『…朝からスーツなんて着てどうしたんですか?』

「お前の…名前の親に会いに行くんだよ」

『え!?』

「挨拶しに行くの。一応俺は先生だし、ちゃんと家で預かってるってのと、彼氏として名前と一緒に暮らしたい事を許してほしいってな…」

『先生好き!!』

「ありがとう、俺もだよ」




先生は自然な流れで私にキスをしてきた。




『な、なんか急に大人っぽくなったね…』

「あ?じゃあ今まで子どもみたいだったって言うのかよ」

『ううん、私と同い年くらいに見てた』

「同じだわ!…ったく、行ってくる」

『うん、気をつけてね』

「あぁ」




パタンと扉が閉まる。お母さんは先生と一緒に住む事を許してくれるのかな…




『うーん、何もないといいけどな』




どうも昨日までの4日間、ずっと先生と過ごしていたから離れると寂しく感じる




『テレビでも見てよ』




テレビを見始めて2時間が経った頃…。私の携帯に一通のメールが届いた




『誰からだろう…』




携帯を開くと、画面には“お母さん”の文字







from:お母さん
本題:なし


今日家に先生が来たわ

なんだか優しいそうな先生ね、あの人とだったら一緒に暮らしてもいいわよ。本当は寂しいけど。
ただし、変な事だけはしないでね。それと、たまには帰って来る事!
色々名前にも迷惑かけてしまったし…。大目に見ます。


あの先生は恋人としてもいい人ね。あの人とは大違いだわ!

それじゃね(;_;)







それは、お母さんからの許可を得たメールだった…




『ほ、本当に…?』







――――コンコン



「名前ちゃーん?坂田ですー。開けてくださーい」

『先生…!』




玄関の外から先生の声が聞こえた。嬉しすぎて慌てて鍵を開けた







――――ガチャッ



玄関の扉を勢いよく開け、銀八先生に抱きついた




「な、なになに?先生が長い時間いなくて寂しかったのか?」

『寂しかったけど、違うの!お母さんが…お母さんが許してくれたの…!』

「!」

『すごく嬉しくて…!』




それを聞いた先生はホッとしたようで、その場にヘタッと座った




「よかったー…。変な事言ってなかったよな?ってずっと心配してたんだ…」

『ありがとう!』




私も先生と同じ高さまで座り、お礼を言った。
だけど、先生は何故か顔を隠していた




『先生?』

「お前、マジで可愛い」




先生にギュッといきなり抱き締められた。




『?!』

「あーもー超可愛いなぁ」

『や、やめてよ』

「お別れパーチー、しなくてよかったな。お母さんに感謝しないとな」

『うん…!』








***



‐学校‐




「お〜い、お前らに話があるから聞け」




先生が話って何だろうと、みんながザワつく




「先生ついに学校やめるアルか!?」

「やめるかアホ」

「先生がツッコミにまわるとかですか!?」

「ツッコミはお前、メガネだけで十分だ」

「じゃあアレだ!お妙さんが俺の彼女に―…ブベラッ!!」

「殺すぞゴリラ…」

「姉上、もうゴリラ殺されてますけど…」

「あれですかィ?先生にドMの彼女でも出来たんですかィ?」

「あら?それって私の事かしら!?」

「お前じゃねーよ。…沖田くん、間違ってるけどある意味正解だな」

「焦らすなヨ〜!」




今まで黙っていた土方くんが口を開いた




「苗字がテメェの彼女にでもなったんだろ」

「土方くんせーかーい」


「「「「「「えぇぇぇぇぇぇええ!?」」」」」」


『………(苦笑』

「土方くんが言った通り、先生と名前は付き合ってます。一緒に暮らしてるのも事実だ」

「マ、マジアルか…?」

「先生が名前さんと…」

「まぁ、予想はついてましたねィ」

「あぁ」

「え!?全然知らなかったよ!?俺っ!!」

「でも、やっと名前の想いが銀ちゃんに届いたアルな」

「そうだね、やっと名前さんの気持ちが先生に届いて、付き合ったなら僕は全然いいよ」

「なんだかんだ言ってクラスメートは2人の味方でさァ」

「俺は銀八より苗字の味方だけどな」

「俺もお妙さんと…」
「もう一度殺すわよ?」

「さっきから土方くん、名前の彼氏ヅラしちゃってなんなの?」

『先生みっともないよ…』

「俺はテメェが嫌いなんだよ」

「別にお前に好かれようと思ってないし」

『もう!2人ともヤメてよ!』

「「だって…!」」





5日目
(先生、土方くんと喧嘩したら晩ご飯ぬきだからね!
(名前ちゃんそれはヤダ!
(すっかり恋人アルな
(恋人っていうか…お母さんと子どもみたいだよ
(土方さん失恋ですかィ?
(……るせぇ
(お妙さん!?
(しつこいんだよっ!!



20130204


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