今年の誕生日は…



『翔ちゃーん!薫ちゃん来てるよー』

「翔ちゃーん」

「薫っ!?」




私はこの2人が超大好きなんです!なんていったって可愛いじゃないですか!!
同じ顔だけど、性格が違う双子さんですよ!?




『翔ちゃんと薫ちゃんってホントに可愛いね!』

「名前ちゃんの方が可愛いよ」

「可愛いとか言うなっ!」




薫ちゃんは穏やかだけど、怒るとめっちゃ怖い。
翔ちゃんは男気さんで、実はすっごい照れ屋さん。
こんなにも違うんです




「つか、なんで名前も薫も当たり前のように俺の部屋にいるんだよ」

「『……』」




私は2人の幼なじみで、翔ちゃんがいなくても勝手に部屋に上がってるからそんなに気にしてない。
でも今日は違うのです!




『わからないの?』

「おう」

「翔ちゃん、今日は僕達の誕生日なんだけど…」

「!?」

『なんで薫ちゃんは覚えてるのに翔ちゃんは忘れてるのかしらねー』




今日は6月9日
翔ちゃんと薫ちゃんと私、名前ちゃんの誕生日でっす!




「…やっべ、忘れてた」

「『だろーと思った』」

「え?」

『だって翔ちゃん毎年忘れるもん』

「そーだよ。毎年教えてるのは僕と名前ちゃんなんだから」

「す、すみません…」




毎年、誕生日を迎えると、プレゼント交換をする事になっている。
だけど、翔ちゃんは毎年毎年忘れててプレゼントをなかなか用意しない




『今年も買いに行くのか』

「そうだね」

「わ、悪かったって…!」




とりあえず、プレゼントを買う為街に出た。
可愛いお店があるたびに私と薫ちゃんは立ち止まる




「ホントお前ら那月にそっくりだな…」

『…那月って?』

「あ、いや!なんでもないっ!」




最近は、私達の知らない人の名前がよく翔ちゃんの口から出てくる
仕事してるから仕方ないけどさ…




「僕、ちょっと買い物してくるね!」

『気をつけるんだよ薫ちゃん!!』

「はーい」

「お前は母親か」

『あ、それいいね。いっそ2人の母親になりたいわ。お母さんに頼んでみよう』

「じ、冗談だよバカッ!」




結構いいと思ったんだけどなぁ…
翔ちゃんと薫ちゃんの母親になりたーい!!




「あ、翔〜!!」

『?』

「音也とトキヤ!?」




遠くの方から翔ちゃんを呼ぶ声が聞こえた。
声のした方に目を向けると、爽やかイケメンで赤い髪色をした男の人と、HAYATOによく似てる男の人




「翔、貴方はここで何を?」

「買い物だけど」

「翔っ!誕生日おめでとう!!これ、俺達2人からだよ〜」

「お、ありがとなっ!」




笑顔の翔ちゃん
いったい誰なんだろうこの人たち…




「貴方は翔の彼女ではないですよね?」

『は、はい…』

「え?彼女じゃないの〜?俺てっきり翔の彼女かと思ってたのに〜…」

「んなわけねぇだろ!…ん?何だよその顔」

『別に〜』




顔を赤くして否定されても可愛いとしか思えない。
本当に可愛いなぁ




「あ、また七海が曲作ったらしーよ?」

「そういえば、みんなが騒いでいました」

「マジで!?ホント春歌ってすげーよな〜」




ハルカ?


ダレソノヒト…
翔ちゃんは私の事よりハルカって人が好きなの?
私はそんな風に褒められた事ないのに…




『…翔ちゃん、薫ちゃんの所行ってるから』

「お、おう」










***



「あ、名前ちゃん!このクマのぬいぐるみとうさぎのっ…!?」




私は周りにいる人達に泣き顔を見られたくなくて、薫ちゃんに抱きついた




「名前ちゃんっ!?」

『か、おる、ちゃん…』

「!…大丈夫?」




私が泣いているのに気がついた薫ちゃんは、私の頭を撫でてくれた。ずっと、泣き止むまで…




「大丈夫?」

『うん…』

「…翔ちゃんは?」

『お友達と話してる…』

「どうしたの?」

『翔ちゃんは、ハルカって人が好きなんだってよ…』

「ハルカ…?」

『ふぇぇ〜ん…』

「泣かないでよ名前ちゃん…」




ほんと…、翔ちゃんに好きな人が出来ただけで泣いちゃうとか…情けないよ




「誤解…、してるよ」

『え?』

「翔ちゃんが好きなのは…「ストォォォオップ!!」




薫ちゃんが名前を言いかけた時、後ろの方から翔ちゃんの声が聞こえた…。




「名前!お前何か誤解してんだろ!!」

「翔ちゃんの好きな人はハルカさんだと思ってるよ」

『か、薫ちゃっ…!!』

「バカ!いいか!?俺様が好きなのは、お前だよ名前!!」

『!?』

「だから泣くなっ!」








今年の誕生日は…
(っつか抱きついてんな!
(あ、ごめんね名前ちゃん
(あ、私もごめんね
(まったく…


20130609

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