クローバー



「おい」

『…ん?』

「お前その傷どーした」

『…別に』

「別にじゃねぇだろ。どーしたって聞いてんだから答えろよ」

『ぎ、銀ちゃんに関係ない』

「はぁ…(またこれか…)」

『銀ちゃんおやすみ!』

「あ、あぁ…」




名前は万事屋銀ちゃんのタダで雇っている。
いや、最初に会った時はビックリしたよ?万事屋の玄関の前で血まみれでぶっ倒れてやんの。
そんな状態でよく階段登れたもんだよなー
俺にゃ、どうもわからない。
彼女は腰に刀をさしていたんだ。廃刀令のご時世に物騒なモン持ち歩いてるから真選組のヤツかと思えば、全然関係はなかったり


まぁ、この際それはいいんだけどさ…
アイツ最近小さなケガして帰ってくるんだよな。
いやいや、銀さん全然気にしてないけど、別に心配もしてねぇよ?
でも、どこで何してるのか気になってだな…



















「あとをつけてみました」

「銀さん?1人で何言ってるんですか?」

「うるせぇ新八」

「ちょっと黙ってろヨ。ダメガネ」

「ダメガネって言うな!」

「バッカうるせぇ!!名前に見つかんだろーがっ!!!」

「「お前がな」」




そう、俺たちは木の陰に隠れて土手に座ってる名前を見ている。
新八も神楽も気になっていたらしい




「アイツさっきから土手で何してんだ?ソワソワしやがって……ウンコか?」







――――ボカッ!



「いでっ!」

「レディに何て事言うネ。これだから銀ちゃんはモテないアル。デリカシーが無さ過ぎヨ」

「そ、そうだったの!?」

「もう、うるさいですよ」

「「お前がな」」

「僕何も言ってねーよ!」

「今言ってんじゃねーか」

「そうアル。黙れヨ」

「くそ…!ムカつくっ…!」

「あ、名前が誰か見つけたみたいアル」

「「どれ?」」




神楽が何か異変に気づき指をさす。新八と俺は神楽が指をさしている方へと目を向ける


するとそこには…





『総悟!』

「名前?」


「おい、よりによって沖田くんが来ちまったよ」

「あのヤロォォオ…!!名前に近づくんじゃねぇヨ…!!」

「か、神楽ちゃん!?落ち着いて!!ここでバレると今までのがパーだから!!」

「“パー”なんて知らないネ!“パー”なら銀ちゃんに任せとけばいいアル!」

「かぁぐらぁぁぁあ!!!それは俺の髪が“パー”だって言いてぇのかぁぁぁあ!!」

「ついでに脳ミソも付け足しとくネ!!!」

「落ち着いてよ!もう!」









***



‐土手にいる2人‐



『久しぶりだね総悟っ!!かれこれ10年も会ってないよね!?うわうわぁ!大きくなってる!!』

「あぁ、最近忙しくて名前に会えやしねぇ」

『あはは!…総悟ー、アンタ真面目働いてんの?』

「当たり前だろィ、こー見えても真選組の副長でさァ」

『お、おぉ…、なかなか頑張ってるじゃん』

「名前、抱きつかせろィ」




総悟は小さい頃から、悲しい事があると私に抱きつく癖がある。
でも、今は大人であって…、恥ずかしいんですけど…




『な、何言ってんの!毎回言うけどさっ!そういうのはミツバちゃんに言いなさい!』

「………」




そう言えば、総悟の顔はみるみる悲しい表情になっていく




「…姉上はもうこの世界にはいねぇ」

『え…』







――――ギュッ



「名前…、寂しかった…悲しかった…。姉上の事、連絡しなくて悪かった…」

『そ、総悟…、嘘でしょ…?ミツバちゃんが、いないなんて…』

「ごめん…!」

『うぅー、連絡してよぉー…!!』

「…名前、ごめっ…!」





‐木の陰の3人‐



「あいつ、いつの間に沖田くんと仲良く…?」

「あっ!!名前が照れてるアル」

「名前さん、どうしたんだろう…」




……………。



「「「なっ!」」」




沖田くんと名前が…だ、抱き合ってる!?




「おいおいおい…、名前と沖田くんってそーいう仲なの…!?」

「許さないネ!!」

「あ、ちょっとどこ行くの!2人とも!」









***



「おい!!」

「『!』」

「名前そいつから離れるアル!!」

『か…ぐら、ちゃん?』

「旦那達…、覗き見はいただけねぇや…」

「名前さんと沖田さん…、もしかして泣いてましたか?目が真っ赤です…」

「「え?」」

「…るせぇ」

『みんな、何でここに?』

「俺らはお前達の交際を認めるわけにはいかねぇんだ!」









***



『あははははは!!』

「名前……ププ…笑いすぎ………ププ…でさァ」

『だって…私達が“恋人”ってあははははは!!』

「「「……」」」




笑いをとめた名前が正座をしている俺達の目の前まで歩いてきた。
すると、名前はその場に座り込んだ




『銀ちゃん、見て?』

「んぁ?」

『ほら、四つ葉のクローバーだよ』

「あぁ…」

『私達の事みたいだね』

「「「名前(さん)…」」」

『あのね、四つ葉を探しててケガとか作っちゃったの。心配かけてごめん』

「いや、いいよ別に…」




その光景をみていた沖田はちょっと不機嫌になった。




「…名前、万事屋じゃなくて真選組に来なせぇ」

『…ありがとう。でも、ごめんね。たとえ弟の頼みでも聞けない。私は万事屋にいたいの、でも私に会いたくなったらいつでも来ていいからね』

「…うん」


「「「弟?」」」

「…そうでさァ、名前は俺のお姉ちゃんですぜ?」

『あ、沖田名前です。苗字言ってなかったね』

「「「えぇぇえ!!」」」




万事屋3人は、2人を交互に見て、道を歩いている人が驚くくらい大きいな声で叫んだ




「ど、どーみても名前が妹に見えるアル!!」

『んーまぁ、私19歳で総悟18歳だからたったの1歳差だからね』

「「「はぁぁあ!?」」」





クローバー
(名前、来やした
(はい、ぎゅー
(ぎゅー♪

((いいなぁ…、俺もギューってされたい

(…ニヤッ
(!?



end.

いい話にしたかったけど、無理でっす!!ε=┏( ・_・)┛

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