不良でキュン死



『おまたせ高杉くん!』

「…全然」




今日も高杉くんと一緒に帰るんだ。
高杉くんは、銀魂高校の一番悪い不良さんで、無口だけどとっても優しい男の子


そんな彼がある日突然私に告白をしてきた




「…好きだ」




最初はいたずらかな?と思ったんだけど、一緒に帰っているうちに高杉くんは本気なんだと知った。
私はいつの間にか高杉くんを好きになっていた。




『今日もいい天気だね』

「…あぁ」

『今日も家までよろしくね』

「ん」




高杉くんの事が好きって気がついた私は、数ヶ月経って告白したんだけど…、付き合ってからは手を繋いだり、キスしたり、抱き締めるなんてまだ一回もしてないんです。


でも、それでもいいかなって思ってます。
だって高杉くんは私を大切に思ってるって事だから…




「んなわけねぇヨ」

「もう、名前ちゃん、目を覚まして?」

『………』




そんな事を親友の神楽と妙ちゃんに話をしたらキツい言葉が返ってきた。




『…高杉くんの事悪く言わないでよね』

「高杉じゃなくて、名前がありえないアル」

『私!?』

「そうねぇ…。名前ちゃんってメンクイなの?」

『違うよっ!!』

「だって誰も選ばないと思うわよ?不良なんて…。選ぶとしたらメンクイかよほどのドMね」

『………』




な、んだと…!!
みんな高杉くんの本当の性格を知らないからそんな事が言えるんだよ!!




「しかも、あんな不良と手を繋いだりキスしたり抱き締めたりって…、ありえねぇアルな…」

『な、なんで…!?』

「高杉がそんな事するとは思えないネ」

「でも、やったらやったで面白いわよね」




お前ら親友の恋をなんだと思ってんだコノヤロー。
こっちは真剣なのに…




『ダメなの…?』

「ダメって言うか、高杉がやったら面白いって事だけヨ。だからあんま気にする事ないアル」

「そうよ、人の言うことなんて気にする事じゃないわ」

『…うん』









***



『ちぇ…、今日は高杉くんと帰れないんだ…』




帰りのHRで、高杉くんからメールが来た。
「今日は一緒に帰れない」
との一言が書いてあった。




『まぁ、たまには一人で帰ろうかな…』




1人で学校を出るなんて、久しぶりな感じがする…。ずっと高杉くんと一緒だから…。
なんか最近高杉くんに依存しすぎかな?
そんな事ないよね…?




『…うーん』

「苗字名前さん」

『え?』




突然後ろから私の名前を呼ばれたので、振り返ってみると…、ニコニコしてるお兄さんが校門の上に座っていた。
校門からピョンと降りると、私の近くまで来た。その瞬間腹に激痛が走った




『か、かはっ…!!』

「ごめんね、君の事利用させてもらうから」

『…な゙っ…!』




あ、ダメだ…
意識が、遠くな、る…
た、かすぎ、く…ん





























『…んっ』

「名前っ!!」




私の名前を呼ぶのは誰…?
あれ?あのニコニコした人は…?




『…っ!』




殴られた腹が痛い。
アノヤロー本気で殴りやがったな…!!
…ってここどこ?デカい倉庫って所かな…?




「名前っ!」

『…あれ?高杉、くん?』

「やぁ、起きた?」

『!?』




私の腹を殴ったニコニコした人だっ!!
って何?この状況…、後ろからニコニコさんに抱き締められてるんですけど…。しかもがっちり両腕で固定されてて、離してくれそうにない。
やめてよ!!高杉くんに抱き締めてもらった事ないのにぃ…!!




『は、離してっ!!』

「あはは、暴れてると殺しちゃうぞ?」

『…っ!』




声を聞いただけで背中がゾクッとする…。
この人なら本当に殺してきそうで怖い…




「…神威、彼女を離せ」

『高杉くん!』

「嫌だよ、コイツは人質みたいなものさ」

「………」

『!?』




何を思ったのか、神威という男は私の頬をゆっくり撫でてきた。
き、気持ち悪い…!!




『さ、触るなっ!!』

「殺すよ?」

『…っ!』




怖い、怖い…
高杉くんが見てるのに、触らないでよ…!!




「神威っ!!」

「おっと…」

『!?』




突然、私と神威の間に鉄パイプが入ってきた。
驚く暇もなく、すぐ近くに来ていた高杉くんが私を抱き締めて、神威と距離をとった。
距離をとった後も、鉄パイプを片方の手で持って、それを神威に向けている




『!?』

「あれれ?彼女を奪われちゃったなー」

「チッ、名前に触んな。アホアンテナ」

『………』

「ひどいなぁ」




私、よく考えたら高杉くんに名前呼ばれてない?
しかも抱き締められてる…




「…なんだつまんない。飽きたからやーめた。じゃあね」




そう言った神威は、倉庫から一瞬で姿を消した。…ちょっと自分勝手すぎない?




「………」

『高杉くん、あの…』

「良かった」







――――ギュッ



「………」

『………』




私…、高杉くんにこんな強く抱き締められたの初めて。
抱き締められたのが初めてなのに当たり前か…




『あ、ありがとう…』

「いや、別に…」

『高杉くん、顔が赤…』

「赤くねぇから」

『…ブフッ!』

「な、何笑ってんだよ…」

『照れ隠しが可愛いなと思って…』

「…バカじゃねぇの」

『え?』

「名前の方が可愛いから」




あ、これ私死ねる。
キュン死しちゃうよ!!





不良でキュン死
(…名前?
(………。
(いつまでも停止してるとキス、するぜ?
(お、おおお起きてる!



20130705

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