海でつったら危ない




今日は雲が一つもない晴れ。夏にとってはとても良い天気だ。夏と言えばカップル→カップルと言えば→海という事で…



彼氏の新八と海に来ました





『わぁ!』

「名前ー、危ないよー」

『う、海だよ海!』

「はいはい、わかってるからね…」




今日新八は万事屋で休みをもらい、私は真選組で休みをもらった。
こうして2人で出かける事があまりないから、緊張と嬉しい感情が混ざっている




『…今日は、パーッと楽しもうね!』

「そうだね。…とりあえず水着に着替える?」

『うん!』

「あ、あっちに更衣室ある。えっと…、じゃあ着替えたらここに集合しよう」

『うん、わかった!』

「じゃあまたね」

『また後で!』




女子更衣室に入り、早速着替え始める。大きいタオルを肩が隠れる様に巻いて、服を一枚ずつ脱いでいく。


そういえば、新八って最初は私を恐れている瞳で見てたんだよね…。無理もないけど。
ちょうど1年前に、新八が攘夷浪士達に襲われそうな所に出くわした。
私が真選組に所属している以上、市民を守らなければならない。だから新八の前で斬った。
そりゃ怯えるよね…


けど、数日して新八がわざわざ真選組に来て謝った。「僕を助けてありがとうございます。今までごめんなさい」って…可愛くない?すっごく可愛かったの!
それからなんやかんやキャッキャウフフみたいな事があってはれて恋人になりました!




『(あ、あれ!?これ私が用意した水着と違う!私、お腹くっていてるヤツ用意したのに…ビキニだっ!!)』




いつの間にかすり替えられてる!!
こんな事出来るのは…、沖田隊長だけだな…




『な、何このヒラヒラ…こんなのを新八の前で着ろと?』




は、恥ずかしい…
でも着ないと海で遊べない…。も、もう…!沖田隊長帰ったらシメる!!

仕方なく、ビキニに着替えました…









***



待ち合わせ場所に行くと、すでに新八は水着姿で私を待っていた。
うわ…、カッコいい…




『新八…』

「やっと来……っ!」




私の方に振り向いた新八は、一瞬ピタッと止まり、だんだんと顔を赤らめていった




『は、恥ずかしい!!その反応すごく恥ずかしい!』

「か、可愛いね…」

『し、新八もカッコいいよ』




なんだこの初々しい感じ…、すごい恥ずかしい…。

思ったら、新八の裸見たことないや!!貴重…!




「じゃあ、海行こうか」

『けど…、私泳げない…』

「大丈夫、僕がいるよ」

『…うん!』




新八はとても優しい。こんな私に優しくしてくれるの新八だけだよ…!
真選組は…どうだろうね







――――バシャ バシャ



『こ、怖い…』

「大丈夫大丈夫、まだ膝くらいだよ?」

『う、うん…』

「ちゃんと名前が、僕の手を握っていれば絶対大丈夫だから」

『お願いします…』




もう腰辺りまで水が来たー!怖い怖い!!
でも、新八が近くにいるから大丈夫かな…?手も繋いでるし…




「あははは、可愛い」

『あ、遊ばないでよー!』

「名前!危ないから離れないで!」

『うぅ…』




時々くる大きい波にビックリする。そのたびに背の高い新八の首に手を回す。コイツ何気私より背が高いからムカつく。…ただ単に私が低いのか。

いつの間にか私の足が地面につかない所まで来ていた




『うわぁぁあ!』

「あはははは!名前って面白いね!」

『新八は、足が届くから平気なんだよー!!』

「?…届いてないけど」

『へ?』

「僕も届いてないよ?」

『いやだぁぁぁぁあ!!怖いぃぃぃい!!』




新八の首に手を回し、思いきりしがみついた




「…っ、僕がいるから大丈夫だって!」

『うぇぇえ!!それでも怖いのー!!』

「はいはい、じゃあちょっと浅い所まで戻ろうね」




新八は私の手をギュッと掴み、足が届く所まで戻ろうとしたら、今までとは違う超大きい波が迫ってきた




「名前!!」

『うわっ!し、新ぱ…』







――――ザブァァン!!!



波の勢いで新八と手が離れちゃった!ヤ、ヤバイ!これって上どこ!?私いま回転してる!?わかんない!!




『…ぷはっ!』




なんとか顔を出せた…。新八は…?周りを見渡すが姿がない




『し、新八!!!』

「ぷはっ!」




私より少し離れた所で顔を出した新八。よ、よかった…




「あ、名前!大丈夫!?」

『うん、なんとかっ…!?』




スクロールで向かってくる新八。本当に水泳得意なんだ…、速いし




『新八?』

「名前…!」

『?』

「良かった…!!」




私の所まで来ると、すごい勢いで抱き締めてきた。これはヤバイ…!!




『………』

「…戻ろっか」

『…と、突然すぎて体が動かない…』

「うっ…」







――――グイッ



『!?』

「悪いけど、少し我慢してね…」

『うん…』




新八の肩に私の右腕をまわして、そのまま手首を掴み、新八は私の腰に腕をまわした。
私達の距離が更に近くなる









***



砂浜へとたどり着いた私達。私はその場に座ると、新八も私の隣に座った。




「はぁー、ビックリした…」

『ねぇ…』

「名前大丈夫?」

『うーん、大丈夫といえば大丈夫なんだけど、大丈夫じゃないといえば大丈夫じゃない…』

「…何それ」




だって、波が来て新八の姿が見えなくなってすごく怖かったけど、新八が見つかって私を強く抱き締めてくれたのが嬉しくて…
うーん、大丈夫なのかな?




「…ごめんね」

『ん?』

「僕、ちょっとはしゃぎすぎたね…」

『そんな事ないよ?私すごく楽しかったもん!』

「でも、結局名前が危ない目にあって…」

『でも楽しかった!それに、危ない目にあったのはお互い様じゃない?』

「…そっか」

『うん』

「ありがとう名前」

『そ、そんな…』

「江戸に帰っても僕に会いに来てよ。…さ、寂しいから」

『…っ!わ、わかった!会いに行く!!』

「好きだよ名前」




真っ赤な顔して「寂しい」とか言わないでよ…。可愛いすぎるんだから…。
それに突然「好きだよ」って言われて驚いたけど、私もちゃんと応えた




『わ、私も好きだよ新八…』






海でつったら危ない
(新八ー!遊びに来たー
(あれ?今日お仕事は?
(副長が休みにしてくれた
(じゃあ、今日はたくさん遊べるね
(うん!

(名前のヤロォ…!総悟の真似してサボりやがって!!帰ってきたら叩きのめしてやる!



20130527

- back -


[prev] | [next]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -