男姿より女がいい!






『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!』










今日は朝から名前の叫び声が聞こえた。(名前とは俺の彼女で、万事屋に住み込みだ…。)
彼女に何かあったのかと思い、洗面所へと向かった。扉を開けるとそこにいたのは…




「………」

『ぎ、銀時ぃ…』

「…え?おたく誰?」

『名前だよ!!!』




俺の目の前にいるのは、いつもより髪の毛が短く、胸が小さくなってるってかナイ?

え?ってか…美少年…?




「え?すいません。俺に美少年の友達はいないです」




扉を閉めて、いったん落ち着こうと思ったんだが、美少年に阻止されてしまった




『私だよ!!名前だってっ!!!』

「…俺の好きなものは?」

『いちごオレとジャンプ。私と出会ってからは、いちごオレよりもジャンプよりも私だよね!?私をいじめる事でしょ!?』

「…あたり」




じゃあ、やっぱりこの美少年は名前なのか…?
(ってか、男にいじめる事とか言われるとちょっと…)




『うぇ…、っ…』

「わ、わかった!わかったから!!泣くな名前!」

『だって…!男って!!私の胸がー!!!股に変なのついちゃったぁぁあ!!!』

「もう黙れ!!!!」









***



『とりあえず…、新八の袴かりたけど…サイズ的にはピッタリかも』

「………」

『どう銀時!似合う?』

「あ、あぁ…」




なんだこの美少年…、すげー可愛いな
あ、いや、別にそっち方面には行かねぇようにするけど…




『ねぇ、外歩きたい!』

「え?」

『ねっ!いいでしょ?』




半ば強引に腕を引っ張られ、外へと出てきた俺達。ちょうどお腹が空いてたのもあってレストランへと向かった




「いらっしゃいませー…」




あ、ら…?
店員さん名前を見て顔を赤らめてるんですけど!?
こ、これはどういう…!?




「あ、あの…!」

『ん?…あ、2人です』

「こ、こちらです!」




外に出た時、名前には男のフリしろって言ったけど…、そのスマイルはダメだろ!俺も今トキメイたぞ!!

店員に席を案内された所に座る。…いやー、みんなこっち見ないで!銀さんがみじめになる!!




『銀時はいちごパフェでいいだろ?』

「うん…」

『すみませーん!』

「は〜い!」

『いちごパフェと僕はチョコレートパフェをお願いします!』

「し、少々お待ちください」




は、はんぱねぇな…。
美少年って恐ろしい、おじさんもう怖いよ…




『………』

「………」

「あれ?旦那じゃねぇですかィ」

「お、沖田くん?」

『!?』




さ、最悪な時に最悪な奴と会っちまったー!!
どうか名前に気づきませんように…!




「…旦那、誰ですかィ?コイツ…」

「あぁ、えーと…」

『こんにちは、僕は名乗るほどの者ではないですよ。しいと言えば、銀さんの友達です!』

「へぇー、じゃあ…ポチって呼びまさァ」

「おい、犬じゃねーぞ。つかどうしてその流れになった」




沖田くんは名前と気づかずに、仲よさげに話している。一応安心した…。
そのまま沖田くんは名前の隣に座った。居座る気?
なんか…、美少年と美少年って絵になるもんだな




「ポチ、土方さんは好きですかィ?」

『アイツだろ?好きじゃないな…』

「じゃあ一緒に暗殺しやせんか?」

『おっ、それいい』

「よし、行くぞ。旦那も行きやしょう」

「うん、待って。パフェ食べてからね」









***



「ったく…、ふざけんなよテメェら!!」




正座をさせられている俺と名前と沖田くん。
何故かというと、沖田くんと名前は多串くんを暗殺しようとしに屯所に来た。寝ている多串くんにバズーカを一発。
見事にヒットされた多串くんは激怒した。

あ、メロスは激怒した、みたいじゃん今の!




「総悟、誰だコイツ」

「ポチでさァ」

「だから誰だよ」

『ポチです』

「………」




まったく…、名前は男になってるってーのによ、全然ショック受けてねぇじゃねぇか!!最初だけじゃん!ショック受けてんの!!つか逆に楽しんじゃってるよ!!




「なぁ、多串くんに沖田くん。コイツと2人にさせてくんない?話あるから」

「あ?別にいいけど」

「へい」




気持ち悪いくらい素直に出ていってくれた2人。
部屋には俺と名前の2人




「なぁ、名前」

『ん?』

「楽しいか?」

『うん、意外と楽しい』

「そっか…」




それは、女よりも楽しいって事なのか?…その姿じゃ俺と付き合えないんだぞ?




「…じゃあ、別れるか」

『え?』

「俺は男と付き合う趣味ねぇからよ」

『え、や、やだ!!』




俺に向かってそう叫んだ。
これはお前が…




「お前が望んだんだ」

『嫌っ!!私、銀時と別れるのだけは嫌だ!!!』




名前は俺の隣から目の前に座り直した。そして、俺の着物を引っ張った。
…これはこれですごい嬉しい




「じゃあ名前は女に戻りたいのか?」

『戻りたい!銀時と手繋ぎたいし抱きしめたい!キスだってしたい!!』




可愛いな…
でも、いったいどうしたら戻れるんだろう




『ご、めんね…』

「俺も悪かった」




俺は泣いてる名前を抱き寄せ、頭を2、3回ポンポンした。
あと仲直りのキスという事で、男の姿だけど関係なく名前の頬に手をそえて唇にそっとキスをする。

すると名前が眩しい光につつまれた――




「うわっ!!」

『な、なにっ!?』




強い光に目をギュッと閉じた。暫くすると光が弱まり、目が開けられるようになった




「…名前?」

『…銀、時?』




俺の腕の中にいるのは、髪の毛が長く、胸があり、女の姿をした名前がいた




『戻った…』

「名前!」




俺はさらに強く抱き締める




『こ、これで銀時と別れなくてすむ…』

「…やっぱお前は女の方が可愛いわ」

『銀時…』

「愛してる」

『私も』




今度は女の姿をした名前の唇にキスを落とした。





男姿より女がいい!
(あれって名前だったんですかィ
(へぇ…、男になると美少年になるんだな
(つか、ここ屯所なんですけどねィ
(帰ってからやれよな…
(一瞬ホモになったぜィ…



20130427

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