私はミューズ…?
『昨日はお疲れ様ー♪ジュースあげるよー♪』
朝、大量の飲み物をビニールに入れて教室に持って来た。それをトキヤの目の前にドンッと置き、3人に話をかけた。
「いらないです」
「わぁ!マジで!?サンキュ〜♪」
「ありがとうレディ」
トキヤ以外はビニールに手を入れ、飲み物を取った
『トキヤも!』
「…いいです」
『はいっ!お茶!!』
私はビニールに入っている飲み物の中からカロリーの少ない飲み物を掴んでトキヤの机に荒々しく置いた。
「…無理矢理ですね」
『いいんだよ。カロリー少ない方がいいでしょ?』
「まぁ…」
「マジでありがとなっ♪今度奢るぜ」
「俺も今度お礼するよ」
『本当に?ありがとう♪』
「ダメです」
この低音ボイスは、トキヤが不機嫌になった証拠。
なんで?不機嫌になるところあった?そんなに飲み物嫌だった!?
「ど、どうしたんだよトキヤ…」
「………」
『ごめん』
「イッチーもしかして嫉」
「ち、ちがいますっ!私は、ただ飲み物を無理矢理押しつけられて…!!」
やっぱそれか…
でも私の無理矢理なんて今に始まった事じゃないよね?トキヤってたまにわからないよ
――――ドドドドドッ!!
「「「『?』」」」
廊下からなんかすごい音が聞こえる。床にひび割れるんじゃないかってくらいやばい
――――ガラッ!
「名前!」
『あ…』
あの人、昨日保健室で会った人だ。えーっと、名前はたしか…
『愛島セシ…』
「名前ー!!ワタシ、貴方に会いたかったです!」
セシルは、教室の扉を開け、私を見つけるとすごい速さで抱きついてきた
『セ、セシル!?//』
「「「!?」」」
「あぁ、貴方はすごくいい匂いがします…」
『えぇ!?//』
「や、やめなさい!!」
トキヤとレンと翔ちゃんは何故か慌てて私からセシルを引き離した
「あぁー!何をするのですっ!!」
「貴方が何をするんですか!!」
『…セシルだよね?』
「はい♪貴方と会うのは昨日ぶりですね♪」
な、なんて笑顔が可愛いんだ!//
まるで子どものようだ。
昨日も思ったけど、翔ちゃんが一番ね
「…寿さん、昨日ぶりとは?」
「なんか、トキヤ怒ってんのか…?」
「おチビちゃん、イッチーは怒っているんじゃなくて羨ましがっているのさ」
「?」
***
「愛島さん…。いつまで寿さんの近くにいるんですか?」
「ずっとです♪」
「「『んなっ!?』」」
ずっとって…、自分の教室に帰らないのかな?
ってかまさか寮にまでついてくるつもりなの!?
「は、早く教室に戻りなさい!」
「いやです!」
「嫌って…、貴方はAクラスでしょう!?」
「名前の傍にいます♪」
セシルに強い力で抱きしめられる。ちょっと近いんだけど…!!
「名前…、ワタシは貴方の曲を聴きました。貴方はもう一人のミューズです」
『…?』
ミ、ミューズ?初めて聞いたんだけど…
「ミューズは、音楽の神が宿るモノ…と言えば伝わりますか?」
『まぁ、なんとなく…』
「もう1人とは?」
トキヤはイライラしているようで、鋭い目つきをセシルに向けて質問した
「春歌です♪」
私はミューズ…?(春歌って…
(((まさか…
20130602