やっとの事で恋人同士になれた私達。 …と、くっついたものの、付き合う前から何も変わりはない。 あ、でも…前よりだいぶ彼が可愛らしく見えてきたかも! 『何?』 「俺の彼女であれば、もっとふさわしくなれと言っている」 『…そんな私が見たいと思うの?』 「…む、それも悪くないな」 『嫌だよ!今のままが一番なんだから』 「ふったりっとも!なんの話ー??」 楽屋で話していると嶺二が間に入ってきた。 と、かくかくしかじか説明する。すると満面の笑みで… 「僕も見てみたーい!」 『はぁ!?ふざけんなよ!』 「…名前、口が悪いぞ?」 『…あ、やばっ』 「黒崎か、黒崎のがうつったのか?」 『…うつったも何も、居候してるから自然と?』 「え!?僕ちん初耳!!」 『嘘だー、最初に蘭丸の妹だって言ったじゃん。覚えてないの?おじいちゃん』 「うん!おじいちゃんはヤメテ!!」 「俺の方がアイツより良いと思うのだが?」 『え?』 「ミューちゃん?」 突然横からカミュの手が伸びてきて、何かと思ったら私の手を握り、真っ直ぐ目を見てそう言った。 「…嫌か?」 『か、可愛すぎかよ…』 「ミューちゃんが可愛い!?名前ちゃんの目大丈夫!?」 『酷いんだけど!だって捨て犬みたいにしょげるんだもん!!可愛くない!?』 「なっ!捨て犬などではないわ!!」 「ごめん!僕には全く可愛く見えない!」 「可愛く見えていたら貴様を殺す!!」 「こわい!」 でも、いつまでも蘭丸の所にいるわけにも行かないよね…。 カミュの所に、行こうかな… 『…カミュの所に行くよ』 「っ、そ、そうか!ならば早く引っ越しの準備をせねばな」 「うわー、ミューちゃん嬉しそうだね!」 「ふん、黙れ」 数日後、蘭丸にお礼を言って、一日で引っ越しを終わらせた。荷物はもともとそんなになかったしね 玄関を開けてでかい犬がいた時はビックリした。アレキサンダーって名前なんだって!かっこいい〜 「ようこそ、俺の城へ」 『…カミュ、やっと二人きりだね』 「…あぁ、最近は互いに忙しかったからな。もしくは周りに誰かがいたからか?」 『……好きだよ?』 「はっ、わかりきった事を…俺も好きだ」 『本当に?蘭丸の妹でも?』 「あぁ、誰の妹も関係ない。名前自身が好きだ。愛してると言ってもいい」 『ははは、上から目線だ。…うん、私も愛してる』 「これからよろしく頼むぞ」 頬にキスされた。 カミュの唇があたった場所が熱い。 『っ、』 「…いつもは見ない表情だな。そんなに嬉しかったのか?可愛いな、お前は」 『う、うっさい』 私、ドキドキし過ぎて近い将来死なないよね? 20150602 [prev] | [next] |