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翔ちゃんと二人三脚と謎の男の子
本人は『美風藍』って名乗ってたけど…『如月愛音』じゃないの?れいちゃんの親友だから見間違えるはずがないんだけどな…
れいちゃんよく家に招いてたりしてたし…
「名前どうした?顔が険しいぞ?」
『翔ちゃん…』
「悩み事か?せっかくの体育祭だし楽しめよ?どうしてもってんなら俺に相談しろよな!」
『え?あ、大丈夫だよ♪ありがとう翔ちゃん』
どうやら、無意識で険しい表情をしていたみたい。
ダメだ!ちゃんと体育祭楽しまなくちゃ!!
『翔ちゃん!!次は二人三脚だから行こう♪』
「おう♪」
みんなに心配かけさせるわけにはいかないよね…
だって“如月愛音”さんの事は全然関係ないし…
***
『いい?翔ちゃんは左から、私は右から踏み出すからね!』
「まかしとけっ!」
ただいま二人三脚中。愛おしい翔ちゃんとですっ!
翔ちゃんとなら息ぴったりだから大丈夫かなと思いました。
Aクラスはなっちゃんと春ちゃんが出ます
≪ヨーイ!ドンッ!≫
日向先生が笛で鳴らすと同時に選手が走りだした。
やっぱり普通の二人三脚ではなく、前から大玉が転がって来る
『わわわ!!翔ちゃん右右っ!!!』
「バカッ!左行け!!」
とにかく大量に大玉が転がってきます。
なっちゃんと春ちゃんチームはなっちゃんが大玉を弾け飛ばしてるのでスイスイ行ってる…。
私達は大玉に焦り、足がもつれ、転びそうになった時に翔ちゃんの腕を掴んでいて一緒に倒れてしまった
『きゃっ!!』
「うわっ!!」
『いたたた…、ごめん』
「俺は平気!名前は大丈夫かっ!?」
『なんとか……痛っ!』
左足の膝に擦りむいた傷が…、痛いぞ。
血が出てるっ!!!
≪来栖に名前!よそ見すんな!!大玉は容赦なく来るぞっ!!!≫
日向先生に指摘されて、前を向くと大玉がゴロゴロと…ゴロゴロと
『し、翔ちゃん!私を引きずって逃げて!!』
「はぁ!?んなこと出来るか!!!」
『いいから…』
行ってって言おうとしたんだけど、体が急にふわっとしたんだよね。
いつの間にか翔ちゃんは、私を担いでおもいっきり飛んでた。
結構高く飛ぶんだね…
「うぉおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
『すごいよ翔ちゃん!!』
「いっけぇぇぇえ!!!」
なっちゃん達がゴールする寸前のところで、私達はゴールを少しすぎた所に綺麗に着地した
「『………』」
「翔ちゃんカッコいいですね〜♪」
「翔くんすごいです!」
「『………』」
ゴールしたんだよね…
あれ?いつまで担がれてるんだろう…、ちょっと恥ずかしいな//
「勝った…名前!那月に勝ったぜっ!!♪」
『おめでとう翔ちゃん♪』
「はは♪お前もだろ?」
『足引っ張ったけどね…』
「足……あっ!保健室行くぞっ!!」
私は翔ちゃんに担がれたまま保健室へと連れて行かれた
***
『ありがとね翔ちゃん』
「別に、俺が焦らしたんだしさ…」
『翔ちゃんってカッコいいよね♪なんていうか…、いざって時は助けてくれる王子様みたいな♪』
「…っ//」
本当の事を言ったら顔が赤くなる翔ちゃん。可愛いっていうのは黙っておこう…
「名前は友達だからな、助けるのは当たり前だ//」
『!?//』
ツンデレ王子…//
さすがっ!可愛いです翔ちゃん//
「じ、じゃあなっ!ちゃんと休んでから戻ってこいよ!!//」
『うん!//』
翔ちゃんは顔を真っ赤にしたまま保健室を出てった。
ははー、レンの次は翔ちゃんですか//
『またしても照れる!//』
――――ガラッ
『?』
「アナタ…誰ですか?」
『私のセリフです』
翔ちゃんと入れ代わりに入って来たのは、肌の黒い可愛い顔した男の人だった
『ここの学校の人ではないですよね…?』
「失礼しました。ワタシは愛島セシルと申します」
『愛島さん…?』
「yes」
『私は寿名前です』
「セシルでいいです。My princess」
プリンセスだとぉ!?//
わ、私がぁ!?
つか、さりげなく私の自己紹介スルーしたよね?
「ワタシ、明日から学校に来ます♪」
『そうなんですか。じゃあ何でセシルは今日学校に…?』
「見学です♪」
『見学ですか…』
なんか、喋り方可愛い…
そっかぁ明日からなんだね
『明日からよろしくお願いします』
「お願いします♪」
そう言って保健室から出ていってしまった。何しに来たんだろ…
『まぁ、いいか』
結構休んだからもう行かないと。
私はセシルの後につづくよう保健室を出た。
翔ちゃんと二人三脚と謎の男の子(でも、セシルには悪いけど…一番可愛いのは翔ちゃんかなぁ♪
20130430