巨乳ばっか。巨乳好きなの?』

「あぁ、巨乳好き」

『……』



床にエロ本が置いてあったから近くまで行って腰を下ろした。
やっぱ、さつきちゃんみたいな胸じゃないとダメか…
どうしたら大きくなるの?




『さつきちゃんになりたいな…』

「なんでだよ」

『だって胸でかいし、綺麗だし、…毎日青峰くんと一緒にいるから…』

「……」




すると青峰くんは、ベッドから降りて私を後ろから抱き締めてきた。
一瞬思考が止まったけど、だんだんと恥ずかしくなって、あたふたした。




『あ、あお、みねくん…!?』

「お前は、お前のままでいいんだよ。さつきになりたいとか言うな」

『だ、だって…』

「俺は、そのままの名前が好きだから」

『…好きって?』

「名前は俺の事好きなんだろ?俺もそれと一緒」




耳元で囁かれ、体がウズウズしてきた。
何気にいい声だからさ




『あ、青峰くん…』

「ん?」




私は体ごと後ろを向いて青峰くんの背中に腕を回し、彼の胸板におでこをくっつけた。
青峰くんのたくましい筋肉は服の上でもよくわかる。




「…可愛い事するじゃねぇか」

『……』

「俺と付き合え」

『うん』

「…まぁ巨乳好きだけどさ、名前の胸くらいがちょうど良いな」

『っ!?』





すれ違い発見
(へ、変態っ!!
(はぁ!?お前がこっち向いたんだろ!?
(だからって酷い…!
(…わ、悪かった
(青峰くんのバカ…
(それ以上可愛い顔すんなよ。これでも理性保つの大変なんだぜ?
(!?



20131008

- back -


[prev] | [next]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -