セシルにJealousy



「名前…、ワタシはアナタが大好きです」

『あ、ありがとう…?』

「……」




えっと…。
な、なんだろうこの状態…。
カミュと部屋で仕事の話をしていたら、突然セシルが入ってきた。
すると隣に座って私に愛を囁き始めた

さっきから無言だけど、カミュの目つきとオーラが怖い




「なぜアナタはカミュのマネージャーなのですか…?アイドルになればアナタは素敵なのに…」

『え?』

「そんな事はないぞ。コイツは一生俺のマネージャーだ」




私達の今までのやり取りを黙って見ていたカミュが口を動かした。

私は、色々あって(思いだしたくもない。)カミュの下僕だった。けど、いつの日かカミュが「俺のマネージャーになれ」と命令口調で言ってきた事がある。
私はその時下僕だったから断る事も出来ず…。
でも、いざマネージャーになるとカミュは「お前、貴様」ではなく、ちゃんと私を名前で呼んでくれたり、優しい事もしてくれるようになった。

すっごく嫌いだったのに、私はそんな彼に完全に惚れているみたいで…




「NON,名前なら最高のアイドルになれます!」

「コイツにアイドルの才能などあるわけがなかろうに」

『あ、あの…』

「カミュ!アナタは名前の歌声を聞いた事がないからそんな事が言えるのですっ!!」

「名前の歌声なら俺も聞いた事がある!あんな歌ではアイドルになどなれん!」

『……』

「カミュ!」

「…っ、あ、いや、これは…」




さっきの言い争いがまるで嘘だったかのように、部屋が静かになる。




『…ちょっと、飲み物買ってきます』

「「あ」」




こんな泣きそうな顔見られたくなくて部屋から出た。

すごく悲しい。私の大好きな歌をカミュは認めていなかった。
アイツの性格上わかっていたはずなのに…、心がすごく傷ついた




『……』




私は一回だけカミュの前で歌った事がある。
歌い終わった時に驚いた顔をしていたけど、あれは下手だったからなのか…。結構良く歌えていたと思ってたんだけどな。




『…はぁ』

「名前〜!!」

『セ、セシル!?』




私がトボトボ廊下を歩いていると、後ろからセシルが走ってきた。
私に近づくと突然抱き締めてきた




『!?』

「名前、とても傷つきました…?」

『…いえ』

「ウソ…、名前はウソついてます。アナタ今、とても悲しい瞳をしています」




そう言うとセシルは私の両方の頬に手を添えた。
あ、あれ?




『セ、セシル…?顔が近い気が…』

「名前。アナタは、なぜカミュの傍にいるのですか…?私は心配です」

『セ、セシルっ…!?待って…!!』




抵抗したくても、意外と力が強くて離れられない…!このままじゃ、キスされちゃう!どうしよう…!!
怖くてギュッと目を閉じた














「やめんか愛島っ!!!」

「にゃんっ!!」

『……』




カミュの声がしたと思って目を開けると…、
セシルがカミュに蹴られ、吹っ飛ばされていた




『…カミュ?』

「もう愛島と会うな!!」

『な、なんで…?』

「そ、それはっ…!!」




何故かカミュが焦っている…。そんな姿初めて見たかも。
彼の顔がみるみる赤くなっていくのがわかる




「…と、とにかくだ!2度と会うな!!」

『でも…、仕事とか一緒になるし…』

「だ、だからっ!!」

『…え?』




腕を強く引っ張られて、彼の胸にダイブすると、優しく抱き締めてきた。カミュの心臓がドクドクいってる…

う、嘘だ…、カミュはこんな事しない…!
けどけどけど…!!




「愛島と、こんな風に触れ合うな!いいな!?」

『う、うん』

「それに…、名前の歌は俺も認めている」

『え?だってさっき…』

「あれはだな、愛島に…し、嫉妬をしていたからであって…名前を馬鹿にしたわけではないからな!」

『カミュ…』

「だから、そんな悲しい顔をするな。いいな?」

『〜っはい!』




私が笑顔で元気よく返事をすると、カミュは私の唇にキスをおとした




『!?』

「俺は、愛島の愛よりも名前が好きだ。ずっと俺の傍にいればいい」

『カ、カミュ…』

「…名前は?」

『私も、カミュが好きっ!大好き!!』





セシルにJealousy
(カミュって可愛らしいんだね!
(ふ、ふざけるなっ!!
(カミュが、照れている…!?


20130413

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