やっぱり凄い奴
『…どうかな?』




伴奏が終わり、3人から感想を聞こうと顔を向けたら驚く事に3人とも涙を流していた。
ど、どうしたんだろう…




『あの…』

「すっげーよ名前!俺、超感動しちまった!!」




流れた涙を袖で拭き取って、いつもの笑顔で翔ちゃんはそう言ってくれた




『翔ちゃん…』

「寿さん、私は貴方をなめていました…」

『トキヤ?』

「しかし、今…貴方の見る目が変わりました。貴方は素晴らしい才能を持っていますね」




そう言って微笑むトキヤ。
すみません、笑ったところ初めて見ました…。HAYATOじゃない笑顔…




「レディの曲…、胸にグッときたよ…恥ずかしながら涙が出るほどにね」

『レン…!』

「先生が言ってた通りレディには素晴らしい才能がある。パートナーがいなくても平気さ。歌も上手い」

『ありがとう!』




なんか…、こんなに褒めてもらうとちょっと照れちゃうな。
3人に聴いてもらって良かった!




『さーて!3人に感想もらったし、これを課題テストに出すぞー!!あ、その楽譜あげる!さーて帰ろ?』




ピアノの前から離れ、自分用の楽譜を折れ目がつかない様にクリアファイルに入れ、それをリュックに入れて背負い、教室を出ようと扉を開けた。







――――ガラッ



「うわっ!!」

「!?」

「あ、名前ちゃん、お久しぶりです〜」




開けると、廊下に座っていたのは聞き耳を立てている一十木音也と聖川真斗と四ノ宮那月だった




『あれ?どうしたの?』

「いや、あの…えっと…」

「俺が話す」




オロオロしている音也の代わりに、マサが前に出てきてわかりやすいよう説明をしてくれた




「3人で帰ろうと思ったのだが…、Sクラスからピアノの音が聞こえたので教室の前まで来た結果……つい聞き耳を立てて聴いてしまっていた」




そうなんだ…、音也とマサとなっちゃんも外で聴いてたんだ。
なら感想聞こうかな




『どうだった…?』

「俺、すっごい心にグッときたよ!!」

「そうだな。ピアノも上手かったのにも驚いた」

「名前ちゃんには、才能があるんですね〜♪」

『ありがとう♪』




そんなに良かったんだ…♪
この6人に聴いてもらってホントに良かった♪
後で春ちゃんと友千香にも聴いてもらおう!!









***



「名前!!お前よくやったなぁ♪あの課題すごくよかったぞ!俺感動しちまったしな…」

『本当ですか先生!!』




課題を提出した次の日の放課後に、日向先生からお褒めの言葉を頂いた。
先生はよくやったと言わんばかりに頭を撫でてくれた




「ホントに嶺二の妹か?才能が全然ちげぇ…(笑」

『あ、あは…』

「名前〜♪遊びに来たよ〜ん!!遊ぼ遊ぼ……あれ?龍也先輩?」




私と日向先生が廊下で話をしていると、れいちゃんが走って私達に向かってきた




「…嶺二」

『…最近よく来るね』

「まぁね♪名前が心配だから♪…それと、明日僕スタジオ行くんだけど名前もどうかな?見学って事でさ♪いいでしょ!?」

『え?』

「ねっねっ?いいでしょ、龍也先輩!!」

「まぁ…そういう事ならいいか。名前行ってこい」

『はい!♪』

「…ってか龍也先輩って名前の事呼び捨てだったの!?」

「別にいいだろ」




って事で明日は学校を休み、れいちゃんと一緒にまたスタジオに行くことになりましたー!





やっぱり凄い奴
(名前、これは勉強だぞ
(はいっ!
(久しぶりだねぇ♪
(うんっ!



20130424

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