誕生日キス




今日も平和だ、たぶん…。
最近は争いごともないし、怪しい奴も見かけない。珍しく仲間割れもない。
なので最近は部屋でお茶飲んだり、お菓子食べたりしながらゆったりと過ごしている。
でも、やる事なさ過ぎて夜兎の血が騒いでいる




「名前姉っ」

『お、神威!ちょうどいいところに来たな』




私の部屋にヒョコっと現れたのは弟分の神威。
神威は可愛い奴で、頭にアンテナを立てて(髪だけど)、いつもニコニコしてる。まぁ、何でも言うことを聞いてくれる




「ん、なんで?」

『最近争いごとねぇだろ?夜兎の血が騒いでんだ…、だから遊んでよ神威ー』

「えぇー、名前姉と戦うのやだよー」

『戦いじゃなくて、普通に遊べって言ってるの。私が神威と戦うわけないでしょ』

「…そうだね」




それから神威と部屋で、トランプで遊んだり、UNOで遊んだりして、楽しく過ごした。









***



「団長ー、…いい加減に仕事してくれよなー」




阿伏兎は、なかなか仕事に戻らない神威を探していた。こんなに探してもいないという事は、名前の部屋にいると思い、ノックをして扉を開けた




「団長ー」

「…あり?」

『……スー、スー…』







――――パタン



「あれれ?…団長が、寝ている名前さんの上に跨ってたぞ?」







――――ガチャ!!



「ダメだぞオメェ!!」

「うるさいな阿伏兎」

『神威…?』

「あ、起きた」




重い体を起こした。
起こしたのはいいけど、神威の顔が間近にある。
あ、跨ってるからか…




『神威、近い…』

「名前姉…」

「!?」




突然、自分の唇に柔らかいモノがあたる。
それが神威の唇とわかるまでちょっと時間がかかった




『………』

「団長、名前さん固まってんぞ」

「んー、もっと反応が欲しいんだけどなー」

『………』

「…顔が赤くなった」

「名前姉可愛いねっ!」




わ、私…なんで神威とキス…

キス…?はぁ!?!?




「今日、俺の誕生日なんだ」

『あ、やっべ!忘れてた…』

「いいよ、もうプレゼント貰ったからね」

『!?』

「来年の俺の誕生日には、名前姉をメロメロにさせるから、よろしくー」

『あ、…うぅ』

「女に跨りながら言ってもかっこよくねぇぞ?」





誕生日キス
(いつから弟分じゃなくなった…?
(ずっと前から名前姉の事を女として見てたよ
(きっとこの弟を男として見てしまう日が来るのだろう…
(いつか、好きだって言わせる為に…
((これも、ある意味戦いなんだ…



20130601

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