可愛い王子様



今日は、待ちに待った翔ちゃんとデートです!
どれだけ楽しみに待っていたことやら…
昨日の夜はすごくワクワクしすぎて寝れなかった!




『ウトウトしないように頑張ろう!』




一昨日、翔ちゃんが「動物園に行きたい」って言ってたから誘ってみた。
そしたらあの子、目をキラキラさせながら「行く!」って子どもみたいに言うからつい頭を撫でたら怒られた…




『もうすぐ待ち合わせの場所だ…』




私達はいつも使っている喫茶店で待ち合わせする事にした




『…あ、いた』




お店に入ると、翔ちゃんは先に来ていたみたい。後ろ姿もたまらなく可愛いな!!




『翔ちゃーん!』

「お、やっと来たか…」




私を見るなりピタッと固まる翔ちゃん。
ん?なんか服装変だったかな?




『か、帰って着替えてくるけど…』

「ち、違ぇよ!その…、か、可愛いって事だから…」

『翔ちゃん大好きー!』




照れている翔ちゃんがあまりにも可愛すぎてついつい抱きついてしまった




「ばっ…!店で恥ずかしい事すんなバカッ!!」

『だって可愛いんだもん』

「可愛い言うな!!」




どうやらまた怒らせてしまったようだ。まったく…、私の王子様は我が儘だな




「それよりさっ、早く行こうぜ!」




翔ちゃんは私の手をそっと握り、歩きだした。
この子のエスコートは突然にやってくるから時々反応に困る。恥ずかしいよ

恥ずかしいけど、嬉しいから私も握り返します…




『ふふ』

「なに笑ってんだよ…、気持ち悪ィな…」

『彼女に気持ち悪いってなによ!』

「まんまだし」

『くそチビ』

「チビって言うなよ!!」

『まんまだし』

「見事に返されたな…」

『ふんっ、翔ちゃんの彼女ですから』

「なっ!お、お前…、サラッとんなこと言うなよ」




もう、私の彼氏はなんて可愛いの!
こんなのですぐ照れちゃって、癒されるわ〜




『動物園楽しみだね!』

「あぁ、超楽しみ!」




しかし今日ヒールはまずかったかな…?歩くし、何より翔ちゃんと同じ高さだし…




「名前」

『なに?』

「お前さ、道路側じゃなくて歩道側の方歩けよ」

『なんで?』

「はぁー、ったく鈍いな。こうゆう時は道路側は男が歩くって決まってんだっ!わかったら右に来い!」

『わ、わかった!』




ただ、可愛いのに時々男らしくカッコいい事をする。
本当に最高の彼氏です!私には勿体ないくらいっ!!




『翔ちゃん、好き』

「なっ、いきなりかよ!ま、まぁ…俺もだ」




照れてる翔ちゃんを横目で観察していたら、目の前には動物園の入り口があった。




『着きましたよ王子!』

「よし!行くぜっ!!」

『は〜い!』




















「……」

『王子〜』




動物園に入って早々機嫌が悪い翔ちゃん。
何故かといいますと、受付のお姉さんに「こちらの中学生の方は無料です」そう言われたからです。
翔ちゃんの体が震えていたので、私だけお金を払ってさっさと済ませました




「なんでだよ…」

『怒らないでよー』




見るかぎり、そーとー怒ってらっしゃる…




「なんで名前だけ払うんだ。無料で入った俺、マジかっこ悪ィじゃん…」

『翔ちゃん?』




どうやら怒っているのではなく、私だけがお金を払った事に対して落ち込んでいるみたいです




「はぁ…」

『ごめんね、翔ちゃん…』

「ん、いや…、いい」

『でも翔ちゃんはかっこ悪くないから!!この世で1番カッコいいよ!それに可愛い!』

「最後の一言いらねぇ。…でも、ありがとなっ!名前に言われると超元気でる!」




ニカッと笑う翔ちゃん
もう抱きつきたいくらいに可愛い…!!




『…喉乾いたから自販機に行ってくるね』

「待て、飲み物くらい俺が出す。無料で入ったし…」

『わかった!』




ならば翔ちゃんが帰ってくるまで、ベンチで待っている事にしよう




『自販機に手、届くかな?』




楽しく翔ちゃんの観察をしていると、知らない男2人に話かけられた




「お姉さん可愛いねー」

「1人?俺らと遊ぼぜ?」

『……』




これはもしや…、ナンパ、というヤツですか…?
しかも顔普通。翔ちゃんの方が何倍、何十倍、いやそれ以上カッコいいよっ!
つか、動物園に1人で来るわけないじゃん!




『…行かないです』

「いーじゃん、ね?」




私の隣に座ってくる男2人
わぁ!挟まれてる!!




『あの、肩に手を乗せないでもらえますか?…つか触らないでください』

「おっ、彼女冷たいねぇ」

「ノリ悪いよ〜」

『あ、あの!触らないでくださいっ!!』

「遊んでくれないんだから太股触るくらいいいでしょ〜」




私は怖くなりギュッと目をつぶった。
翔ちゃんに触られたらマジ興奮するけど…、コイツら気持ち悪っ!!

もう怖いよ…!!
翔ちゃん助けて!!!
吐きそうっ!!
















「おいっ!お前ら!」




あ、この王子様みたいなカッコいい声は…




「俺の彼女に何してんだっ!!!」

「あぁ?…サービス」

「そうそう、おたくの彼女がノリ悪いからさー」




ブチッ

翔ちゃんのマジギレはすごいんだぞっ!きっと誰も勝てやしないさ!
翔ちゃんは構えると、素早く男の腹に軽く?パンチを決めた




「ぐはっ!!」

「お、おい!」

「テメェら名前の前から消えろ。2度とその面見せんなっ!!」




2人は翔ちゃんのあまりの怖さに去って行った。
しばらくして翔ちゃんは、私に駆け寄ると隣に座ってくれた。それから優しく包み込むように抱きしめてくれた




『翔…、ちゃん…?』

「ごめんな、怖かっただろ…。本当にごめん…」

『しょ、翔ちゃん…』

「油断、してた」

『もういいから、少しの間だけ…、抱き締めてて…』

「あぁ…」















私はどれほど彼の胸に顔を押し付けていただろう…。その間ずっと翔ちゃんは抱き締めてくれてた




「本当に大丈夫か?」

『うん、ごめんね…、せっかくのデートなのに…』

「俺は平気だ」

『動物園、まわる?』

「まわる!…立てるか?」

『大丈夫だよ!…わっ』




大丈夫と言った途端にちょっとよろけた




「あっぶねぇな…、マジで無理すんなよ?」

『あ、ありがと』




よろけた体を支えてくれる翔ちゃん
この王子様めっちゃいい匂いする!




「動物園まわろうぜ!」

『うん!』




私の手を取り歩きだす。
また突然のエスコート…

何回も言うけど、普段可愛いから、たまにカッコいいところを見るとドキッと胸が弾む。
そんな可愛いらしくて男らしい背中を見つめてちょっと笑ってしまった。


翔ちゃん、私ね…、翔ちゃんなしでは生きられないくらい大好きなんだよ?
翔ちゃんも私と同じ気持ちであってほしいな








可愛い王子様
(パンダー!!
(可愛いな
(翔ちゃん並に可愛い!
(俺は可愛くねぇっつーの!!


20130325

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