『あーいーちゃん』 「…なんだ、名前か」 『なんだとは何よ!それより今日暇?』 「暇なわけないでしょ。僕が暇そうに見えるわけ?」 『そうだよねー…』 …なんでそんな悲しい声をするの? 僕は本当の事を言っただけなのに… 今までパソコンに目を向けながら名前と会話をしてたけど、悲しい声が聞こえたので名前の方を向いた 「ねぇ、なんで悲しい顔してるの?」 『えっ?べ、別に…悲しい顔してないよ』 「嘘つかないで。僕が暇じゃないから?」 『それも、あるけど…』 「何?ハッキリ言ってくれない?」 僕の性格に問題があるの? もっと優しくするべきなの? 『藍ちゃんって、私の話はだいたいこっち向いて会話してくれないから、嫌いなのかなって思って…』 「は?」 『嫌いだったら…私、ここにいるの迷惑かなって…』 「僕の部屋にいる事が?迷惑…、嫌い…」 僕は名前のこと、嫌いなんて一言も言った事ないけど 「どういう事?僕が名前を嫌いだと迷惑ってなるの?」 『だってそうでしょ?苦手なものがずっと自分の傍にいたら迷惑でしょ?』 「なるほどね。でも、僕は名前のこと苦手でも嫌いでもないから迷惑だなんて思ったことない…かな」 『か、かなって何!?』 「なんか名前を見てると、なんの感情かわからないのが出てくるんだよね。本当何だろう…」 考えてみるけど全然わからない。ホント感情って苦手。 返事がない屍の名前を見ると俯いていた 「どうしたの?気分悪い?気持ち悪い?」 『その…、私を見るとどうなるの…?』 「え?」 『私を見ると、どんな感じなの…?』 どんな感じ… 心が温かくなって、いつもより鼓動が速い気もする。それから…可愛く見えるかも、 「人間に例えると心臓の鼓動が速くなったりするし、まともに名前を見れなかったりするね。可愛く見えるし。後は…、ずっと名前の事考えてる気がする」 『あ、藍ちゃん…』 「なに?」 彼女の真っ赤になった顔を見て、すごく可愛く思えた。 この子はこんなに可愛かったっけ?? 『それは、恋ってやつなんじゃ…』 「は?」 『藍ちゃんが私を見たときの状態を考えると 、恋ってヤツに似てる。と、いいますか同じです…』 「恋…?」 『自分で言うのもアレだけど、藍ちゃんは私の事が好きなんだよ…!』 そうなんだ… これが「好き」って感情なんだ…。 すごいよ。だって君のこと考えただけでこんなにも心が温かくなるんだもん 「ねぇ、それって僕にも心があるって事だよね?」 『うん!私も藍ちゃん大好きっ!!』 「なんか、改めて聞くと照れる…」 『ご、ごめん!』 本当に好きってすごい。 こんなにも僕を人間らしくしてくれる。 「そういえば、今日は僕と何するつもりだったの?」 『えーっと、デート…』 「デート…?」 『うん。恋人と一緒に出かける事だよ』 「!?」 好きって気持ち (僕、名前が好きなんだ (え? (これからは、ちゃんと名前の方を向いて話すから (うん! 20130325 [prev] | [next] |