いじめダメ。絶対



『せーんーぱい♪』




私は、銀魂高校の裏にある小さい倉庫の中で、パイプ椅子に座っているある人の腕に絡みついている。





「………」

『何してほしいですか?』

「…毎日言うが、そーゆーのいらねぇ」




彼は私の1つ上の先輩で、“高杉晋助”という。その見た目と荒々しい態度+不良なので学校の皆に怖がられている。
私は怖いと思わない




『じゃあ、どーすれば?』

「おとなしく自分の教室に帰りやがれ」

『え、いやだ!!先輩とクラスすごく遠いし!』

「いーから帰れ」

『…はーい』




このままだと怒られるかもしれないので、仕方ないと、おとなしく帰ろうとした時だった。
突然高杉さんに腕を掴まれた。もしかして、鬱陶しいから殴られたりする…?




『な、なんですか…?素直に帰りますから…だから…殴るのだけはっ…!』




そう思うとすごく怖くなった。先輩も私を殴るんじゃないかと…




「…殴らねぇよ、帰れ」




先輩は、あっさり手を離してくれたけど、やっぱり怖くて、私はその場を走り去った







――――ガシャン



「晋助様、1年の子に懐かれてますっスね〜」

「…みてーだな」

「晋助は、人気者でござるからな」

「…そんなんじゃねーよ」

「晋助様あの子になにかしたんスか?」

「何もしてねぇけど」

「晋助は不良にからまれている名前を1人で助けたんでござる」

「晋助様それはちょーかっこいいっス!そりゃ懐かれますよ!…って“名前”って誰っスか?」

「あの1ね「今さっき来てた奴だ」

「「………」」




2人は目を点にしながら、高杉の顔をじっと見た




「…なんだよ」

「晋助様、人の事紹介できるんスね…」

「本当でござる、いつも人任せでござるからなぁ」

「うるせー、俺は帰る」

「し、晋助様ぁ!待って下さいっス!」




高杉がパイプ椅子から立ち上がり、扉の方に向かうと、万斉が高杉にある疑問をぶつけた




「しかし、晋助みたか?名前の腕…」

「…あぁ」

「包帯で隠してるつもりだろうと思うっスけど…、痣だらけだったっスね…」

「そーだな」







***



『うーん、教室に入るべきか迷う…』




“自分の教室に帰れ”


さっき、高杉先輩が言っていた言葉が頭によぎる。
少し鬱陶しかったかな…?




『やだなぁ…』




でも、素直に言う事を聞かないと高杉先輩に嫌われちゃう…。
きっとこのクラスの人達のようにね…







――――ガラガラ



「うわっ!来たよ!」

「近寄んなっ!」




だから嫌なんだ。毎日毎日私を殴ったり…
自分の机に目を向けると、酷い言葉がたくさん書いてあった。
まったく、私にどうしろって言うんだ




「高杉とかキモー!」

『はぁ!?呼び捨てにしないでよっ!つーかこんな事するアンタ達の方がキモいんだよ!!』

「うるせーな!!」




クラスの男子が私を押し、ドアの方に倒れそうになったが、丁度ドアが開き人に支えられた




『ご、ごめんなさい!!大丈夫です…………か…』




顔を見なくったって、クラスのみんなが青ざめているのがわかった。
なぜなら、私を支えてくれている人はさっき話題に出た“高杉晋助”だったから




「…大丈夫か?」

『た、高杉先輩…?えっ?なんで、ここに…』




先輩が私の机に目をやる




「やっぱりな、ひでぇなこりゃ…」

『あっ…!』

「…名前、待ってろ…。すぐ戻る」




そう言うと、先輩は私の頭を撫でた。
少しの間だけ撫でると教室に入り、ドアを閉めて鍵をかけた




『高杉先輩に、初めて名前で呼ばれた…//』

「なんだかんだ言っても仲間が大事なんスよねー」

『また子先輩…』

「まぁ、そこが晋助のいーとろでござる」

『万斉先輩まで…、なんでここに…?』

「主の腕を見ればすぐにわかったでござる。クラスの一部から酷い暴力をうけていたんでござるな…」

『…っ』

「女の子相手にアザをつけるなんて酷い奴らっす!」




…先輩達がいてくれて本当に良かった。
私1人だったらずっといじめられていたかもしれない







***



しばらくすると、先輩が出てきた。教室を見ると私を押した男子が倒れていた




「こいつだけは許せなかったんでな…」

『先輩…』




高杉は微笑みながら名前の頭を優しく撫でた




「「(晋助/晋助様ってあんなに優しい顔で人に微笑むんだ…)」」





いじめダメ。絶対
(先輩、教室で何をしたんですか?
(…「名前は俺の仲間だ。俺の許可なく触った奴ぁ許さねぇ」って言って殴ってきた
(私…か、彼女みたい//
(チッ、バカかテメェ…//
((うわ、デレた…



end.

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