れいちゃんと屋上で昼ご飯


≪お昼の時間になりました〜♪みんなみんなー!お腹ペッコペコでしょ?楽しみのごっ飯だよー♪≫






このアナウンス…、れいちゃんの声がするんだけど…
気のせいだよね…?




『………』




確かめないわけにはいかないよね。仕方なく放送席に行ってみよう




≪みんなのご飯はどんなご飯かな?僕はねー、なんと…!愛おしい妹の手作り弁当なのよん♪≫

『ちょっと待てぇ!!』

≪あ、名前じゃーん♪待ってたよ〜☆≫

『ちょっ、マイクマイク!声入ってるから!!!』

「あ」




れいちゃんはマイクのスイッチをoffにして、私の元へと走ってきた




「お弁当ー♪」

『お弁当って言って来ないでよねー』

「めんごめんご♪」




あ、そうだ…
れいちゃんに話したい事があるんだ。
美風藍さんについて…




『ねぇ、れいちゃん。お弁当食べながら話したい事があるんだけど…』

「んー?いいよ♪」




私は、自分用のお弁当とれいちゃん用のお弁当を持って屋上へと移動した。







***



「いっただっきまーす♪」

『いただきまーす♪』




1つの大きいタッパーに寿弁当自慢の唐揚げがたくさん入っている。




「やっぱ美味い!流石かーちゃんとねーちゃん♪」

『寿弁当の家に生まれて良かった!美味しい♪』

「それで?話って??」

『うん…』




いよいよ本題か…
大丈夫かな?ショック受けたりしないかな…
泣かないかな…




『あ、あのね…、さっき美風藍って人が私の前に現れたの…』

「ん、誰?それ」

『私もわからない。それでね…、その人の顔と声が……如月愛音さんにすごく似てたの…』

「…え?」




れいちゃんは如月愛音さんの名前を聞いた時、驚いて持っていた箸を落としてしまった




「嘘、でしょ?」

『………』




やっぱりショック受けちゃったよね…、古傷えぐってごめんなさい…




「本当に…、美風藍って言ってたの…?愛音じゃ…なくて…?」

『…うん』

「そっか…」

『…性格は、全然別人だったけど』

「………」




あぁ、これ言わない方が良かったのかも…。
すごい気まずい空気になっちゃった




「…なんで、美風藍って人は名前の名前を知ってたんだろうね」

『え?』

「名前…攫われたりしないよね!?ねぇ!?」




ショック受けてると思いきや、私の肩を掴んで揺らすれいちゃん。
でも…、実際はすごい傷ついているんだろうな…。私と同じで悩みを打ち明けたりしないし、人に気を使ったりするから…
妹の私にでもね




『……ふぇっ…ごめん、ね…れいちゃん…』

「えっえっ?名前!?」

『言わなきゃ、良かったよね…!ほ、ホントに…ごめんね…』

「泣かないでよ…」







――――ギュッ



れいちゃんは泣いてる私を優しく、あやすように抱き締めてくれた




『れい、ちゃん…?』

「ごめんね名前…。違うんだ。ちょっと驚いただけなんだ…。愛音が戻ってきたんじゃないかってさ…」

『でも如月愛音さんじゃなかったよ…?』

「うん。わかってる…。全部僕のせいなんだ…」

『それは違うよ!れいちゃんは…、デビューをかけたオーディションで…!』

「ありがとね」




れいちゃんは悲しい顔で私の頭を撫でた。




『……グスッ…』

「はいはい、泣かないで僕の可愛い天使さん♪」




私が泣くと、昔かられいちゃんはよく抱き締めてくれてたなぁ…。
ぬくぬくする…、眠っちゃいそうだよ…




「名前、僕はね…、とても弱い人間なんだ。支えてくれないと自分が壊れてしまいそうで怖い…」

『………』

「でも名前がいてくれたから…僕の妹で、ずっと傍で支えてくれてたから壊れなかった。名前のお兄さんであろうと…」

『………』

「名前は、僕の大切な大切な家族だよ。いつもありがとう…」

『………』

「…名前?」

『…んっ、れいちゃん…』








「…はは♪参ったなこりゃ…全部僕の独り言みたいじゃん!恥ずかしいなー//」




れいちゃんは私が起きるまでずっと傍にいてくれた。
話は寝ちゃったので途中から全然記憶がないです。





れいちゃんと屋上で昼ご飯
ただ一言、やってしまったな…



20130501

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