落ち着く…?



『……』

「名前〜!…おりぇの事しゅきか〜?」

『はいはい、好きだよ』

「おりぇもしゅきだぜ〜」




完全に酔ってる。
お酒のせいで呂律が全然回ってない。「俺→おりぇ」「好き→しゅき」って言ってるし、私にベッタリくっついてくる。


先程蘭丸が家に来た。
コンビニに何か買おうと思って家を出ようと扉を開けた時だった。
突然目の前に映ったのは、蘭丸に肩を貸して、困った笑顔で嶺二さんが立っていた。




『(嶺二さんは先輩だから、私が断れないの知ってて押しつけやがって…!)』

「うははは、名前可愛いな〜」

『き、気持ち悪いんだけど…!!』




酔った蘭丸怖い!
マジで気持ち悪い!!




『ねぇ、もう離れてよ気持ち悪いから。肩にアゴ乗せないで』

「いいじゃねーかよ〜」

『……』




普段の蘭丸ならこんな事しないのに…!!
甘えん坊になってんじゃねーかよ!
私の右頬に蘭丸が左頬でスリスリしてきた…。
猫かお前はっ!!




「なぁ〜」

『…ん?』

「チューしよーぜー、チュー」

『変態オヤジかお前はっ!…うわっ!両腕でガッチリホールドすんなっ!!』

「チューチュー」

『やめっ…!!』




あぁーもう!!!
絶対に嶺二さん許さねぇ!
テンションが嶺二さん並にウザイっ!!




「チュー!」

『…んっ……』

「…でへへ」

『……』




隙を狙った蘭丸が、一瞬でキスしてきた。
私の、ファーストキスが…




「もっとチューしたい」

『もうやだっ!…酔ってる奴にキスなんてされたくないし、したくない!』

「………」

『私の、ファーストキス…返してよぉぉ…』




蘭丸が嫌だとかじゃないんだけど、酔っぱらいにキスされるのが嫌だった。
酔いが醒める頃にはきっと忘れるからコイツ!!




「……」

『…ひっく』

「…ごめん」

『蘭丸…』

「勃っちまった…」

『死ねっ!!頼むからお前もう死ねよ!!』




酔っぱらい蘭丸は嫌だ!
チ○コ勃たせんなよっ!!しかも可愛く「ふにゃあ」と笑うな!!
チ○コ勃ってんだからな!!


数分言い合っていると、突然蘭丸の体がフラフラし始めた。




『…眠いの?』

「おう、眠くなった…」

『永遠の眠りについて』

「名前も一緒にぃ〜…」

『はぁ!?やだっ………わっ!』




ベッドまで誘導しようと、蘭丸を立たせて、私の部屋に向かった。
部屋に着いて、ベッドに寝かせようとしたら、蘭丸が私を巻き込むようにベッドにダイブした。




『ちょっと…!!』

「おやす、み………スゥ…」

『早っ!!』




まったく、寝てた方が蘭丸は可愛いよ…。
起きててもツンツンばかりだし、酔ったらデレデレだし…




『はぁ…、私を抱き枕にしないでよ』




でも、嫌じゃない…
だいぶ落ち着く。きっと蘭丸じゃないとこんなに落ち着かないよね…
ありがとう蘭丸。よく寝れそうだ



























「うぁぁぁぁぁぁあ!!!!」

『……んっ…?な、に?』

「な、なんで名前の…!しかもコイツのベッドに俺はいるんだっ…!?」

『…うん?昨日の夜、酔っぱらった蘭丸を嶺二さんが連れてきたから……』

「…っ!アイツ…!!ぜってーに殺すっ!!!」

『……』




やっぱ忘れてやんの









落ち着く…?
(…昨日の夜、蘭丸がね、私に欲情してた。
(ななな、ななななななっ!!!…んな事ねぇだろっ!!
(本当
(マ、マジかよ


20131024

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