さわるな



『新八ー!はやくー!』

「はいはい、待ってねー」




私の彼氏は、万事屋眼鏡のツッコミ君。
地味の中の地味――志村新八




『子ども扱いするなー』

「はは、何言ってんの?名前は僕の彼女でしょ」




彼はたまに私をドキドキさせる言葉を放ちます。
心臓に悪いから本当にやめていただきたいです




『新八、好きだよ』

「僕もだよ」




さっ、買い物すませようね
と言って私の手を引いて、お店に入っていく新八。
体型からして見えないけど、新八の手は結構男の手って感じで大きかった。
私は新八の温もりがこの世で一番大好き









***



「名前、お会計してくるから先に外で待ってて」

『らじゃー』




新八の言うとおりに従い、大江戸スーパーの出入口付近で新八を待つ事にした







―――――――







―――――




『ふわぁ…』




ちょっと新八遅くない?会計するだけなのに何してるんだろう…




『心配になってきたから戻ろ…』




新八の様子を見に行こうと、その場を離れようとした時だった…




「ねーちゃん」

『ん?』




私はこの時、振り向かなきゃ良かったと後々すごく後悔した…




「俺達、超寂しいのよ」




こ、これはナンパだ…!
どうしよう、私今人生初のナンパをされている!
でも、私には心に決めた人がいて…




『………』

「無視なの?ねーちゃんが慰めてくんない?」

『じゃあ、…サヨウナラ』




男4人…
無理無理無理、それより新八が心配…。
私はその場を後にしようと歩き出した。







――――ガシッ



「逃げるこたねぇだろ」

『離し…んぐっ!』




私の後ろに立っていた男が新八よりも大きな気持ち悪い手で私の口を塞いできた




「よし、つれてけ」

『んー!!!』




き、気持ち悪い…!!
そうだ…!私、新八と銀さん以外の男に触られるのダメだったんだ…!!新八助けて!!!
ってか買った物を袋に入れるだけなのに何分かかってんだよ!!バカヤロー!!!!

もう、吐きそう…
あれ?コイツら知らない人達だから吐いてもいいんじゃね?
我慢の限界…




「おい…、テメェら…!」

「あぁ?」







――――ドカッ!!



「ぐはっ!!」

「なに俺の彼女に手ぇ出してんだ?あぁ゙!?死にたいの?」

『うげぇぇ…』

「「「「!?」」」」

「名前大丈夫!?」




え?新八…?
居るなら居るって言ってよ!!吐いちゃったじゃん!




『う、うぇぇぇえん!』

「泣かないで、吐くのは全然悪い事じゃないから。悪いのは、男嫌いな名前に触ったアイツ等だから」




新八、貴方はなんて優しい人なんだ…。優しすぎて逆に涙が出てくるよ




「きったねぇ!!!」

「「「うわぁぁあ!」」」




男達は、私のゲロ+キレた新八にビビって逃げて行った。
ただ1人、私の口に手を覆っていたある意味被害者の男が逃げ遅れた。手を見て唖然としている




『ふぇ…』

「名前によくも汚ねぇ手で…、ブッ殺すぞ?」

「ご、ごめんなさーい!」




新八のあまりの怖さに男は去っていった。「汚ねぇ手で」ってか汚なくしたの私なんだけどね…




『し、新八……こ、怖かったぁぁぁあ!』

「よしよし、ごめんね。僕が先に外で待っててなんて言ったから…」




新八は私が泣き止むまで頭を撫でてくれた。




『新八は…、悪くないよ…。私が無視すればよかっただけだから…』

「ありがとう」




優しい微笑みで、私の頭を撫でてくる新八




『子供扱い、しないでよ』

「子供扱いはしてないよ。彼女扱いしてます、ずっと」

「名前ー!新八ー!!早く帰ってこいやー!神楽がめっちゃ心配してんぞぉ」




遠くの方で銀さんが私達に向かって手を振っていた




『「銀さん?」』

「名前、おいでー」




手を広げて待っている銀さんに駆け寄ろうとしたら、新八がいきなり後ろから抱きついてきた




『ひぇ!?』

「お?」

「名前にさわるな」

「…新八が怖い…」





さわるな
新八に抱きつかれてる…!し、幸せ!!



end.

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