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今日という日のイベントは嫌い。
チョコは上手く作れないし、好きな人はモテモテでチョコをたくさん貰ってるし…




「「「沖田先輩!!」」」

「?」

「「「チョコレート!受け取ってください」」」




この女子のチョコを受け取る私の好きな人も、この時だけはすごく嫌いになる




「ありがとうごぜーやす」




総悟くんが笑顔で女の子達のチョコを受け取ると、彼女らはキャーキャー言いながら走り去っていった。
うるさい、もっと静かにしてよ…




『…モテモテですね』

「そーですねィ…」

『嬉しくないんですか?』

「嬉しくねぇ」




そんな大きい袋2個ともパンパンになるくらいチョコを貰っているのに嬉しくないなんて贅沢だ




『なんでですか?』

「好きな奴からチョコ貰えてないから?」

『好きな、奴…?』

「…あぁ、とても大好きな奴でさァ」

『………』




そっか…
総悟くん好きな人いたんだ…
そりゃ私の1つ上だもんね、クラスにいたりするよ




『…ちなみに誰ですか?』

「…うるせぇ」

『なんでですか!気になりますよ!!』

「名前がねぇ…。あ、お前、鏡でも見てきなせぇ。顔にゴミがついてらァ」

『え!?うそっ!!』

「待っててやるから」

『すいません!!』




私は急いでトイレに駆け込んだ。
ってか、総悟くんはなんで私と一緒に帰ってくれるんだろう…。家が近いから?


まぁ、嬉しいけどさ!




『んー?顔にゴミなんてついてないよ…?』




走った時にとれたのかな?

私は総悟くんが待っている場所へと向かった




『なんか、ゴミ取れたみたいです』

「…はぁ」

『なんでため息?』

「鈍いですねィ」

『え?ドジだとはよく言われます』

「………」




なぜか、突然総悟くんがその場で立ち止まった。
帰らないのかな?




『?』

「名前、俺ァ昔からお前の親に“名前と一緒に帰ってきて”と命令されやした」

『えっ?』

「俺が引き受けた理由は2つでィ。1つは、名前は野郎共にモテるから、近づかせない為」




い、いきなり何…?
全然話がわからないんだけど…。
というか、私がいつモテましたか?




「2つは、…名前が好きだからでさァ」

『へ?』

「つまり、俺は名前のチョコが欲しいって言ってるんでィ!!」

『えぇぇぇえ!』

「大きい声出さねぇでくだせぇよ、びっくりするじゃねぇですかィ」

『だ、だって…!総悟くんが…!す、すすすす、すきなんて…!』

「チョコくれますよねィ」

『は、はい…』




夜、お母さんに「総悟くん家に泊まる」といったらあっさりOKしてくれた。
ついでに彼の家の台所でチョコを作っていたら総悟くんにちょっかいを出された




「今日、俺が女子達にチョコ貰ってるの見て嫉妬しやしたか?」

『当たり前じゃないですか』




総悟くんが後ろから抱きついてきたり、私の首に顔をうずめてきたりしたところを彼のお姉さんに見られてしまいました…





人気者
(そ、そーちゃん!?あら…名前ちゃん?
(お、お姉ちゃん!?
(お邪魔してます…
(いいのよ、ゆっくりしてちょーだいね
(は、はい!!
(お姉ちゃん、コイツは俺の彼女になりやした。苗字名前でさァ
(まぁ!



20130214

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