照れ屋な人





‐真選組屯所‐



「あの、名前くん」

『何でしょう伊東さん』




私は密かにこの人“伊東鴨太郎”に恋をしています。
これを知ってるのは監察の山崎さんだけ




「こ、これから一緒に映画館に行かないか…?」

『え…』




顔を赤くして可愛いなぁ。
…あれ?もしかして、伊東さんにデートに誘われてる?




『い、いーですよ』




可愛いんだけど…
めちゃくちゃ伊東さんの照れ顔可愛い!
局長と副長と総悟にも教えてあげたいくらいだよ!









***



部屋で準備をしていると、外に人影が見えた




「名前くん、いるかね?」

『はい、いますよー』

「私は先に外で待っている。ゆっくり支度するといい」

『了解しました』




これは、記念日になるかもしれないから、すごくオシャレして行かなきゃ…!!











‐数分後‐



うぅ…!
ちょっと張りきりすぎた…待たせすぎた…?きっとさすがに怒っているんだろうな…
早く行かなきゃ…!!




「おや?名前、今からお出かけですかィ?」

「今日は、服がいつもと違うな…」

『総悟に副長…』




土方十四郎は真選組の副長だけど、私には兄貴的な感じかな…。
沖田総悟は1番隊隊長だけど、友達みたいな感じ




「いつもと違うなら、きっと“デート”でさァ」




あっ!こいつ何言ってくれてんの!?空気読めよ!!このドS野郎…!!!




「なに!?そうなのか名前!?」

『うん、そーだよ』

「!」

「お相手は誰ですかィ?」

『伊東鴨太郎』

「ダメだっ!!絶対に許さねぇ!!」

『好きだからいいのー!』




私は、怒っている副長としかめっ面の総悟を無視して外へと出た。
辺りを見回すと、遠くの方に伊東さんが立っていた




『伊東さん!おまたせしました!!待たせてごめんなさいっ!!』

「いや、大丈夫だ。名前くん行こうか」

『はい!』




こうして、伊東さんと映画館に向かっ。途中、伊東さんから
「はぐれたら危ない」との事で手を繋ぎました









***



「名前くんは、何が観たいんだ?」

『やっぱり…、ペドロですかね』

「わかった、買ってくるからここで待っててくれ」

『はい!』




伊東さんは私に待ってるよう言い、ペドロの映画チケットを買いに行った。伊東さんの背中素敵…
(伊東さんがペドロって)




「そこのおねーさん」

『ん?』

「俺らと遊ぼーや」

『はぁ?…ナンパ?』




チャラい男1人が私に話しかけて来たけど、生憎伊東さんと真選組の皆と万事屋以外の男に興味ないんでね




「ノリわりーなぁ」

『私の事軽い女と勘違いしてんじゃねーよ』

「つまんねー女」

ボソッ
『…糞が』

「あ゙?あんまり調子のんなクソアマァ!」




キレた副長に比べたらお前らなんか屁だよ屁!
やってやる…!女だからって真選組をなめんなよ!




『上等…』

「君達、誰の彼女にそんな事を言っている」

「あぁ゙?誰だよあんた」

「ん?失礼、真選組の伊東鴨太郎だ」

「し、しし真選組!?」




真選組と聞いた男は、変な汗をかきながら慌てて帰って行った。
最初から「真選組」って言えばよかったんだ…




「すまない」

『えっ?』

「遠回しに“僕の彼女”と発言をしてしまった…」

『…気にしてないですよ』




遠回しっつかドストレートだよ!?全然遠回しじゃなかった!実は天然なの!?




「そうか、ならいい」




どうせなら…




『その“僕の彼女”って言葉、本物にしてください』

「え?」

『だから、私を貴方の彼女にしてください』

「…っ…」

『ダメですか?伊東さん、私は貴方が…』




「好き」て言おうとした時に、伊東さんの唇が私の唇を塞いだ。
離れる時、ゆっくりだったから余計に恥ずかしかった




「…わかった。特別に僕の彼女にしてあげよう」

『あ、ありがとーございます!!』




相変わらず上から目線だったけど、嬉しかったので関係ないです







――――ズイッ



「………」

『い、伊東さん!?』




また伊東さんの顔が目の前まで近づいてきた
やっぱ近すぎる…!







――――チュッ



今度は一瞬だけ触れるキス




『――っ!』

「いつも僕が真っ赤にされてるので、そのお返しだ」

『うぅ―…』





照れ屋な人
(僕も名前が好きだ
(よ、呼び捨て…
(…実は名前も赤くなりやすいのか?
(ふぇ…



end.

- back -


[prev] | [next]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -