レンの照れと美風藍の登場
今日は待ちに待った体育祭


他にもクラスはあるんだけど…なんでかSクラスとAクラスでの対決になってしまった。
まったく…学園長って本当に…ムチャブリするよね…




『はぁ、やだー!』

「な、何故いつもAクラスと…」

「レディ、仕方ないさ。ボスの命令だ」

「はぁ?なんでだよ…」




生徒のみんなは、グラウンドに出ていて、先ほど長ったらしい朝礼と開会の言葉が終わり、各クラスの場所にいた。

最初は100m走

Aクラスではマサが、Sクラスではレンが走る。もちろん2人だけで走るわけではない。他にも走る人はいます。




『レン!頑張ってね〜♪』




私はレンに向かって声援を送り、大きく手を振った。
それに気づいたレンは、余裕の笑顔で手をヒラヒラして返してくれた




≪ヨーイ…、ドンッ!≫




学園長のスタートの合図で、選手が一斉に走りだす。そして、グラウンドには鳴り響く声援




『いけー!レーーン!!』

「頑張れぇー!!!」

「………」




しかし、100m走は普通の100m走ではなかった。
途中で落とし穴があったり、箱の中に虫がたくさん入ってて、その中にある紙を取らなきゃいけなかったり…。
もはや100m走ではなく、障害物と買い物競走がまざった競技になっている




「……くっ…!」

「悪いね聖川♪この勝負は俺がいただいた!」




虫が入っている箱の前で、とどまるマサ。虫嫌いだもんね。
その間にレンは箱に手を突っ込んで、紙を取って開くと…、固まった




『な、何引いたのかな?』

「ヤバイもんとか…?」

「………」




固まったと思いきや、ちょっと怖い顔して私達の方に歩いてくる




『えっ?なんだ?』

「へ?こっち来る?」

「レディ!」




レンは私の前で止まると、すごい速さで腕を掴んできた。




『うおっ!』

「一緒に走ってくれ」

『へ?…うわっ!』




そう言ったレンは、私をお姫様抱っこして一気にゴールへと走って行った。
嬉しいよ、レンが私を選んでくれたのは嬉しいよ。でもね、女の子達の視線が、すっごく痛かったのよ…




『…痛い』

「大丈夫かい?ケガしなかった?」

『女の子の…視線が…』

「………」

『あ、ねぇ、それより紙になんて書いてあったの?』

「!?」

『ねぇねぇ』




なんで私を連れて行ったのかがわからなくて聞いてみたんだけど…、みるみる顔が赤くなっていくレン




「……えっと…//」

『ん?』




レンに3つに折られた紙を渡され、彼はそのまま私の前から離れてどこかに行ってしまった




『…?』




とりあえず紙に何て書いてあるのか見てみる事にした







――――ペラッ



『…んなっ!?//』




3つに折られた紙を広げると、真ん中には“可愛い女の子”って書いてある…。

へ…?
これ…、私の他にもあてはまる人いるはずなのに…//




『……おぅ//』




これは自分でもビックリするくらい照れる!!なんだあの人!!!!
普段照れたりとかしないから余計照れるんだけど!




『レンが照れるとか…可愛いとか思ったりして…//』

「ねぇ」




私が照れに浸っているというのに誰だっ!!邪魔する奴は!!




「君が寿名前?」

『…?』




誰?なんか見た事ある気がするけど…
あれ?よくれいちゃんといた人だよね?




「失礼、僕は美風藍」

『みかぜ…あい?』




この人って…れいちゃんの親友さんじゃなかった…?2〜3年前に失踪した…。
藍って名前だったっけ?
いや、違うよ




「君は寿名前さんで合ってるの?」

『あ、はい…』

「そう、わかった」

『あの、如月愛音さんじゃないんですか…?』

「誰それ。僕は美風藍って言ったでしょ?」




なんだこの人!!
初対面に対して口が悪い!




「僕はもう行くから」

『は、はぁ…』

「それじゃ、またどこかで会えるといいね」

『え…?』




その言葉にはどんな意味が込められているのか聞きたかった。けど、人が横切り、前を通り過ぎると…、そこにはもう美風藍さんはいなかった




『如月愛音さんと…、ソックリすぎる…』





レンの照れと美風藍の登場
(美風藍と如月愛音、何か関係がありそう…



20130429

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