女神のあの子



「あ、名前ちゃ〜ん!」

『寿さん、おはようございます』

「おはよ〜!今日も早いね!」

『はい、ちょっと早朝からシャイニーさんに呼ばれてしまって…』

「うわわ…お疲れちゃん…」

「…うっす」




後輩の名前ちゃんと話していると、後ろからランランが不機嫌に挨拶してきた。
…え!?挨拶してきた!?
珍しいこともあるんだなー…




「おはよ〜ランラン!」

『おはよう、蘭丸』

「くそ寝みい…」

『え、どうして?昨日何してたの?』

「名前と電話した後、アレだ…飯食ってその後…CD聴きながら朝までベースとかいろいろ…」

『よくCD聴いて眠くならないね…』

「お前みたいにガキじゃねぇからよ」

『私だってガキじゃないよ!』




ん、ん??ん!?!?
あれ、名前ちゃんさっきまで敬語だったよね!?あれ!?




「おはよう、3人とも」

「アイアイおはよ〜!」

「おう」

『おはようございます、美風さん』




やっぱり敬語だ!
え、なんでランランにはタメ口なの!?




『あ、そうだ蘭丸。昨日CDショップ行ったら、蘭丸のCDあったよ!昔のやつ』

「はぁ!?やめろよ!恥ずかしいから!」

『買っちゃった』

「はぁ!?!?ふざっけんなよ!」

『ふふ、かっこよかったよ?』

「…ふん、なら良いけどよ」




な、何…?このカップルの会話…!
ねぇ!なんでランランだけタメ口なの!?羨ましい…!!!




「あ、ところで、今日夜空いてるか?」

『うん、空いてる』

「今日泊まりに来いよ」

『え、蘭丸から誘ってくるなんて珍しい…!』

「ばっ!そういう意味じゃねぇよ!バカッ!!」

『ふふ、行くよ、行きます』

「あんまふざけてっと、もう一生誘わねぇからな」

『すいませーん』




ぐぬぬ…!
僕ちん、全然、羨ましくなんか…!!




「ねぇ、ランマルはこの子と付き合ってるの?」




ちょっ…!!アイアイ!それはドストレートすぎる!
まぁ確かに気にはなるけど!!




「…今更かよ」

『…だいぶ前からです』

「え!?そうなの!?」

「ふーん、そうなんだ」




や、やっぱり付き合ってるんだ…
あぁ、僕ちんの天使が…女神が…




「…つか、お前らあんまコイツに触んなよ」

『蘭丸…、やめてよ恥ずかしいなぁ』

「あのランマルがね、人って変わり方がすごいね」

「うん…そーだね…」

『寿さん、具合悪いんですか?』

「うん、僕のハートはボロボロさ…」

「おい、名前。そろそろ次の現場行くぞ」

『はーい!…では寿さん、身体には気をつけてくださいね?』

「あ、ありがとね…」




そしてランランと女神が去っていった。
なんだ、付き合ってたんだ…あの二人…




「…なんだ、名前の事狙ってたのに」

「…へっ!?」

「何?」

「あ、いや…僕ちんも狙ってたから…」

「そうだとは思ってたけどね」

「知ってたの!?」

「見てればわかる」





20150521

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