蘭丸の奥さん



『よー蘭丸』

「来たか…」




仕事帰りに、蘭丸からメールで「会いたい」の一言が送られてきた。珍しいと思った私はどうせ家にいるだろうと思い、蘭丸の家まで歩いてきた。インターホンを鳴らすと案の定すぐに扉が開いた




「名前、すげぇ寂しかった…」




そう言って抱きついてくる彼




『ら、蘭丸?』

「お前と離れたくない…」




な、なんだ!?これいつもの蘭丸じゃないよ!どころか甘えん坊になってる。
何か不吉な事でも起きたんじゃ…!!




『何かあったの…?』




私を見つめた蘭丸は「とりあえず部屋に入れ」と言ってきたので、部屋に上がらせてもらった。
ソファーに座ると、隣に蘭丸が座った




『どうしたの?』

「…俺さ、なんでか事務所の後輩とできてるって噂が流れてんだ…」

『え…?』




後輩って…、私より若くて可愛くて、作曲家の才能がある子の事だよね…?




「…俺もなんでかは知らねぇ」

『蘭丸はどうしたいの?』

「…もういっそ、名前と結婚してみんなに結婚報告するかな」

『え!?』

「俺、まだ借金とかあるけどよ…、名前のこと絶対幸せにするから」

『蘭、丸…』

「ダメ、か?」

『嬉しいけど、アイドルが結婚なんていいの?ダメだよ…蘭丸が…』

「俺は、今すぐ名前と結婚したい。後で結婚するなら今したい」

『…蘭丸の人気減るかもよ?』

「それはそれで好都合。そんなに俺のこと好きじゃなかったって思えばいいだろ?」

『…うん、ありがとう蘭丸』

「愛してるぜ」

『私も愛してる』











***



「って事で社長。俺、後輩と付き合ってませんから。俺には、ちゃんと奥さんがいるんで…」

「ホーウ、わかりまシータ…って…」

「「「「「えぇぇぇえっ!!」」」」」




翌朝事務所へ報告しに行ったら、社長と日向さんと月宮さんに真斗とレンが叫び出した




「黒崎サーン!どういう事デスかー!!」

「ら、蘭丸!!奥さんってなんだ!?」

「あらやだっ!ちょっと奥さん連れてきてー!あたし見て見たーい!」

「く、黒崎さん!いつの間にそんな方が…!一言言って下さっても…!!」

「ランちゃんに親しいレディがいたなんて…、知らなかったよ…」




みんなは驚いている(月宮さんは別だけど)
当たり前か




「彼女ならまだしも奥さんデスかー…」




社長が落ち込んでいる時に突然事務所の扉が開いた。その奥に現れたのは嶺二だ。
なんだか妙にテンションが高い気がする…




「ランラン!お客さんだよーん!」

「嶺二…」




嶺二の後ろから顔を出したのは、可愛いくて愛おしい俺の奥さんだった。
わざわざ迎えに来てくれたみてぇだ




『蘭丸、迎えにきたよ?一緒に帰ろう?』

「あぁ、今行く」




俺は、もう一度社長と向き合った




「今後もよろしくお願いします」

「く、黒崎サーン…」

「すんません。勝手に決めた事は謝ります。でも俺には彼女しかいないんすよ」




ちゃんと社長に謝って、名前の所まで行った。
彼女の小さな手を握る




「って事で、お疲れ様でしたー」

『蘭丸?』




事務所の扉を閉める。




『いいの?』

「別に、構わねぇよ」

『そっか!じゃあ、手を繋いで帰ろうね』

「あぁ」







蘭丸の奥さん
(な、なぁ…、今の女が蘭丸の奥さん…?
(んもー!あの子可愛いわー!
(黒崎さんも、やりますね…
(ランちゃんも隅に置けないねー!

(なになに!?ランランがどうかしたの!?
(オーウ…


20130405

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