監察の恋



「山崎ぃー!!」

「は、はいっ!!」

「冷蔵庫にマヨネーズ0じゃねぇか!!昨日買ってこいって言っただろーが!」

「す、すいません!」

「死ねぇ山崎ィ!!」







――――ドォォオン!!



「ひぎゃぁぁぁぁぁあ!」




毎回毎回土方さんにパシられ、八つ当たりされたり、失敗するとボコボコにされる。
俺はボロボロのまま、いつもの様に、縁側に座って庭に咲いている花を見つめた




『や、山崎さん大丈夫ですか!?』

「名前さん…」




俺は真選組の監察・山崎退。
みんなに酷い扱いされても、優しくしてくれる人だっている。この女性は真選組の女中、苗字名前さん
俺の唯一救いの女神です。
あぁ、できれば名前さんには、こんなところ見られたくなかったな…
俺超ボロボロじゃん…




『はい、どうぞ』




彼女は笑顔で俺にハンカチを差し出してくれた。
やっぱり優しい。でも、綺麗なハンカチを汚す訳にはいかない




「だ、大丈夫ですよ?」

『いけません!私が、嫌ですから…』




彼女の顔が赤い…。えっ?これって俺の事心配してくれてる!?
いやいや…、考えてみろ退。俺みたいな地味な奴に、こんな可愛い人が好きになるはずないじゃん。
あれ?自分で言ってて涙が…




「…名前さん、もしかして俺のこと好きですか?」




でも一応確かめてみたいんだよね。男として…




『え…』




まぁ、…そんな事あるわけないか
当たり前だ、うん。




「なーんて…」

『………で…す…』

「えっ?」

『す、好きで…す…』




…えっ!?嘘っ…!名前さんがお、俺を!?




「ま、まじですか?」

『はい、まじです…』




彼女は、そう言いながらそっぽを向いた。耳まで真っ赤になってる横顔がすごく可愛かった。




「名前」

『呼び捨てですか…?』

「名前」

『は、はい退くん…!』

「は、初めて名前で呼んでもらった…!」

『ふふ』




俺も告白しないと…
名前さんはちゃんと言ったのに俺が言わないのは男としてダメだ!!
何よりカッコ悪い…!!







――――ギュッ



「名前さん、俺も貴方が大好きです!ずっと俺の傍で笑っていてください…!!」

『は、はい!』




し、幸せだ…!!
彼女がいてくれれば、副長のパシリも、八つ当たりも何もかも耐えられる!




「イチャイチャするんじゃねーぜィ?」

「うっとーしい!!」

『沖田くん、土方さん!』

「やっとくっつきましたねィ、名前さん」

『ありがとう沖田くん』









***



「名前!俺、ずっと前から大好きですから!」

『ふふ、知ってますよ』

「な、なんで!?」

『私ずっと退くんを見てましたから』




あっ!!
…だからよく目が合ったんだ




「(恥ずかしい…!!)」





監察の恋
監察をやってても、名前さんの行動はわからなかった…



end.

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