執事ごっこ



『ねぇー』

「家に来てそうそう何だよ」

『執事ごっこしよ?』

「…は?」




元々頭のおかしい奴だとは思っていたが、ここまでおかしかったとは…





『あ、今“頭のおかしい奴”って思ったでしょ!?』

「思いましたね」

『そんな顔してた!…じゃなくて、レンがね 1/4だったら屋敷貸してくれるんだって』

「なんでよりによってレンの屋敷なんだよ!!」

『だって、真斗の家和式な感じするから』

「…はぁ」

『ダメ?レンにやっとの事で交渉成立させたんだよ?私こんな頑張ったのにダメなの…?』

「…っ、…ったく!!今回だけだからな!!次やる時は俺に黙って計画すんじゃねぇぞ!!!!」

『ありがとー!』




仕方なくレンの屋敷へと足を運ぶと、門の所でニコニコしながら迎えてくれた。
部屋に入ると、着替えが置いてあって、その中の執事服を寄越してきやがった。




「ランちゃん、あっちで着替えて来て。レディは向こうで着替えてね」

「へーへー」

『うん!』




すんげーめんどくせぇ。めんどくせぇけど…、名前が楽しんでるから「帰る」とか言えない。









***



「ランちゃん似合ってる」

「そーかよ」

「…照れないのかい?」

「は?野郎に言われて照れる奴がどこにいんだよ」

『ねぇー、蘭丸ー』

「なに……っ!」

『似合ってるかな…?』




やっと名前が現れたと思ったら白のシンプルなドレスに、髪はお団子結びをして、普段しない化粧をしていた。
要するに、綺麗だった




「レディ似合ってるよ」

『ホント?良かった〜』

「ねぇ、ランちゃん」

「…あぁ」

『蘭丸、顔真っ赤だよ?』

「う、うるせぇ!」

「照れてるだけさ」

『蘭丸ツンデレだもんね』

「チッ」




こうして―、執事ごっこが始まった




『紅茶が飲みたいわ』

「かしこまりました」

『………』

「なんでございますか?」

『蘭丸が別人…。カミュみたい…』

「はぁ!?アイツと一緒すんじゃねぇよ!俺は昔屋敷に住んでた事があるからな、だいたいわかるんだよ」

『へぇ、そうなんだ…』

「…チッ」

『じゃあ続きからね、はい!…紅茶まだかしら?』

「いきなりだな…。もうしばらくお待ちください」




だいたい、なんで執事の真似しなきゃいけねぇんだよ…。
いや、名前がやりたいって言ったからだけどさ…


俺は“仕方なく”自宅から持ってきた紅茶を入れた。その紅茶をお嬢様になりきっている名前に優しく渡す




「お待たせいたしました」

『うむ』




「うむ」とか何様だよ。と思ったが、自分は今執事なので何も言わない。
名前は一口だけ紅茶を飲んだ




『…ん、美味しい』

「ありがとうございます。その紅茶は私の手作りでして、気に入ってくださったのなら光栄です」

『…や、やめた!!執事ごっこやめーーーーっ!!』




名前は突然腕を使って頭の上で“×”を作り、大声を出した




「…は?なんでだよ」

『だ、だって…』

「?」

『蘭丸が別人になるから何か嫌だ!!って事でやめましょう…!!!』

「わがままな奴…」





執事ごっこ
(でも、俺意外と執事にむいてたりして
(蘭丸が…



20131126

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