18歳の音也



授業が終わり、レコーディングルームで歌の練習を1、2時間やって寮に帰った。
ちょっと疲れて椅子に座ると、机に伏せてそのまま夢の中へと入ってしまった。


すると突然後ろから誰かに抱き締められる感覚がして目が覚めた




「…あれ?名前じゃん、どうしたの?」

『だってあと数分で誕生日でしょ?』

「え?もうそんな時間?」

『うん』

「覚えてくれてたんだ…」

『当たり前じゃん!だって…私の大好きな音也の誕生日だよ?忘れるわけない』




彼女は名前といって、俺の好きな人であり、恋人です。
そんな愛しい彼女が俺の誕生日にわざわざ部屋に来てくれて嬉しかった




『音也ー、好きだよ?』

「俺もだよ」




俺は首にある名前の手を解き、彼女と向き合い抱き寄せてキスをした




「それに、あんまり可愛い事言わないでよ?俺、理性保たなくなるから!」

『ば、ばか!!別に、そんなつもりで言ったわけじゃ…!』




やっぱり可愛い。
なんで名前はこんなに可愛いんだろう。顔を赤くしてるところなんて…
我慢できないよ?マジで…




「あ、ねぇ!ケーキとかないの?」

『ケーキは誕生日迎えてからよーだ』

「ちぇ…、早く食べたいなぁ」

『ダメったらダメ!』

「じゃあ遊ぼー?」

『何して?』

「えー、名前が考えてよ」

『わかんない!』




もうすぐ日付が変わるし…あんまり騒ぐと周りに迷惑だからダメだよね…




「そうだ…。ねぇ、俺と楽しい事する?」

『楽しい事って?』




ポカンとしている名前をお姫様抱っこし、自分のベットへとゆっくり寝かせる。
俺は名前の上に跨り、両手を彼女の顔の隣に置いた。名前を見下ろすのは結構良い眺めかも…




「楽しい事」

『お、音也!?』

「へへっ、俺は楽しいと思うんだけどなぁ」

『ちょっと…』

「名前は、嫌…?」




嫌がる名前に、わざと悲しい顔をしてみる。
俺って本当に小悪魔だな…




『い、嫌っていうか!その、初めてだから…!』

「うん、わかってるよ」

『……っ』




これ以上は理性がふっ飛んでしまいそうな俺は、名前の隣で横になる




「大丈夫、まだ手は出さないから安心してね」

『え?あ、いつか手、出すんだ…』

「当たり前じゃん」




こんな事している間に日付は変わり、俺の誕生日になった。




『誕生日おめでとうっ!』

「ありがとう!」

『生まれてきてくれて本当にありがとう!』

「そ、そこまで言われると照れるんだけど…」

『…私と、出会ってくれて、ありがとう』




名前が顔を真っ赤にしながら俺の方を向いていた。

可愛い…




「反則だよ…」

『え?』




俺の発言にポカンとする名前に、そっとキスをする。




「反則だって、そんな顔」

『っ!?』


























「はぁ…、夜遅くまで頑張りすぎました…」




部屋が静かという事は、どうやら音也はもう寝ているみたいですね…




「!?」




な、なんて事を…!!
なぜ音也の隣に名前さんが寝ているんですかっ!




「本当に何をやっているんですか…。早乙女さんにバレたら退学ですよ…」




ま、でも…2人共とても幸せそうな顔をしているみたいなので、そっとしておいてあげますけど




「私って優しいですね」







18歳の音也
(ん…。あれ?トキヤがもう寝てる
((み、みられたのかな…!?
(今日でトキヤと同い年だ


20130411

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