レンのお世話


『ん…』




5日目の朝を迎えた。昨日はトキヤと一緒にマサの説教をくらって大変だったよ…もう




『ん…?』




あれ?なんだか動きづらい気がする…。
確認をする為に、重たい目蓋を開けて確かめた…




『!?』

「…んっ……あ、おはようレディ」

『レ、レンっ!?』




隣にはレンが寝ていた。
つか、え?なんでレンがいるの!?
昨日は普通に寝てたよね?ってかここ女子のテントだよね…




「ごめんね、レディ。驚いたよね。昨日の今日で聖川に怒られたら大変だ」

『えっ…!えぇ!!』

「ははっ、ごめんごめん。冗談さ」




レンは軽く笑いながら私の頭を撫でる。というより早くどいてほしいんですが…




『お、起きたい…』

「ん?なら俺がお着替えさせてあげようか?」

『け、結構ですっ!!』

「残念だ。そだ、ちなみにみんなは俺達を置いて食料探しに出かけているよ」

『え?そうなの?』

「あぁ、だから今は2人きりだよ」

『…っ!』




耳元で囁かれる。レンって本当に17歳?この年齢の人はみんなこんな感じなのかな?




『(いや、でもなー嶺ちゃんにそんな時期なかったよね…)』

「レディ、今は誰の事を考えているんだ?」

『え?普通に嶺ちゃん…』

「寿嶺二、か…」

『だって嶺ちゃん大好きだもん』

「妬いちゃうなー、俺の前で他の男を大好きだなんて…」

『え?』




なんか…、ちょっと顔が近くね?
待って待って待てぇぇぇえ!!キスとかやめてよねっ!!!




『にゃ〜!!!』

「おっと、どうしたのかな?」

『た、耐えられない…!ちょっと外の空気吸ってくるっ!!』

「あ…」




私はテントから飛び出し、外の空気をこれでもか!って程吸った




『はぁ…、危なかった…』

「何が?」

『!?…な、なんでついてくるんだ!!』

「なんでって…、みんなにレディを見ててって頼まれたからさ」




あれ?なんだ、意外と信頼されてるんだね…




「ま、聖川には睨まれたけどねぇ」




マサにだけ全然信頼されてねぇじゃん!!
ちょっと!そんな信用ない人と2人にするみんなもどうなの!?




『と、とにかく!ちょっと1人にして…?』




ツッコミ続け疲れた私は、レンと1回離れようと歩きだそうとした時だった




『きゃっ!』

「おっと、危ない!」




石につまずいた私を、レンが後ろから腹に手を回して支えてくれたので、地面に倒れる事はなかった。




『あ、ありがとう…』

「レディはもう少し、気をつけて歩いた方がいい」

『すいません…』









***



『もう少しで夕日が沈むのにみんな遅いよ…。夜の森って怖いんだから…』

「レディお腹が空いただろう?ご飯が出来た。一緒に食べよう」

『はーい』




みんなが帰って来るのが遅いなって事で、2人で先にご飯を食べる事にしました。ペコペコなんで




『いっただきまーす!』

「たくさん食べて、モデル体型になれるよ」

『マジで!?…はふっ、ん!美味いっ!』

「それは良かった」

『ねぇ、レンは料理も出来るの?』

「あぁ、寮で聖川が自分でやれってうるさいからね。でも、家にいる時はシェフにやってもらってる」

『そういえば…、ボンボンなんだよね?』

「あぁ」

『いーなー、寿弁当も有名にならないかなー』

「…でも金持ちもよくないさ」

『そう…?』

「アイツらは、俺を宣伝の為に道具に使ってる。…腹が立つね」




家族の話をしている時のレンは、とても怖い顔をしてた…、同時に悲しい顔もしていた。
もしかしたら怒ってるんだけど、すごく寂しいのかもしれない…




『レンは道具じゃない…』

「…そんな事はどうでもいいよ。レディは気にせず食べて」

『うん…』

「…ホントに美味しい?」

『うん!とっても!』

「レディは、頬に米粒つけて…可愛いね」

『え?どこ!?』

「ここ」




レンは私の頬についてる米粒を指で取り、それを口に運んでいた




『…!?』

「うん、レディの頬についた米粒はさらに美味いね」

『ば、ばかじゃないの!』

「うーん…、ツンデレときたか…」




こんな感じで、途中から他愛ない話をしていた。
もう家族の話はあまりしないようにしよう…。レンの悲しい顔はなるべく見たくないし、レンから言ってくれるまで待ってるよ



みんなが食料探しから戻って来たのは、私達がご飯を食べ終わってからだった。
レンが作ったご飯をみんなが美味しくいただいてました。私達はそんなみんなを笑顔で見てるだけだった




レンのお世話
5日目・神宮寺レン
(…うまそう
(レディはさっき食べただろ?
(…うん


20130411

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