殺人容疑で逮捕




町を歩いていると、突然後ろから誰かに腕を掴まれた。振り返ると…、可愛い顔をした男の子が私の腕を掴んでいた




「御用改めでさァ」

『…は?』




誰?可愛らしい顔してますけど…、その服は警察ですよね?警察の方が私に何か?「御用改めて」って何?




「逮捕ですぜィ」

『な、なんでぇぇえ!?』







―――ガチャン



なぜか手錠をされました…




「殺人容疑で逮捕でさァ」

『いやいや!!アンタ何か間違ってます!!私は殺人なんてしてませんよ!!!』

「犯人はだいたいそんな事言って逃げまさァ」

『いやマジマジ!!』

「とにかく、真選組に来なせェ。カツ丼食わしてやらァ」




どうして!?なんでぇぇぇぇぇええ!!!!!!意味わかんない!!









***



「本当にすまない!!」

『い、いえ。疑いがはれたのなら…』




私が逮捕され、事情聴取していた時に、瞳孔開きっぱなしの男の人が入ってきて「犯人は見つかった。お前は誤認逮捕だ」と告げられた。
当たり前じゃないか、何もしてないもの!!




「間違えて捕まえられるような事したアンタが悪いんですぜィ?」

『あぁ!?』




勝手にアンタが捕まえたんだろーが!!!




「やめろ総悟!!…本当にすいません!」

『いえ、私はゴリラに謝ってほしくないです。私を逮捕した人に謝ってほしいですね』

「え、ゴリラ?」




奴を指さしたが、変なアイマスクをつけて居眠りをしていた




『このガキ…!』

「あわわわ…!総悟!!起きなさい!!」

「なんでィ」

『“なんでィ”じゃねぇよ!!そんなに私とやりたいかっ!!』

「そういう性的なモンはお断りでさァ」

『だれも性的な事言ってねぇよっ!!!殴り合うかっていってんの!!!』

「あまり、顔くずしたくないんで…」

『ナルシストかっ!!』




あーだこーだ言ってる間に真剣で勝負する事になった。私と奴の周りにはたくさんの男




『本気で行くからね』

「じゃあ俺も」




2人とも鞘からゆっくり刀を抜いた




『苗字名前』

「沖田総悟」

『「いざ、尋常に勝負!!!!』」









***



『ふんっ!!』

「へぇ、なかなかでさァ」




これは驚いた…。真選組の中でも誰よりも腕がたつ総悟が押され気味にある…。女なのになかなかの腕前だ…




『謝って!』

「またそれですかィ…!」

『絶対に許さないんだからア!!』








―――ボォォォオン!!



「うるっせぇんだよテメェらっ!!!!」




瞳孔開いているヤツが、こちらにバズーカを向けて撃ってきた。









***



『ホント今日はあり得ない日だ…』

「その…、今日はすいやせんでした」

『え?』

「…チッ」




まさか謝ってくれるとは思わなかった…







―――チュッ



『は…?』




奴に舌打ちされて、怒鳴ろうと思ったら可愛い顔が近くにあって、次の瞬間、唇に柔らかいものがあたった




『…なっ!?』

「一目惚れでさァ…」




彼をじーーっと見ていたら、そっぽを向いてぶっきらぼうに顔だけ赤くしてそう言った




『…か、可愛い』

「やめろィ」




1年前、沖田くんが街中で私を見つけて一目惚れしたんだって。
それで、今日勇気を出して私に話しかけたらしい…。それにしても、話しかけるのが「殺人容疑で逮捕」って、不器用な人だよね…

可愛いけど





殺人容疑で逮捕
(意外とウブ?
(うるせぇやい!
(可愛いね、沖田くん
(嬉しくねぇ
(ふふ、可愛い
(………
(総悟が別の意味でも押されている…



20130415

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