ごめんなさい


「君達いい?。そこの2人はね、僕の大切な妹と、妹の大切な友達なんだよ。今すぐ離れてくれなきゃ怒るからね?」




私達を助けに来てくれたのは、れいちゃんだった…。
一瞬トキヤと思った自分が恥ずかしい。




『れい、ちゃん…』

「寿先輩…」

「なんだテメェ」

「妹とか友達だからとか知らないけどさ、邪魔しないでよオジサン」

「オジサンは帰った帰ったー」




あ、れいちゃんのオーラが黒くなった…。
あれは本気で怒っている証拠ですね…




「今…、オジサンって言った人だーれ?」

「「俺」」

「あっそ〜、あんまオジサン馬鹿にしてると、痛い目みちゃうよ☆」




うわぁ…
あんな表情見たの中学生以来だ…。こわっ!
笑ってんのに、目は笑ってないあの顔。ダークれいちゃん降臨されました




「はぁ?意味わかんねぇ」

「オジサンも俺達馬鹿にすんなよ?」

「こっちは、アンタの妹とその友達がいるからね?一歩でも動いてみ?ボロボロになるよ?」

「名前に手はっ…!」

『は、離せっ…!』

「絶対に動かないよ。…僕はね☆」




その言葉と共に、私達の周りを囲んできたのは大勢の警察官だった。




「「「「『え?』」」」」

「ただちにその子達から離れなさいっ!!」

「「「………」」」




警察官の言葉で、私と音也からゆっくりと離れて行く3人組。
こ、これは驚いた…




『「………」』

「オジサンを馬鹿にしたらダメだからね。君達、わかった?」

「「「…は、はい」」」




そのまま3人は警察官に連れて行かれた。
私と音也は息をするのも忘れるくらい、突然の出来事に呆然としてた




「…名前!お腹大丈夫!?痛くない!?」

『うん、私は大丈夫。音也は…?』

「俺も大丈夫」




音也が私のところまで、来て心配してくれた。
まだちょっと痛むけど、これくらいは大丈夫




「音也くん、名前やせ我慢してるから」

「…え?」

『!?』

「こう見えて、本当は痛いんだよ。それ、名前の悪い癖だからね?」

「そうなんですか?…なら早く帰らないと」

『うん…』

「ねぇ名前、何か言う事あるでしょ?」

『…え?』




早く寮に帰ろうと立ち上がったら、れいちゃんに呼び止められた。
怒ってる…




「シャイニーさんに一言言って学園を出てきたのは正解。…でもね、こんな夜遅くに男の子と2人で捜す事でもないでしょ?なかなか帰ってこない・連絡も寄こさない。みんな2人を心配してたよ?僕の所に連絡が来てね、みんなで捜してたんだ。捜すのに捜される側になってどうするの?」

「………」

『…ごめんなさい』




久しぶりにれいちゃんに怒られた…。
確かに夜遅かったよね…
連絡すればよかった。




「後は?」

『あ、あと…?』

「うん。"ごめんなさい"と後もう1つは?」

『…えっと……』




ど、どうしよう…
なにを言えばいいの?
後もう1つ…?




「助けたでしょ?助けられた時は相手になんて言うの?」

『…ありがとう』

「ん、どーいたしまして」




お礼を言うと、真面目な顔からニッコリ笑顔になって、私の頭を撫でた。




「すっごい心配したんだからね?」

『ごめん、なさい…』

「わかればいいの!…じゃあ3人仲良く帰ろっか♪」

「はい♪」

『うん♪』




この日トキヤは見つからなかったけど、また明日捜せばいいよね…。
どこへ行っちゃったのトキヤ…
早く見つかるといいな…







***



「一十木に名前!!心配したぞっ!!!」

「帰ってこないから、何かあったのかと心配だったんですよ!」

「連絡くらいしてくれないか?」

「どんだけみんな心配したと思ってんだっ!!」

「オトくん!連絡くらい寄こしてちょーだい!!」

「名前!一体何時だと思ってやがんだっ!!」

「『ごめんなさい…』」

「まぁまぁ…」




学園に帰ると、マサ・なっちゃん・レン・翔ちゃん・月宮先生・日向先生に一斉に怒鳴られた。
正座をしている私と音也。




「あ、足が…!」

『痺れ…!』

「「「「「「まだダメ!!」」」」」」

「『ひぇ…!』」

「あ、あははは…」





ごめんなさい
(みなサーン!一ノ瀬サンの居場所がなんとかワカリマシタっ!!
(((((((((ど、どこ!?
(すぐそこのホテルデース
(…さ、捜した意味…
(私達の苦労が…
(((((((………。



20131007

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