『トシ、今日くらいは仕事しなくてもいいでしょ?』 「なに言ってやがる。こんな山盛りに書類があんだよ。今日中に終わらせねぇと…ったく、フォローしきれねぇよ」 なんで今日に限ってこんなに山盛りにあるんだろ… 今日はトシの誕生日、一緒に遊びに行きたい。私は非番だから大丈夫なんだけど… 『今日くらい大丈夫だって…ね?』 「ダメだ。絶対今日中に終わらせる」 なんでこんなにも頑固なんだよ!殺すぞっ!! …つか眉間にシワが寄りすぎてこっちが殺す前に殺される感じがする!! 冗談はここまでにして、どうしよ…。なんて言ったら書類から手を離してくれるかな? ……あ、そうだ! 『トシー、私が銀さんの所に行くって言ったら書類から手を離してくれる?』 「………」 お、書類を書いているトシの手がピタッと止まった。 …けど、なんか顔怖い? 『………』 「…チッ、勝手に行け」 『え?』 「俺は絶対に今日終わらせる。名前の相手は出来ねぇから、万事屋の所にでもどこでも行け」 『そ、んな…』 …なんでそんな事言うの? 私はただ…、いつも一緒は無理だから今日だけでも一緒に過ごしたかっただけなのに。 トシは私の事はどうでもいいと? 『…銀さんの所になんか行くかバァァァァカ!!』 私は勢いよくトシの部屋から出ていった。それで、総悟がいるであろう場所まで走った 『お兄ぢゃーん!!!』 ―――スパンッ! 「名前、どうしたんでィ」 やっぱり近藤さんの部屋にいたか…!我ながらすごいぞ!やっぱり兄妹愛だよね!! 私はそのまま総悟に飛びついた。総悟もテレビを見ながら私の背中に腕を回してくれた。私はスッポリ総悟の中に入ってる状態 『わ、私はね、ただトシに、今日は休んでほしかっただけなのにぃ!!』 「はいはい、わかった。名前は悪くない。悪いのはマヨラーでィ」 「(仲の良い兄妹だ…)」 総悟は私の頭をポンポンしてくれたり、背中を擦ってくれた 「今日は野郎の誕生日で、一緒に過ごしたかっただけなんですよねィ。泣くな、俺がいまさァ」 『そ、うごぉ…』 なんて優しいんだろう。 私、総悟の妹でよかった…家族でよかった… ―――スパンッ! 「おい!万事屋の所には行かねぇのに総悟の所には行くのか!?」 『「!?」』 「まぁ、俺ァお兄ちゃんですからねィ」 すごい勢いで襖を開けるトシ。っていうかさっきより顔怖いっ!! 顔は少しトシに向けたまま、総悟にギュッとしがみつく 『………』 「…お前の事が気になって気になって、全然書類片付かねぇよ」 「おや土方さん、名前のせいにしちゃいけませんぜ」 『………』 「と、とにかく!こっちに来い!!」 『や、やだー!!絶対に怒ってるもん!!』 「怒ってねぇ!!!」 『怒ってるじゃんか!!』 ―――グイッ 『ニャッ!!』 トシは私の腕を強引に掴んで、そのまま歩きだした。 『いやぁぁぁぁあ!!助けて総悟!!!』 「頑張れィ」 *** 「で、俺にどうしろと?」 『…えっと』 腕を掴まれてトシの部屋まで連れてこられたのはいいが、今更なんて言えば… 「俺にどうしてほしい?」 『…今日くらいは、一緒に過ごしたい、です…』 「わかったよ」 『え?』 「今日は俺の誕生日なんだろ?…だったらプレゼントは名前がいいな」 は、初めてみた…。トシの子どもらしい笑顔… か、可愛い…!今すごいキュンときた!! 『うん。私、トシの傍にずっといる!』 「おう」 子どもらしい笑顔 (へっ、土方さん気持ち悪ィな… 20130505 [prev] | [next] |