どうやらあの後、銀ちゃんと2人で出かけてしまったのが気にくわなかったらしく、あれから沖田隊長は不機嫌オーラを全身に出し、真選組を負のオーラでうめようとしている。




『…沖田隊長ー』

「………」




こっそり部屋を覗き、名前を呼ぶと沖田隊長はガン無視。
至近距離だから絶対聞こえてるはずなのに…




『…また後で来ますね』




そう一言言って、部屋を後にした。









***



『んー、なんでかな…?』

「…名前、お前ってすっげー鈍いんだな」

『なんでですか副長!』

「いや、普通気づくだろ」




副長の部屋に来て今まであった事を全部話した。
沖田隊長とずっと一緒にいた副長なら、なんで怒っているのかわかる気がしたから




『…銀ちゃんと2人で出かけた事?』

「おーおー、それだ」

『それでなんで沖田隊長が怒るんですか?』

「……チッ」

『し、ししし舌打ち!?』

「…はぁ、お前にはガッカリだ」




えぇ、副長に幻滅された…。

なぜ私に怒ってるのか考えてみよう。
それは銀ちゃんと2人で出かけたから、
私が銀ちゃんと出かけると、沖田隊長が怒る。

あ、男女で出かけるとデートに見えるんだ!!!
さては…




『…わかりました!!』

「お?」

『沖田隊長はリア充が嫌いで、2人で出かけたのをデートだと勘違いして怒ってるんですね!!』

「…違うけどもうそういう事にしといて面倒くさい」











***




『沖田隊長ー…』




少し時間を開けて、また沖田隊長の部屋の前で正座をして名前を呼んだ。
けど無反応。どこかに出かけてるのか、サボりの為寝てるのか…




『沖田隊長ー』




もう一度呼ぶが、やはり無反応。




『…おーい、総悟さーん』




何気に初めて下の名前を呼んでみたけど、頑なに無反応。
はぁ仕方ない、また後で来よう


諦めて立ち上がろうとした時だった。パァァンッと銃声の音が真選組屯所に響いた。
と同時に、目の前にある沖田隊長の部屋の襖が真っ赤になり、脇腹に激痛が走った。


あ、私撃たれたんだ…




『カハッ…!』

「名前!?」




沖田隊長が勢いよく部屋から出てきた。
なんだ…、起きてたんだ…




『沖田、た、いちょ…』

「チッ!すぐ治療してやっから安心しろィ!誰だっ!こんな事……アイツかっ…!!」




沖田隊長は、力が入らない私を片手で支えてながらも、遠くの方を見てすぐに犯人を見つけた。
貴方の視力どうなってんの…




「山崎ィィィイ!!土方ァァァァア!!!」

「は、はい!沖田さん大丈夫ですか!?」

「何だよテメェ呼び捨てかゴラァァア!!」

「名前を頼まさァ!!」

『……あっ…』




沖田隊長…、どこにも行かないでください…。


でも、そう思う私とは反対に沖田隊長は駆け足で屯所の外へと行ってしまった。
怪我なく何もないといいな…




「名前大丈夫か!!」

「副長!早く名前ちゃんを治療しないと…!」

『お、きた…たいちょ…』




そこで、私は意識を手放した。





















『………んっ…』




あれ?ここはどこだろう。

…あ、真選組の治療室だ




『いった…!』

「…ん、起きやしたか!」

『お、沖田隊長…』

「ん?」

『その、ごめんなさい…』

「いや、俺の方こそ。…なんともないですかィ?」

『あ、はい…なんとか。それで、その…沖田隊長は、リア充が嫌いで、2人で出かけた事を勘違いして怒ってるんですよね…?』

「………」




その日から、沖田隊長がまた怒ってしまったらしい。
考えに考えて答えが出たから謝ったのに…


やっと動けるようになって、また沖田隊長の部屋に行った。




『…沖田隊長ー…』





いま拷問事典読んでるから邪魔しないでくだせェ
(な、なぜそんなモノ…
(決まってまさァ。鈍い誰かを拷問すんでさァ
(ひぃ!!



20131027

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