君だけの騎士



『翔ちゃーんっ!今日もAクラスと合同だね!』

「おわっ!…名前、相変わらず身長低いなー」

『ひ、低いって言わないでよ!』

「そうだよ、おチビちゃん。俺にとったら君も身長は低い方さ」

「おチビって言うな!!」




今日の授業は体育。
だったけど、あの学園長のせいでSクラスとAクラスによる勝負になってしまった




『翔ちゃんのカッコいい姿見れるの楽しみだな〜』

「じゃあ、応援よろしく頼んだぜっ!」

『うん!わかった!』

「苗字さん、君は一応Aクラスでしょう…」




さっきから俺の傍にいる、このちんちくりんはAクラスの苗字名前。
俺より身長が低くて、なにより可愛くてたまらない!
今だったら那月の可愛いモノ好きがわかる気がする




『あ、翔ちゃん!怪我はしないでね?』

「あぁ、名前も怪我だけはすんなよ」

『うん!』




うん!だって…
こいつの笑顔が超可愛い。つい頭を撫でちまう…




「苗字さん、次だよ!」

『あ、はい!』




…なんか、他の男が名前に近寄ってきたりするとモヤモヤすんな
なんで男が呼びに来るんだ?まぁ係とかなら仕方ねぇけどさ…って嫉妬深いだろ!俺!




『見ててね翔ちゃん!』

「おう!」




俺にそう言うと、名前はグラウンドに走って行ってしまった。
リレーのメンバーにでも選ばれたのか?アイツはそこそこ速いからな


リレーが始まり、ついに名前の番がきた。
けど、とある女子が名前に足を引っかけてきて派手に転んでしまった。みんなは気づいてなかったみたいだけど俺は見逃さなかった




『いたっ…』




どうやら、足を挫いてしまったらしい…
俺はすぐにその場から離れた。




「名前!」

『翔ちゃん!?』

「…あの女だろ?」

『え?』

「足引っ掛けた奴」

『ち、違う…!』

「許さねぇ」

『ダ、ダメっ!やめて翔ちゃん!!』

「なっ…!」

『アイドルになる人が、人を、しかも女の子を殴っちゃダメ…』




名前は俺の腰に抱きついてきた。
彼女の手が少し震えているのがわかる




「わかった…」

『……』

「とりあえずさ、保健室に行こうぜ?」

『うん』

「おーいっ!誰がコイツの変わりに走ってくれ!」




すっげー差がついてるけど、どうやら那月が出てくれるみたいだ。

その間、保健室に行こうと名前が無理に立とうとするので、仕方なくお姫様抱っこをした




『え…?』

「無理に立とうとすんな。俺がいるだろ?」

『で、でも…』

「問答無用!お前は俺様の言うことに素直に従っていればいいんだ!」

『うん!』




しばらくして保健室に着くと、俺は名前をベッドに座らせ湿布と包帯がある場所を探す




「湿布、湿布…あった。包帯はどこだ…?あ、これか?…あ、あった」

『翔ちゃん?』

「ん?」




俺は、名前の前に座って挫いた方の足に湿布を貼ってその上から包帯を巻き始めた




『あ、ありがと…』

「別に、たいした事じゃねぇし。名前の事ほっとけなかったから」

『翔ちゃんのカッコいい姿見たかった…』




いつも元気な名前が珍しく落ち込んでいる。やっとのことで包帯が巻けた。

俺はスッと立ち上がり、名前の顎を少し上に持ち上げる




『し、翔ちゃん!?顔がち、ちちち近いよ…!』

「俺様のカッコいい姿が見たいんだろ?だったら静かにしてろ。今見せてやるからさ」

『……』

「…俺は真斗みたいに騎士って柄じゃないけど、名前を守れるってんなら騎士になるぜ。絶対に何があってもお前から離れない。…俺は名前が好きだ」

『翔ちゃん…』

「俺様が名前を必ず守るからなっ!」

『うん!私も翔ちゃんが好き!守りたい!』

「それはちょっと…」




騎士って俺らしくねぇけどさ、好きな女を守れないと本当の男じゃねぇよな。

そういえば、リレーは那月おかげでビリから1位になったとか…







君だけの騎士
(名前可愛いな
(ふぇ!?
(マジで可愛い


20130320

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