守ってやんよ



今日は銀ちゃんいるかな?
あの事でちょっと相談したいんだけど…







――――ピンポーン



「はーい…、ってあれ?名前さん!」

「名前アル!銀ちゃん!彼女の名前アルヨ!!」




万事屋のインターホンを押せば、新八くんと神楽ちゃんが玄関の扉を開けてくれた。




『銀ちゃんいるの?』




そう言うと、新八くんと神楽ちゃんの後ろから万事屋のオーナーがダルそうに歩いてきた。態度悪っ…




「…どーも、で?何しに来たの?」




怒ってる…?
だっていつもより態度悪いし、素っ気ない。なにより顔が怒ってる




『今日はね、銀ちゃんに用があって…』

「昨日、」

『えっ?』




私が話を始めようとした時、銀ちゃんが言葉をかぶせてきた




「昨日、真選組に行ったろ?じゃあここじゃなくてもよくねーか?」

『いや、でもね、やっぱり銀ちゃんが…』

「知らねーな、もう話は終わった。帰れ。お前って都合のいい女みたいだな。真選組の次は俺?」

『え?違う!理由が…』

「いーから帰れ」




この時、私を睨んできた銀ちゃんの顔がすごく怖かった。それ以上は怒らせたくなかったから、仕方なく万事屋を去った




『……グスッ…』





















「お前バカアルヨ。あれは酷いアル。名前きっと泣いてるネ」

「…あいつは強いから泣かねぇよ」

「名前さん用があったみたいなのに!酷いですよ銀さんっ!」

「ぱっつぁんまで…」

「新八。こいつ真選組に嫉妬してるだけネ」

「…るせェ」








――――ピンポーン



「んだ?、また来たのかぁ?新八ちょっと出ろ」

「…はい」







――――ガラガラ



俺の言う事を聞いた新八は玄関の扉を開けに行った。俺も新八の後ろについて行くと、扉の奥に見知った奴が2人立っていた。




「土方だ」

「オレもいまさァ」

「あぁ?なーんだ。何か用?多串くん」

「多串くんじゃねぇ!!」

「あれ?今日名前はいねーんですかィ?」

「さっきまでいたけど、帰ったアル。天然パーマのせいで」

「このガキ…」

「はぁ!?マジか!あんなに出歩くなって言ったのによ…!バカかあいつは!」

「…名前さんに何かあったんですか?」




新八の質問を聞いた土方は、気まずそうに、頭を掻きながら答えた




「…あ、あのさ、絶対に混乱すんn…」

「昨日、ストーカー行為を受けてるって真選組に相談しに来たんでさァ」

「「「…はぁ!?ストーカー行為!?」」」

「総悟ぉぉぉぉお!!なんでスラッと言うんだテメェェェェェエ!!!」

「…最近つけられてるとか、無言電話とか。怖ぇから相談しに来たらしいでさァ。だけど、やっぱ旦那に相談するって帰っちまったんですゼ?」

「無視かゴラァ!!」

「それで、俺達ァ心配になって旦那の所に来たってとこでさァ」

「…な、んだよ…、それ」

「ぎ、銀ちゃんなら、名前の話も聞かずに“帰れ”って言ってたアル…」

「ふざけんなよっ!!」

「おい、万事屋!?」

「銀さん!!どこに行くんですか!!!」

「んなの、決まってんだろっ!?」




どうか俺が見つけだすまで無事でいてくれと、心で願いながら、名前が歩いていった方向へと走った






















『うっく、…ズビッ…』




私、やっぱり真選組には行かない方が良かったの?
でも、こういうのって警察の役目だと思ったから…
確実に銀ちゃんに嫌われたな…




「名前、やっと…やっと彼氏と別れてくれたんだね…。泣かないで、僕が慰めてあげる!」

『な、なに…?』




目の前には可愛らしい男の人がいて、だけど全体的に黒い…。
もしかしたらこの人はストーカー野郎なのかも…
ってか別れたってなに!?




『別れてなんかないです』

「キ、キスしよう…?」

『そう言ってくれるのは嬉しいけどさ、私には彼氏がいてね……きゃっ!』




彼に腕を引っ張られて路地裏へと連れてこられた。
これはちょっとヤバイ…




『何すんの!?やっ…!は、離して!!』




どうも女ってのは、男の力に勝てるわけがないんだ。
差別だよ!!




「えへへ、可愛い〃」




嫌だ助けて!!怖いんだけどっ!!!
私、銀ちゃん以外の人とキスなんて出来ない…!
銀ちゃんに勘違いされてる気がするけど…、でも都合のいい女って思われちゃったから助けに来ないよね…




『銀ちゃん…!』





















「おい」




――――ガシッ!!



「お前さ、俺の彼女に何してくれちゃってんの?」




突然目の前には、見慣れたあの人の背中。
助けに来てくれたんだ…




『ぎ、んちゃん…』

「なんだ?も、もう僕の彼女だよ…別れたんだろ?」

「はぁ?別れてねぇよ。つか別れるわけねぇだろーが。…名前大丈夫か?」

『ぎ、んちゃん、こ、怖かった…』




クルリと私の方を向いた銀ちゃんは、優しく抱き締めてくれた。
それから私を背中へと隠して、男の人と向き合った




「名前は俺が守るから安心しろ。さぁて、お前どうしようかなぁ…!」

「ひぃ…!」













―――――――








―――――





―――



銀ちゃんが拳でストーカー野郎を気絶させたところで真選組の皆さんが来た。
そして、ストーカー野郎は捕まったのだ




「ごめんな…、名前」

『ううん…』

「俺の自分勝手な嫉妬で、怖い思いさせちまった…」

『銀ちゃん…』

「名前…」




銀ちゃんの掌が私の頬に添えられ、彼の顔が近づいてくる。
そして2人の唇が重なった

銀ちゃんの優しいキス…




『銀ちゃん〃』

「さっきはマジで焦った…。お前がストーカー野郎に連れていかれた時なんか、心臓が止まるかと思ったしな。それぐらい俺は、名前が好きなんだ」

『私も、私も銀ちゃんが好き…大好きっ!!』





守ってやんよ
(これ僕達忘れられてる?
(まぁまぁ♪別にいいじゃねーアルか!ぱっつぁんよォ♪



end.

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