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▽ バレンタイン企画



喜「隼総」

隼「あー?」

机の上にどっさりと乗った可愛らしい包装を施されたチョコレート。隼総は一つ取ってじっくり見てはやる、と比嘉志に渡していた。星降も星降でたくさんのチョコレートを持ってこちらにやってくる。

喜「君はこのチョコレートをくれた女の子の気持ちを考えたりしないのか?」

隼「なんだよ喜多。来るなり説教かよ」

喜「説教じゃない。俺が言っているのは正論だろう?」

目の前で起こる争いを見つめて、ため息をつく西野空。やってきた星降はじと目で隼総を睨み付け、比嘉志は隼総にもらったチョコレートをむしゃむしゃと食べている。

隼「あーうるせえうるせえ!俺は本命以外はいらねえんだよ」

その一言に教室が凍りついた。
はしゃきだす女子生徒、睨み付ける端にいる男子生徒。静かな空間を壊したのは星降だった。

星「隼総の本命は喜多だろ」

隼「なっ、に言ってんだよ!んなわけねえだろ!」

西「えー?隼総って喜多くん好きなんだー?まあ、いいけど、喜多くん泣かしたら承知しないからね」

隼「話を勝手に進めんな!」

必死になって否定する隼総をよそに、喜多は顔を真っ赤にして黙り込んでいた。

西「えええ!喜多くん可愛すぎるよ!!なんで隼総なんかにそんな顔すんの!?隼総なんかに!」

隼「なんかとか失礼だろ!…てか喜多」

喜「なっ、なん、だ?」

緊張して片言のように途切れ途切れに喋る喜多に隼総は近寄った。西野空は未だずるい、と拗ねているのをいいことに隼総は喜多にキスをした。

喜「…!!!!」

隼「ま、今年はこんくらいで許してやるよ」

隼総は授業だからじゃあな、と教室から出て行った。その後ろ姿を見つめる喜多の真っ赤な顔を見つめる星降と西野空。比嘉志は気にせずチョコを食べ続けている。

星「喜多、嫌だと思ったら俺に言えよ」

喜「………」

西「ありゃま。放心状態ってやつ?」

星「でも隼総も可愛い奴だな。真っ赤な顔をして」

西「うん!うざいけどなんだかんだ可愛いよねー、隼総と喜多くん」




隼「だあああああああああっっ」

教室を出て廊下を曲がった瞬間、隼総は真っ赤な顔で叫んだ。壁に向かってしゃがみ込んでいる。

隼「くっそ、可愛すぎんだろ喜多の馬鹿…!」

今年はこんくらいで許してやるよとは言ったものの喜多の赤い顔は隼総にはなかなか刺激的だったようで、来年がどうなるか今から心配な隼総だった。





(これは、俺がお返しをするべきなのか…?
馬鹿で律儀な喜多が好き)


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2014.02.13

隼喜多です!
若干喜多←西野空的要素が…(笑)



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