かぼちゃ



『ねぇ沖田隊長。いつまでこのカボチャの中身くりぬくんですか?』

「さぁ」

『「さぁ」って…、副長に何も聞いてないんですか?』

「…俺達以外誰も知らねーぜ?ハロウィンやる事」

『だって私は副長から言われましたよ…』

「…アイツ」




俺達は今部屋で、頑張ってスプーンでカボチャの中身をくりぬいている。隣に居るのは名前といって一番隊の隊員。真選組で唯一の女




『副長は何を企んでいるのでしょうか…?』

「…さぁ」

『また「さぁ」ですか』




アイツ、土方は俺の好きな奴が名前って事をきっと知ってるんでさァ。
それで俺の計画してたハロウィンは土方にバレてて、名前にカボチャの中身をくりぬけって言ったんだろう。土方は俺と名前を2人きりにする為に命令したんだ




「…マジあいつマヨネーズの食い過ぎで喉に詰まって窒息死しねーかな」

『マヨネーズで窒息は難しいかと…』

「つっこむな。くりぬけ」

『はーい』




ったく…、こんな空間耐えられない。俺の心臓がすげー速さでドクドク言ってる。死ぬのか?俺死ぬのか?
俺は俯いて、自分の胸に手をあてた




『…おーきーたーたーいーちょー。大丈夫ですか?』

「!?」




すると名前を呼ばれ、顔を上げると名前の顔が目の前にあった。
ビックリして手に持っていたカボチャを名前にかぶせてしまった




『なっ!』

「あ…」

『な、なにするんですか!なにも見えない…』

「…ププ」

『ちょっ…!笑わないで下さい!』

「すまねーすまねーww今取ってやるからじっとしてろィ」

『…もう』




俺はカボチャに触れる。ふと思った。…名前からは俺の顔は見えない。だったらキスしても見えないはず…


カボチャ越しのキスか…




「取るから目つむれ」

『はーい』







――――チュッ



『…沖田隊長?あのーまだですか?』

「………」

『沖田隊長?居ます?』

「と、取ってやるから、取ったら俺の顔見んなよ」

『…なんでですか?』

「いいから絶対っ!約束しねぇと取らねぇ!!」

『え、約束しますから取ってください!!!』




今度は、カボチャ越しじゃなくてちゃんとキスしてーな





かぼちゃ
(ハッピーハローウィン!
(騒ぎすぎでさァ
(総悟、キスすんならカボチャ越しはねぇよな?
(ひ、土方さん!?アンタ見てたんですかィ…?
(バッチリと
(―〜っ!!死ね土方コノヤロー!



20120922

- back -


[prev] | [next]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -