ヒーロー登場?
『…って事で、トキヤを捜す許可を下さい!!』

「俺からもお願いしますっ!!」

「…わかりまシータ。実はミーも突然だったのでビックリデース。必ず見つけだしてくださいネッ!」

『「はいっ!!」』




学園長先生に許可を貰った私達は、すぐに学園長室を飛び出した。
音也と2人だけでトキヤが見つかるかどうか心配なんだけど、とにかく手分けして捜す事にした




『トキヤ…!』




トキヤの行きそうな所がわからない…。
昔から一緒にいたのに、トキヤの事何も知らない…。友達面して悪かった…




『トキ…!』

「うわっ!!」

『!?』




角を曲がろうとした時、突然向こうから人が現れてぶつかった。
私達は地面に尻もちをつく




『す、すみません…!』

「いってぇな…。テメェ気をつけて走れよ」

『す、すみません…』

「…あ、いや、俺も悪かったよ」




睨んできたから、怖い人なのかなって思ってたけど、そうでもないらしい。
なんかバンドやってそうな人…、ギターのケース持ってるし




「…んだよ、ジロジロ見んな」

『あ、すみません…!』

「………」

『…なんですか?』

「お前…、誰かに似てるな。誰だったっけ…?」

『わ、私の事はいいです!!本当にすみませんでした…!!』




面倒な事を起こさないよう話をそらし、立ち上がってトキヤを捜しに行こうと、彼の横を通りすぎたら、まだ地面に座っている彼に腕を掴まれた




「…おい」

『は、はい!?』

「俺の事、知ってるか?」

『…バンドの人とか?』

「つまり、知らねぇって事だな?」

『…すみません』

「いや、いい。これから有名になってやるぜ」




そこでやっと彼も立ち上がった




『………』

「これも何かの縁だ。メアド交換するか?…お前を他人だと思えねぇからな」




この人、見た目のわりにはすごいお人好しなのか…?
メアドって…




『…ナンパですか?』

「あぁ?ちげーよ」

『…なら、いいですよ』

「あんがとな。俺は黒崎蘭丸だ!いま仲間とバンドやってんだ、よろしく」

『私は、アイドルを目指してます!寿名前って言います!』




赤外線でメアドを交換した後、黒崎さんは「あっ!」と何かに気づがいたのか、大声を上げた。




『?』

「やっべ!遅刻しちまう…!じゃあ俺行くからよ、気をつけて走れよ名前」

『はい!黒崎さんも!』




背を向けて、私が来た道を走って行った黒崎さん。
これはまた…、意外な人と仲良くなりました…。
黒崎さんいい人。たまに外出るのもいいかも…




『あ、トキヤ捜さなきゃ!!』




私はトキヤ捜しを再開した




















『はぁ、はぁ…』

「名前ー!!見つかったー!?」

『ぜ、全然…!!』

「ごめんね、俺も見つけられなかった…」




音也とは、待ち合わせの公園で合流した。
学園から遠い所もずいぶん捜したのに、全然見つからない。
どこに行ってしまったんだろう…




「もう遅いし…、帰る?」

『…でも、』

「あっれ?」

「可愛い彼女とカッコいい彼氏だね」

「もう夜遅いぜ?」

『「…?」』




私と音也が、帰るか迷っていると、3人のガラの悪い男の人が話をかけてきた。
ベタだ…、ベタ過ぎる…!




「…なんですか?」

『………』




音也は私を背中の方へと隠し、キッと睨みながら3人の方へと向いた。
こんな音也初めて見た…




「イケメンで、カッコいい事するなんて…惚れる」

「彼女可愛い〜」

「家に帰らねぇの?」

「これから帰るんで、退いてください」

『(音也イケメン過ぎる)』

「行くよ名前」




私の手を引いて、立ち去ろうとした時だった。




「ダメだよボクゥ、帰るなんてさ…」

『「!?」』

「俺らと遊ぼーよ♪」

「やめろっ!」

『あ、音也!!』

「君はこっちね♪」

『え!?』




音也は2人の男に地面に押し倒された。1人に馬乗りされてもう1人に腕を掴まれていた。
私の方は、体の大きな男に後ろから腕をガッチリ掴まれていた。




「…っ名前に手は出すなよ!!!」

「うーん、君次第かなぁ」

「とりあえず、そのイケメン顔ムカつくから殴る」

「!?」




な、なんて理由だ…!
不公平だ!その顔で生まれてきちゃったから仕方がないんだよ!!




『お、音也を傷つけたら許さないからっ!!』

「お前は黙っとけ」

『ぐふっ…!』




私を後ろから捕まえている男の人が、前に拳を出して、そのまま私のお腹を目指して拳を振った。
一瞬意識が遠くなった。




「名前に手は出すなって言ったじゃんっ!!」

「…君次第って言ったじゃん?」

「じゃあ殴りまーす」

「!?」

『お、とや…!』

「…っ!」




音也をめがけて、男が殴ろうとした時――





「いい加減にしなさいっ!!!」

「「「「『!?』」」」」





ヒーロー登場?
誰だろう…、暗くて見えない…



20131005

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