『…ごめんね、私が不甲斐ないばかりに…』 「名前ちゃん、僕は大丈夫だから。君さえいてくれれば問題ないよ…」 『……』 今日は寿嶺二の誕生日。 午後から事務所のみんなと嶺ちゃん家でパーティーをする予定だったんだけど、 『なんで、みんな来ないのかな…?』 「…わかんない」 …っと見せかけて、実は春ちゃんや林檎先生と後輩ちゃん達に「嶺ちゃんの家には来ないでね」と電話を掛けたのだ。 けど嶺ちゃんと同じグループの3人には電話していないのに来ないって事は、ただ嶺ちゃんの家に行くのが面倒くさいから…? あり得るけど黒崎くんなら食べ物につられて来ると思ってたのにな 『2人で、始めちゃう?』 「そーしよっか」 実は僕、寿嶺二は、名前ちゃんが来る前、ランランとアイアイとミューちゃんに電話で「名前ちゃんと2人になりたいから来ちゃダメだよっ」って言ったんだ。 まぁ、そしたら「言われなくても行かない」って返ってきたんだよねー… でも後輩と先輩方来ないってのは、なんで? 『あ、これ美味しい…』 「でっしょ〜!僕の料理は世界一だからねぇ〜」 3人が来ないのは好都合なので、嶺ちゃんと2人で誕生日パーティーを始めた。 広いリビングに2人ってちょっと寂しいけど、私の隣には嶺ちゃんがいて、私の右肩と嶺ちゃんの左肩がくっつきそうなくらい近い。 『…っ、』 「顔赤いね、どしたの?」 『別に!』 仲良く料理を食べていると、嶺ちゃんの携帯の着信音が鳴った。 彼は、私に一言謝ってから携帯を手に取り、部屋を出てた。 「んもー、なに?」 《嶺二、龍也だけど》 「あれれ…、龍也先輩?」 《誕生日おめでとう》 「龍也先輩…」 まさか龍也先輩から「誕生日おめでとう」って言ってもらえるなんて思ってもいなかった…、けど… 《プレゼントあるんだが、家に行ってもいいか?》 「ゴメンなさいっ!今日は無理でっす!!」 *** 『…ムニャ、ムニャ……』 「えぇー!これからなのに寝ちゃったんだけどー!!せっかく2人きりになったのになー…」 僕の隣でスヤスヤ眠る名前ちゃん。 体が支えられていなくて、ユラユラ揺れている。 このままじゃ危ないので僕の太股にゆっくり頭を乗せた。 『スゥー、スゥー…』 「可愛いなぁ。君のすべてを全部僕のものにしたいくらい…」 『……』 「早く起きてよね、僕の愛の告白を聞かせてあげるから」 優しく頭を撫でる 『はい、起きた』 「え、えぇ!?」 『早く、聞かせてくださいよ。その愛の告白ってヤツを』 「うぅ〜…」 『ん?』 今日は僕が主役 (やっぱ名前ちゃんから (えぇ!? (だってぇ、今日は僕の誕生日だよ〜? (うっ…! 20130713 [prev] | [next] |